消費税10%、どこで買うのが一番お得? スマホ決済や値引きキャンペーンで大混戦

日刊SPA! / 2019年10月1日 8時50分

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 中国経済にブレーキがかかり、中東リスクもくすぶるなど、世界経済に下振れ圧力が高まるなか、10月1日から消費税率が10%となった。飲食店などでは軽減税率への対応などである程度の混乱も予想されるが、’20年6月まではキャッシュレス決済で最大5%のポイント還元策もあるため、賢く利用すれば、増税前以上にお得な買い物もできそうだ。

 税率を8%に引き上げた’14年の増税は、8兆円を超す負担増が家計に重くのしかかった。当時はアベノミクスの初期段階ということもあり景気に勢いもあったが、今回は明らかに事情が異なる。果たして、税率10%のインパクトは家計にどれほどの影響を及ぼすのか? 第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏が話す。

「今回の負担額は5.6兆円。軽減税率の導入や子育て世帯への還付など手厚い負担軽減策を同時に実施しているため、家計全体では年平均4.5万円、トータルで2.5兆円ほどの負担で済みそうです。幼児教育無償化などで恩恵を受ける人たちは4分の1、そうでない人たちで2分の1程度のインパクトになる。

 ただ、現在、中東リスクで原油価格が上昇しているため、今後、景気が悪化する可能性が高い。『駆け込み需要』が盛り上がらなかったのもそういった要因からでしょう」

 確かに、駆け込み需要は「限定的」だったようだ。増税前最後の3連休だった9月21~23日、高額品を扱う百貨店や大型量販店は前年比20~30%の売り上げを記録したところもあったが、比較的安く購入できる日用品や医薬品などの動きは鈍かったという。永濱氏が続ける。

「高額なものでも、住宅については、五輪後に不動産価格が下落するのを見込んで、むしろ買い控えている人たちが相当数存在する。自動車や家電も、増税を睨み5月までは好調だったが、『老後2000万円問題』が取り沙汰された6月以降は消費者が節約に走り、消費が落ち込んでいる。

 また、日用品については増税後に購入したほうがキャッシュレス決済で高率のポイント還元があるので、あえて増税前に買う必要はないし、制度をうまく利用すれば、増税後に買ったほうがむしろ得という心理が働いていたのでしょうね」

 10月1日からは、消費の落ち込み緩和とキャッシュレス決済の普及を目的としてポイント還元制度が始まった。クレカや電子マネー、スマホ決済で代金を支払うと、中小の小売店や飲食店は5%、コンビニなど大企業の中小FC店では2%が還元されるが、結局のところ、どこのお店で、どの決済事業者を利用すれば得なのか?

 イマイチ判然としないというのが正直なところだろう。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏が話す。

「還元事業の対象は、『資本金が5000万円以下』などの条件を満たした中小企業で、なおかつ事業に参画する手続きを済ませた店舗に限ります。また、キャッシュレス決済なら何でもポイント還元されるわけではなく、どの決済手段が還元の対象となるかは、決済事業者に任されているので注意が必要。

 例えばコンビニのミニストップでは、直営店は還元がなかったり、対象店舗のように思えてもそうではない場合もある。

 また、国際ブランドのカードでも、銀行系や信販系など発行会社は異なり、発行元が届け出ていなかったらポイントがつきません。普段、買い物するときにその都度、対象店舗かどうかを確認するのは手間もかかるため、決済手段を一つに絞ってひたすら使い続けたほうが現実的と言えるでしょう」

◆<主なカード別 還元キャンペーン>

●Suica……10月1日から、対象のお店でJRE POINT WEBサイトに登録したSuicaを使って買い物をすると2%ポイントが還元される。JRE CARD優待店やJREMALLで、JRE CARD決済でお買い物をすると還元率が5.5%になる

●PASMO……PASMOもポイント還元を受けるためには、専用サイトにアクセスして事前の会員登録が必要になる。JR北海道が発行するKitacaにはそもそもポイント制度がないように、交通系カードは注意が必要と言えよう

●PayPay……第1弾として11月30日まで「まちかどペイペイ」を実施。還元制度の5%に加え、ヤフーカードだとPayPayがさらに5%を上乗せして計10%のポイントが戻ってくる。ただし、「まちかどペイペイ」のキャンペーンポスター等の掲出がないお店では5%の付与はない

●LINE Pay……ポイント還元制度の5%に加え、月10万円以上の決済を行うとポイント付与率が2.0%になる「グリーン」の「マイカラー」だと最大で計7%還元となる

●楽天ペイ……従来のポイント還元に加えて、10月1日から「『セブン-イレブン』で楽天ペイを使おう!導入記念キャンペーン」を開催。楽天ペイを利用して711円(税込み)支払うと、漏れなく楽天スーパーポイント150ポイントが付与される。期間は11月1日まで

●JCB……12月15日まで「JCBでスマホ決済!全員に20%キャッシュバックキャンペーン!」を実施。Apple PayかGoogle Payに還元対象カードを登録すると買い物などの利用額の20%(月最大1万円)が還元される

 上記にもあるように、決済事業者各社の独自キャンペーンや、ポイントの上乗せをうまく利用するのもカギになりそうだが、一方で、こんな“ウラ技”もあるという……。経済評論家で経営戦略コンサルタントの鈴木貴博氏が話す。

「消費増税後を見据えて、客を呼び込むためにあえて資本金を5000万円以下に減資したスーパーもあるほどです。中小企業扱いになれば、制度を利用して客にポイントを還元できますから……。

 日本スーパーマーケット協会に加盟する大手チェーンのなかにも、資本金5000万円以下の会社が13社もあるので、こうした店を利用するのも一つの手。消費増税が実施された10月1日から、値引きキャンペーンを打っているスーパーや外食産業も多いので上手に利用するといいでしょう」

 下記をご覧いただければわかるように、10月1日以降、「値引きキャンペーン」が目白押しだ。

◆<10月1日スタートの店舗キャンペーン>

●吉野家……10月1~15日の期間限定で「牛丼・牛皿全品10%オフキャンペーン」を実施。テイクアウトでも10%の割引価格で販売される。キャンペーンの名目は「創業120周年記念」だが、吉野家は早々にキャッシュレス決済によるポイント還元キャンペーンへの参加を見送ることを表明していたため、勝負に出た格好だ

●モスバーガー……モスカードMOSポイント還元キャンペーン」をスタート。決済額の2%のMOSポイントがもらえる。10月1日から三井住友VISAカードで決済したら2倍、11月1日からはJCB Original Seriesで決済したら10倍(5%)のポイントを付与

●大戸屋……大戸屋ポイントと楽天ポイントを掛け合わせたWポイント還元を実施。大戸屋ポイントは最大還元率8.6%だが、Wポイントでは最大9.6%の還元となる計算だ。10月1日より「大戸屋特製スパイスミックス」(税込み:150円)を各店舗先着100人、全店舗合計3万4500人にプレゼントする

●西友……すべてのセゾンカードで購入金額の3%を値引き。5%オフ開催日は還元率5%に。ウォルマートカードセゾンすでに実施中の「超得」「今トク」「プライスロック」対象の4000品目のうち600品目以上を、増税後、さらに値下げする方向

「増税後の消費動向を精査し、早急に次なる一手を打ちたいと考えています。楽観視せず厳しく状況を見守りたいです」(大戸屋ホールディングス コーポレートブランド室・岩熊英一さん)

 お店側も知恵を絞って客の呼び込みを図っているように、消費税が10%となっても、賢く、上手に、“キャッシュレス新時代”を楽しみたいものだ。

◆現在、全国200万店のうち還元事業参加は50万店

 ポイントの還元率は、中小企業が5%、チェーン店は2%、そして大手スーパーなど大規模店はゼロと、規模が小さいほど還元率は高い。だが、食品や日用品は大手スーパーのほうが安価で品揃えもいいため、フタを開けてみたら、ポイント還元がゼロでも大手スーパーで買ったほうがお得だった……なんてことも起こり得るので注意が必要だ。

<取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/山崎 元(本誌)>
※週刊SPA!10月1日発売号より

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