老親の銀行口座、知ってる?預貯金をうまく引続ぐ方法

日刊SPA! / 2019年7月10日 19時0分

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イラスト/オーグロ慎太郎

 必死に働いて築いた親世代の資産。総務省データによれば70歳以上の人の平均貯蓄額は2249万円に上り、その多くはいずれ子供や孫に相続されることになるだろう。しかし、何もせずにいると、親の資産は失うリスクを伴う。老親のお金を守るのは子供の役目。今こそ親の資産を守る方法を学ぶべし!

◆<預貯金>5個以上ある銀行口座は2個に集約!

 多くの場合、親が持っている最大の財産といえば預貯金。そこには思わぬ危険が潜んでいる。

「母親が認知症になったので、慌てて口座を把握しようと聞いたのですが、本人もいくつ持っているか覚えていない。そこで実家を大掃除すると、何冊も知らない預金通帳が出てきました。メインで使っていた銀行はこちらも把握していたのですが……。旅行会社の優待会員の年会費が何年も引き落とされていたものもあって、もっと早く聞いておけばよかったと後悔しましたね」(59歳・金属加工)

 また、気づかずに口座を10年以上放置してしまうと「休眠預金」として国庫に入ってしまう。親に複数口座を持たせるのにはリスクが伴うのだ。行政書士の尾久陽子氏は、次のようにアドバイスする。

「高齢の方はバブル崩壊後の銀行破綻のショックが強かったことで、5~6個口座を持っている人が非常に多い。老齢年金、遺族年金の入金口座、光熱費の引き落とし口座がバラバラなんてことも珍しくありません。すると収支が把握しづらくなり、余計な支出にも気づかない。親にいくつ口座を持っているのか確認し、漏れているものがありそうなら、行政書士などに調査してもらう。認知症やほかの病気にならない元気なうちに、生活費用の口座と貯蓄口座、2~3個に整理しましょう。手間がかかる作業なので、委任状を作って、代わりに手続きしてあげるといいですよ」

 無防備にも通帳の管理を友人に任せている高齢者もいるそうなので、口座の調査だけでもプロに頼んだほうがいいかもしれない。

「ギリギリになってから親が自分で実態を把握しようとしても手遅れです。亡くなる前3年間の贈与にも相続税はかかるので、慌ててお金を移すのも意味がない」

 では、できるだけ預貯金を減らさずに、うまく受け継いでいく方法はないのか?

「教育資金の贈与であれば、1500万円までは非課税になります。亡くなっても相続税には加算されないので、孫のために教育資金口座をつくることを勧めてみるのがいいかもしれません。お金を移す心理的ハードルも低いですしね」

◆<CHECK POINT>

1.親の口座は何個ある? 不安な場合は調査を
 無駄な引き落としや休眠口座に気づいていない場合も多いので、親が元気なうちに口座の数を確認しておくこと。調査だけなら費用も抑えられるので、プロに頼めば確実だ

2.委任状を取得して口座の整理を手伝う
 口座整理の手続きは親に丸投げするのではなく、委任状を取って、子供がサポートしてあげよう。銀行によって必要書類などが異なるので、事前に絶対確認すること

3.孫の教育資金口座を開設してもらう
 教育資金の贈与は1500万円までは非課税。生前に預貯金を贈与してもらったり、亡くなってから相続するよりも税制面でのロスが少なくなるので、老親に相談してみよう

【尾久陽子氏】
おぎゅう行政書士事務所・居宅介護支援事務所代表。監修に『トクする相続超入門ガイド』(主婦と生活社)、共著に『くらしの相続Q&A』(新日本法規出版)など

― 老親のお金を守れ! ―

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