ただの中古車じゃない!「希少車」のすすめ。テージス、エアトレック ターボR…

日刊SPA! / 2019年9月22日 15時51分

写真

筆者が希少車3台を同時所有していた頃。右から日産マーチカブリオレ(生産台数約3000台)、三菱プラウディア(約1200台)、日産レパードJフェリー(約7000台)

―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。私はこれまで数十台のクルマを買ってきたのですが、そういった経験のなかから、中古車はお得だと考えています。特に今の時代は、総額50万円程度の中古車だったとしても、新車と体感できるほどの性能差が少ないと感じます。

 まして、日本の中古車は世界的に見ても良質で、海外から仕入れに来るバイヤーが大勢いるぐらい。つまり日本は中古車天国。私達は、恵まれた環境にいるわけです。

 私は腕時計投資家なので、モノの価格変動に興味があるのですが、クルマも価値が下がりづらいモノを買うことが重要だと考えています。しかし、これまでの事例では、クルマの価値が将来的に上がるという事例はあまりなく、「いかに買った値段に近い価格で売却できるか」ということが重要でした。

 とはいえ、総額50万円といった激安中古車ならば、その価値はほぼ下がりきっているため、例え売るとき0円になってしまったとしても、その支払総額は50万円。新車を買うより安く済むかと思います。

 けれども、そんなクルマ界隈において、最近様子が変わりつつあると感じるのです。

◆クラシックカーじゃなくても価値が上がり出した!?

 これまで、価値が上がるクルマはクラシックカーなどに限られるという印象でしたが、近頃は近代的なクルマでも価値が上がるようになったのです。

 例えば近年、ポルシェ911の空冷世代の価値が上昇したというのは、カーマニアの中では有名ですが、日産スカイラインやホンダNSXなども最近は上昇傾向にあります。そのような価格変動に影響を与えているのは、海外でも日本車が評価されているなど、様々な要素があるようですが、いずれにしても価値が上がるクルマが増えたということが重要だと感じます。

 また、最近メルセデス・ベンツは、旧世代のクルマを中心とした「All Times Stars」を展開。メーカー自身が旧世代のクルマの販売やサポートにも力を入れています。メーカーにとっても、自社のクルマの価値ということは重要だと考えている様子であります。

 メルセデス・ベンツの名車、500E/E500のクラブ「FIRE AND SILK」が行ったイベントでは、メルセデス・ベンツミュージアムの方が登壇していたのですが、その方いわく「これから注目のクルマ」というテーマの答えとして、なんとCクラス・スポーツクーペを挙げていたようなのです。

 Cクラススポーツクーペは、2001年に登場したCクラスの廉価グレードに相当するシリーズで、BMWの3シリーズコンパクト(ti)に対抗したモデルです。このような廉価車種は、往年のファンからは「邪道」と言われ、あまり評価されないことも多いでしょう。しかし、メルセデス・ベンツミュージアムの方がそのクルマに対し「これから注目」と言ったのです。こういった感性はとても重要だと思います。

 なぜCクラススポーツクーペが注目なのか? その理由は「希少であるということはそれ自体が尊い」とのこと。腕時計投資家としては、この感覚はとても理解でき、さすが!と言わんばかりの素晴らしい感性だと思います。

 このCクラススポーツクーペは、現在、そこそこの状態でも総額40万円台で購入可能。まだ評価されていない「希少車」といえるでしょう。もしも、今後評価されたならば、当然ですが、現在の40万円台という価格は「かなり安かった」ということになります。

 将来的に価格が上がるか否かはわかりませんが、もしも価値が上がったならば、「安いうちに買っておけばよかった」となるでしょう。また、全く市場に出てこなくなるかもしれません。そういった意味では、将来、購入難易度が上昇する可能性があるのが希少車だといえるわけです。

 もちろん、価値が上がらなかったとしても、希少車の所有満足度はとても高いのも確か。私は、これまで様々な希少車に乗ってきましたが、「人とかぶらない」という感覚は、なんともいえない良さがあります。そして、日本には現在、様々な希少車が存在。そういった希少車でも、多くの車種は、一般的な中古車価格で購入することができるのです。

◆ランチアテージス、パサートW8…オススメの希少車

 希少車といっても、輸入車と国産車がありますが、なにせ国産車に希少車が多いというのが日本ならではの特徴。かつて、日本には多数の「国内専売車種」がありましたが、海外メーカーだと輸出が前提となる場合が多いため、日本国内向けの希少車は世界的に見てもレアだといえます。

 ただ、そういったレアな国産車は、海外では認知されておらず、注目されるのはまだまだ先のことになるかもしれません。その点、世界展開されている車種の場合、認知度が高いため、注目されやすい可能性があります いずれにしても、日本には、レアな輸入車も国産車も多々あるため、とても買いやすい環境だと感じます。

 ということで、最後に私がオススメの希少車をいくつかご紹介。輸入車と国産車で、私が個人的に注目しているクルマを独断で選ばせていただきました。

●ランチアテージス

 イタリアのブランド「ランチア」のテージスは、2001年に登場した同社のフラッグシップモデルで、セグメント的にはEクラスのライバルといった存在です。特徴的な外観と、ポルトローナ・フラウの豪華な本革シートが魅力的なこのクルマ。日本に正規輸入されていなかったにもかかわらず、程度の良い中古車を常時数台見かける状況となっています。現在の最安値は、138万円といったところですが、そこそこの程度の個体でも総額200万円台で購入可能といった様子。

 私は、かつて三菱プラウディアに乗っていた際、「プラウディアの次に欲しい!」と思ったのですが、高くて買えませんでした。今ではだいぶ安くなったと感じます。

●VWパサートW8 4MOTION

 2002年から日本で正規販売されたVWパサートW8。パサート自体は、それほど希少車でないものの、W型8気筒エンジンを積んだ「W8」はかなりなインパクトのある希少車。先日亡くなったフェルディナンド・ピエヒ氏の世界観を強く感じる1台だと思います。現在、売り出されている中古車はワゴン1台のみですが、何ヶ月か眺めていれば数台は出てくる傾向があるかと思います。ちなみに、今年は走行距離1万km程度の車体が出たことがありましたが、それでも数十万円単位でした。

●VWルポGTI

 こちらもパサートW8 4MOTIONと同じく、フェルディナンド・ピエヒ氏の世界観を感じるモデル。ルポには、「ルポ3L」など尖ったモデルが多い印象ですが、GTIはそのトップかつスポーツグレード。「3L」とは異なり、正規輸入されています。

 現在の最安値は約30万円ですが、そこそこの程度でも総額50万円~70万円といった水準で購入可能。ちなみに、2003年ぐらいまでの年式は、開閉部がアルミ製であるため、特に評価されている傾向があるといえます。

●日産マーチカブリオレ

 1997年に日産が発表したマーチのオープンカー。マーチといえば、海外では「マイクラ」と呼ばれる国際戦略車。実際、3代目マーチのオープンカーは、日本でも「マイクラC+C」という名称で売られていました。しかし、2代目マーチの「マーチカブリオレ」は、実は日本国内のみの販売だったのです。

 その生産台数は、3000台程度。パワートレインは、CVTと5MTがあるのですがマニュアルは中古車市場にはめったに出てこないレア中のレア車です。ちなみに私はこのクルマが好きで、CVTも5MTも所有したことがありますが、意外にもCVTのほうが好印象でした。特に都内一般道では、とても快適で、積極的に使っていた記憶があります。

●三菱エアトレック ターボR

 三菱自動車は、様々なレア車を展開する傾向があり、まさに希少車の宝庫。有名どころでは、総生産台数59台のディグニティ、約1200台のプラウディアなどがありますが、「レアなグレード」も多い傾向があります。デボネアAMG、ギャランAMGなどは、その代表例。また、RVRなどでもランエボと同じ4G63のターボエンジンを積んだグレードがあり、そういったモノは特に評価されている傾向があります。

 しかし、同じ4G63ターボを積むエアトレックは、今安く購入可能な状態。中古最安値は10万円ぐらいからで、そこそこの程度の個体でも総額50万円前後で購入可能だと感じます。このクルマは実用性が高いため、ファミリーカーとしても多くの方に選択可能な1台といえるかと思います。

 以上、いくつか希少車をご紹介しましたが、この他にもレアカーは多数存在。クルマ選びの際には、ぜひ「希少車」という要素に注目してみることをオススメします。

【斉藤由貴生】
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング