眠れない夜に…もう不眠に悩まない対策25ヶ条/快眠セラピストに聞く

日刊SPA! / 2019年9月29日 15時54分

写真

「睡眠」への関心が高まる一方で、眠りに対しての悩みはつきない。
「忙しくて睡眠時間が足りない」という人がいれば、「眠りが浅い」「寝つきが悪い」「夜中に起きてしまう」という不眠症状に悩む人。そして「なんか今日、眠れない!」と悶々とする人も。

 こうした「眠れない悩み」を解消するためにはどうしたらいいのか?『眠トレ!-ぐっすり眠ってすっきり目覚める66の新習慣』など、睡眠に関する著書多数の快眠セラピストの三橋美穂さん監修のもと、眠りを変える25の処方箋を紹介する。

◆【眠れない夜に、まずすべき5つの処方箋】

◆1)いったん、寝床から出る

「眠らなきゃ!」と考えていると、緊張して余計に眠れなくなるという悪循環にハマってしまう。とくに、不眠症状のある人は「寝室=眠れないところ」という意識ができているので、無理に眠ろうとするのは逆効果。
 寝室から出て、暗めのリビングでゆったりと過ごし、眠くなったタイミングで寝床に戻るようにしよう。

◆2)「4-7-8呼吸法」で副交感神経を優位に

 人がリラックスしているときや寝ているときは、自律神経の副交感神経が働いている。意識的な呼吸でこのリラックス状態をつくることができる。
 方法は簡単。息を吐ききったあと、鼻から息を吸う(4カウント)⇒息を止める(7カウント)⇒口からゆっくり息を吐く(8カウント)
 この「4-7-8呼吸法」を4~10回繰り返すと、自然と体がゆるみ眠れる体になっていく。

◆3)「カウントダウン法」で雑念を追い払う

 寝床に入ってあれこれ考えているうちに、眠れなくなってしまう人にオススメなのが「カウントダウン法」。方法は簡単で、「100・99・98…」と100から逆にゆっくり数えていくだけ。数を数えることに集中することで、余計な考えから抜け出せ、いつの間にか眠りにつくことができる。
 羊を数えるのと似ているようが、じつはこれ、眠れぬ夜のNG行為。「羊が一匹(one sheep)」「羊が二匹(two sheep)……」は、英語なら息を吐きつつリラックスできるフレーズだが、日本語では力が入ってしまう。エンドレスに数え続けてしまうので、眠りから遠ざかってしまうのだ。

◆4)歌詞のないリラクセーション音楽に意識を向ける

 歌詞のある曲は、意味を考えて脳が働いてしまうので×。スローテンポなインストゥルメンタルを小さめの音で流していると、音楽のテンポと呼吸のリズムが同調して穏やかな気分に。また、音楽に集中することで雑念もなくなる。
 オススメは自然音を取り入れたリラクセーション音楽。波の音や小川のせせらぎといった自然音に含まれる「1/fゆらぎ」は、人間の生体リズムにもあるもの。音楽と体のリズムが同調し、より心地よく安らぐことができる。

◆5)睡眠前はスマホを手放す

 スマホは「眠り」にとって百害あって一理なし。ブルーライトが眠りを誘う睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を抑制し、スマホで見ているメールやSNSなどの情報やゲームが気持ちを高ぶらせてしまう。さらに、止めるタイミングが見つからず、ダラダラ見続けて、結果睡眠不足にも。
 なんとか眠れる方法をと検索して、この記事にたどり着いた人はすぐにやめるべし。

◆【「眠れない寝室」を改善する5つの対策】

◆6)キレイな空気

 寝具などから出るほこりなどで、寝室の空気は意外と汚れている。空気が汚れていると呼吸が浅くなり、酸素を取り込む量が減ってしまう。結果、全身に酸素が行き渡らなくなり、疲れが取れにくくなるのだ。
 デンマーク工科大学による研究では、室内の二酸化炭素を減らしただけで睡眠の質が高まり、翌朝のパフォーマンスもアップしたという報告もある。
 朝晩、寝室の換気をし、空気清浄機を使うなどして、寝室の空気をキレイに保とう。

◆7)どんなに小さい照明もオフにする

 豆電球ほどの小さな灯りでも、その光刺激で睡眠が浅くなってしまう。寝るときの照明はすべてオフ。
 また、眠りに入る前も明るい照明は避けたほうがいい。夜、明るい光を浴びると、体が寝る準備に入ることができないのだ。寝る前のリビングは、オレンジ色のやさしい光や間接照明を取り入れよう。

