内閣改造で「皇室典範担当大臣」を設置せよ。人選は衛藤晟一首相補佐官/倉山満

日刊SPA! / 2019年9月9日 8時32分

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「皇室を敬い、文化、伝統を大切にします」と自身のサイト内に掲げる衛藤晟一首相補佐官。安倍晋三首相は2度の消費税増税だけでなく、女系天皇への道をも許す首相となるつもりなのか(写真/時事通信社)

―[言論ストロングスタイル]―

◆枝野幸男は、安倍自民党(創価学会傀儡)の咬ませ犬にすぎない

 長い夏休みだ。政治の常識では、参議院選挙が終われば内閣改造が行われる。ところが、今年は9月に行われる運びだ。その間、国会も開かれない。よほど暇なのだろう。そして安倍晋三首相などいなくても、日本の政治は回るのだ。

 日本を動かしているのは官僚である。今の政治家は、官僚の振り付けで踊る存在に過ぎない。そして、安倍首相ほど、官僚にとって与しやすい政治家は、おるまい。

 6年前の政権発足当初こそ、「戦後レジームからの脱却」などと、生意気な主張をしていた。「日本が敗戦国であることを、やめる」との意味だ。当時は安倍首相も、「まず経済、そして最終的には憲法改正」などと、マトモなことを言っていた。よくぞ言った、である。現実に権力を握る官僚(内閣法制局と財務省主計局)は、日本がダメな国であることを前提に既得権益を握っているのだから、大した勇気だ。

 ところが、大見えを切ったはいいが、6年も政権を独占していて、景気回復すら覚束ない。それどころか、10月1日からは政権発足以来2度目の消費増税を行うという。これでは、生きているうちに景気回復すら可能なのかと疑いたくなる。

 歴史に名を残してきた政治家は、明確な政治目的を掲げ、実現してきた。ただルーティンを回すだけなら、行政である。それに対し、既存の行政の枠組みを超えた目的を示すのが政治の役割なのである。

 ところが、安倍首相は、政治が何かがわかっていないのだ。行政とは利害の調整であり、政治とは敵との戦いである。

 まさか、枝野幸男が率いる今の野党との戦いを、政治だと勘違いしている訳ではあるまい。枝野は安倍自民党(創価学会傀儡)の咬ませ犬にすぎない。しかも、喜んで咬ませ犬を演じている。

 そして、旧民主党系の野党は人材が豊富である。連中は政権喪失以来、星の数ほど安倍内閣の延命に貢献してきた。海江田万里、岡田克也、蓮舫、そして枝野幸男。彼ら無くして、安倍内閣の長期政権化は無かったであろう。

 安倍内閣発足以来、多くの言論人が嘘を拡散してきた。「安倍か、野党か」と。違う。野党は安倍内閣の補完勢力なのだ。いかに安倍自民党内閣(創価学会傀儡)が愚行を繰り返そうとも、野党第一党がこの体たらくでは、選挙民は安倍自民党(創価学会傀儡)を選ばざるを得ない。かくして、官僚機構の既得権益を犯さない安倍内閣は続く。見事な共犯関係だ。

◆女系は論外であり、女帝は混乱を招くだけだ

 さて、秋の臨時国会以降、皇室典範の改正が争点化するだろうと見做されている。

 この期に及んで、女帝を押し切り、皇室そのものを作り変える女系天皇への道を切り開こうとする邪まな陰謀が蠢動している。

 女系天皇は論外である。先例が無い。さすがに今の状況で女系天皇を唱える人間など、極端な主張が生き甲斐の目立ちたがり屋しかいない。皇室の話をしているときに、得手勝手な理屈で先例を無視する論者に耳を傾けるなど、時間の無駄だ。現実の政官界でも、確信的女系論者は牙を隠し、女帝を押し出している。

 そこで聞く。今の時期に女帝、すなわち「愛子天皇」論を主張する意味が分かっているのか? 五つの質問をする。

 質問一。「愛子天皇」が実現した場合、悠仁親王殿下の皇位継承順位は、どうなるのか?

 質問二。悠仁親王殿下の皇位継承順位が下がった場合、「お前は後回しだ」と言う覚悟があるのか?

 質問三。先例に従えば、女帝は未亡人か生涯独身である。愛子殿下に、「あんたは一生、結婚するな」と言う気か?

 質問四。仮に新儀により愛子天皇がご結婚されたとする。現行制度では、悠仁親王殿下と結婚されない限り、相手は民間人である。お二人にお子様ができた場合、皇位継承権はあるのか。

 質問五。そもそもである。

 天皇陛下が「愛子を天皇にしてくれ」と一度でも公の場で、仰ったのか。聞いた者がいるのか?

 冷静になれ。正統な皇位継承資格者である悠仁親王殿下がおわすのに、なぜ女帝なのか。

 我が国は、神武天皇の伝説以来一度も途切れることなく、皇室の伝統を守ってきた。その歴史は、悠仁親王殿下が背負われている。日本国民の義務は、悠仁親王殿下をお守りし、殿下がご即位あそばされた時に備えて皇位の安定継承をはかることだ。

 女系は論外であり、女帝は混乱を招くだけだ。本欄で何度も強調してきたが、旧宮家を復活させればよい。

 もし安倍首相が政治家として歴史に名を残したいなら、皇室典範の改正により、旧宮家を復活させるべきだ。その折には有識者会議を開かれるだろう。そこに、皇室史学者を名乗る不肖倉山満を招けば、正論を開陳するに吝かではない。

◆内閣改造で「皇室典範担当大臣」を設置せよ

 申し訳ないが、上皇陛下の御譲位の際に招集した有識者会議は、無知蒙昧(むちもうまい)な愚か者の見本市と化した。中には陛下に対し、人として失礼な言を吐いた輩もいる。あれらの如き逆賊どもを呼ぶなら私の方が百万倍マシだが、安倍首相に私を呼ぶ度胸はあるまい。

 そこで、極めて現実的な提言をする。9月に行われる内閣改造で、「皇室典範担当大臣」を設置せよ。そして、大臣の人選は今の自民党を見て適任者は一人しかいない。

 衛藤晟一首相補佐官である。参議院当選3回。衆議院でも4回当選していて、入閣資格は申し分ない。安倍内閣で6年間、首相補佐官を務め、皇室や歴史の問題、いわゆる保守の根幹にかかわる政策を担当してきた。長年の安倍首相の兄貴分でもある。

 “アベノシンジャーズ”は、「安倍さんに高いハードルを課すな」と批判を封じるのが常だったが、閣僚任命権は首相の専管事項である。障害は何もない。ただし、いずれは女系天皇を実現して皇室を解体したい邪まな勢力に喧嘩を売ることになる。安倍首相に覚悟があるかだけだ。

 また、これまで「皇室の問題では安倍さんはしっかりしている。他の人では心もとない。だから安倍内閣に続いて貰わねばならないので、批判するな」と言われてきた。ならば、これくらいのことはやってもらおう。

 私は今の安倍内閣に積極的不支持だ。6年も何の実績も残せていない無能が理由だ。

 だからこそ、その私を唸らせる政治をしてもらいたいものだ。如何?

【倉山 満】
憲政史研究家 ’73年、香川県生まれ。’96年中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程を修了。在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤職員として、’15年まで同大学で日本国憲法を教える。’12年、希望日本研究所所長を務める。同年、コンテンツ配信サービス「倉山塾」を開講、翌年には「チャンネルくらら」を開局し、大日本帝国憲法や日本近現代史、政治外交について積極的に言論活動を展開。ベストセラーになった『嘘だらけシリーズ』など著書多数

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