◆8)ベッドは一人1台

 無意識に行っている寝返りだが、血液やリンパの流れを促したり、体温調節をするためにとても大切な役割がある。すぐ隣に誰かが寝ていると、寝返りがうまく打てず眠りが浅くなってしまう。できるだけゆったりとしたサイズの寝具を使うべきで、シングルベッドを一人1台使うのが理想的。
どうしても同じベッドに2人で寝たいなら、セミダブル(幅140㎝)に2人は狭過ぎで、住宅事情もあるがクイーンサイズ(幅160㎝)以上がおすすめ。

◆9)適度に暖かい寝床

 寝室の温度については、寝具や着衣の量、個人の体質もあり、一概に言うことができない。が、年間を通じて快適だと感じる寝床内の温度は「33℃±1℃」、湿度は「50%±5%」だと言われている。これを基準に、季節毎に快適な寝室環境を調整していこう。
 夏は熱中症のリスクがあるので、冷房を適切に使い、寒ければパジャマや肌着、布団など体の近くで保温を。一方、冬は寝床内と室温の温度差が大きいとヒートショックのリスクがある。室温18℃以上をキープしよう。

◆10)“パジャマ”を着る。部屋着のままはNG

 基本、本人が快適であれば、裸で寝るのも問題はなく、保温性という点では、スウェットやジャージも悪くはない。が、部屋着のまま寝ると意識が「活動の延長」のまま。パジャマに着替えたほうが入眠のスイッチは入りやすくなる。
 パジャマは、柔らかい生地で縫い目も柔らかくて軽く、吸湿性に優れていて、当然だが眠りに適している。寝間着を変えただけで、眠りが変わる人も多い。

◆【「眠れない身体」を変える5つの習慣】

◆11)決まった時間に起きる

◆12)朝日を浴びる

 約24時間のリズムを刻んでいる体内時計。人間には脳にある「中枢時計」のもと、臓器や細胞などにある「末梢時計」が血圧や体温、ホルモンの分泌などを調整している。体内時計が乱れると、体の機能がうまく働かず、体調不良につながり、睡眠にも悪影響が出てしまう。
 これを整えてくれるのが光。朝、決まった時間に起きて太陽の光を浴びると、もっとも大切な「中枢時計」をリセットできるのだ。
 また、太陽光によって睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が止まり、気持ちを安定させる脳内物質「セロトニン」が分泌される。このセロトニンが、夜、メラトニンに変わり眠気を促す。日光を浴びることは睡眠にとって超重要なのだ。

◆13)日中は活動的に過ごす

 日中活動的に過ごすと睡眠物質が脳の中に蓄積され、夜、自然な眠気をもたらす。1日中、オフィスの中でパソコンに向かいっぱなしという環境でも、ランチは外に出る、エレベーターではなく階段を使う、ストレッチをするなど、運動量を増やして、体を疲れさせることが大切。

◆14)お風呂は「ぬるめ」で15~20分

◆15)入浴は寝る1~2時間前に

 人の体温は1日の中で1~1.5℃程度上下していて、この体温のメリハリは眠りにも関係している。体の内部の温度(深部体温)が下がっているときに眠気が起こり、睡眠中の体温は低くなる。
 入浴によって血行をよくし、いったん体温を上げておくと、熱が皮膚表面に移動して深部体温が急激に下がる。これにより眠気が強くなり、入眠後の熟睡感も高まり、質のいい眠りとなるのだ。
 お湯は40度前後のぬるめのお湯で15分程度。深部体温が高いままだと眠れないため、入浴は就寝の1~2時間前に済ませておこう。

◆【睡眠の質を上げる5つの食事術】

◆16)朝食を食べる

 太陽の光で体内時計の「中枢時計」がリセットされ、朝食を食べることで、全身の臓器や細胞に存在している「抹消時計」が「中枢時計」と同調しはじめる。たとえるなら、バラバラに動いていたたくさんのメトロノームのリズムがピタッと一致し、正確なリズムを刻み出すイメージ。体温やホルモン分泌、睡眠・覚醒などのリズムが整っていく。
 朝食は起床後1時間以内に食べるとリセット力が高まる。たんぱく質と炭水化物をバランスよく、しっかり食べるのが理想だが、朝食習慣のない人にはしんどいかも。まずは、おにぎり1個、バナナ1本からはじめてみよう。

◆17)昼食は定食で腹八分目

◆18)炭水化物は最後に食べる

 昼食をお腹いっぱい食べると、覚醒物質の分泌が減って、午後の仕事のパフォーマンスは下がりがち。しかも、丼物などで白米などの炭水化物をたくさん食べると血糖値が急上昇し、上がった血糖値を下げようとインスリンが分泌され、血糖値が乱高下する。これが眠気を引き起こす原因となる。
 ランチは腹八分目。副菜やメインから食べ、最後にご飯やパンなどの炭水化物をとり、血糖値の上昇をゆるやかにしよう。

◆19)夕食は早めに軽く

 夕食の量が多いと、体内時計は夜型にズレてしまう。また、夕食が遅くなると寝ている間も内臓が消化のために働くので、睡眠の質を下げることになる。21時までに夕食を済まるのがベストだが、忙しいビジネスマンには難しい。
 そんな人は「分食」を取り入れてみたらどうだろう。残業のおともにおにぎりなどの炭水化物を食べ、帰宅後に軽く食事をするのだ(あるいは、食べない)。
 空腹で朝を迎えれば、朝食がおいしく、モリモリと食べられるはず。

◆20)食物繊維をとり、脂肪や糖質を抑えめに

 アメリカ・コロンビア大学の研究では、夕食に食物繊維を多く摂った場合、寝つきがスムーズになり、一方、脂肪や糖分が多いと、入眠に時間がかかり、深い睡眠も減って中途覚醒が増加したという結果が報告されている。アボカドやほうれんそう、納豆など、食物繊維を意識的に摂ることで、睡眠の質の改善が期待できる。
 また、夕食の糖質が多いと、夜間に低血糖となり、血糖値を上げるためアドレナリンなどが分泌。交感神経が優位になって悪夢を見やすくなるという研究も! やはり、夕食の糖質は控えめに。

◆【不眠解消のためにさらなる5つの対策】

◆21)就寝アラームをセットする

 12時には寝ようと思っていても、なんだかんだで午前1時……なんて人も多いはず。そういう人は、就寝時間、あるいは入浴時間にアラームをセット。やり残した仕事やタスクはそこで強制終了させよう。
 1時間睡眠時間を確保するだけで、体調は格段によくなる。

◆22)昼休みの「仮眠」でパフォーマンスを上げる

 どうしても睡眠時間を確保できず、寝不足状態が続いているという人は、戦略的な仮眠で対処を。仮眠といっても横たわる必要はなし。昼食後、コーヒーを飲んでから、15分間、目を閉じるだけで、脳に休息を与えることができるのだ。コーヒーに含まれるカフェインの覚醒作用が、目覚めるころに効きはじめ、スッキリと起きることができる。

◆23)休日に寝だめはしない。午前の仮眠はOK

 日頃の睡眠不足を取り戻そうと、週末に寝だめをするのは逆効果。体内時計の乱れが大きくなり、日中はだるく、夜の睡眠も浅く、月曜の朝がつらくなるだけ。2時間起床時間がズレるだけで、代謝やホルモンに影響が出るのだ。
 休日に睡眠負債を返済しようと思ったら、いつもより1時間早く寝て、1時間遅く起きること。ただし、午前中の仮眠は夜の眠りにほとんど影響しないので、シャキッと目覚めたあとの午前に訪れた眠気には、素直に従ってOK。

◆24)スヌーズ機能は使わない

 目覚めにスヌーズ機能を使い、だらだらと布団の中にいるのは×。「睡眠効率」が下がってしまうから。睡眠効率とは、「寝床に入っている時間(床上時間)」のうち、実際に眠っていた時間の割合のことで、85%以上が理想だ。
 睡眠時間が短い人ほどシャキッと一発で起きたほうが、よい睡眠になる。二度寝からの遅刻が恐ろしい人は、目覚ましを遠くに起き、否が応でもベッドから出る。カーテンを明けて、太陽の光を浴びて伸びをする。これだけで、寝起きのだるさは解消されるはず。

◆25)睡眠サプリを試してみるのもテ

 不眠の症状があっても、日中の活動に影響がないのであれば「不眠症」とは限らない。あまり、神経質にならないほうがいいが、睡眠時間が短く、眠れないことが気になるようであれば、副作用が少ないサプリを試してみるのも手。
 また、急に眠れなくなり、それが不安でまた眠れない……となってしまったときは、薬局で購入できる睡眠改善薬を試してみよう。1週間ほど服用してみて、改善されないようだったら、医師に相談を。

*   *   *

 ここまで見てきたように、「眠れない」を解消するための習慣は意外とシンプル。そしてこれらは、大人も子供も、睡眠時間が足りてない人も不眠症の人も、すべての人に共通する処方箋である。
 まずは、できることからはじめてみよう。眠りが変わり、“毎日”が変わっていくことが実感できるはずだ。

【監修:三橋美穂さん】

 快眠セラピスト。寝具メーカーで研究開発部長を経て、2003年独立。睡眠のスペシャリストとして、講演活動や執筆のほか、快眠グッズや寝具のプロデュースやコンサルティング、ホテル・旅館の睡眠環境コーディネートなども手がける。
 著書に『眠トレ!ぐっすり眠ってすっきり目覚める66の新習慣』『驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100』など多数。開発・監修した『“日本人の頭の形”に最もフィットした「極」快眠まくら』は10万部、日本語版を監修した『おやすみ、ロジャー魔法のぐっすり絵本』はシリーズ累計100万部を突破。公式サイト

<文/鈴木靖子>

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング