恋愛アプリが高齢者をターゲットに…進化する詐欺の手口

日刊SPA! / 2019年10月3日 15時52分

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イラスト/オーグロ慎太郎

 日々、新たな手口が生まれている特殊詐欺。被害者のほとんどが、進化する詐欺に追いつけない高齢者たちだ。その現状に迫った。

◆老親を狙い撃ち!進化する詐欺の手口

 社会全体で啓蒙が進みながらも、被害の絶えない特殊詐欺。なかでも、振り込め詐欺は被害者の96.9%が高齢者。悪徳商法被害者対策委員会会長の堺次夫氏は「これは氷山の一角で、表に出ていない被害はさらに多い」と語る。

「被害者は必ず『まさか私が』と口にします。認知症などで判断力の低下している人ばかりが狙われると思われがちですが、誰にでも起こりうるんです」

 偽のLINEアカウントで子供を装うなど、手口も巧妙化している。詐欺グループの元メンバーは、その仕組みをこう解説する。

「ポストからカードや電話会社の明細を盗み、個人情報を調べるんです。『父さんの電話番号は○○で合ってるよね? 振込先を送るから……』と、会話やメッセージにその情報を盛り込んで安心させる」

 また、被害者の84.6%が高齢者の還付金詐欺も手が込んでいる。

「役所を装って電話でATMへ誘導するだけでなく、透かしの入った手帳を偽造して、直接家を訪ねる事例もあります。直接話すと、つい信用してしまう」(堺氏)

 スマホやパソコンを利用する高齢者は詐欺の格好の標的だ。

「80代の母が、運送業者を装った詐欺に騙されました。ネットで調べれば、すぐ詐欺だとわかるけど、年を取ると難しい。偽の不在通知メールのリンクを押してしまい、アプリがインストールされて、自動的に電子商品券を購入していました」(43歳・男性・飲食店経営)

 また、会員制恋愛アプリなどが高齢者をターゲットにすることも。運営者の男性に話を聞くと、悪びれるどころか開き直る始末だ。

「サクラの男性が女のフリをして、課金させ続けるんです。ただ、相手の話は聞きますし、ある意味“介護”しているようなもの。悪いのはロクに親と話さず、寂しい思いをさせている子供ですよ」

◆投資詐欺や口コミ勧誘の危険性もアップ

 超低金利時代の現在は、投資詐欺の危険性も増している。

「老親は預貯金と年金だけでは不安で、金融商品に手を出してしまう。さもありそうな話で勧誘し、最近は海外ファンドや仮想通貨に投資させるものまである。詐欺師は98%の真実と2%の嘘を言います。この嘘が元金保証と高金利、高配当です。詐欺師には見えず、騙しのテクニックは超一流。警戒していてもいつの間にか引きずり込まれてしまいます」(堺氏)

 まさに洗脳状態。知人の口コミで勧誘される被害者も多いそうだ。

「すべての詐欺に共通しますが、一度話を聞いてしまうと、もう手遅れ。『こういった詐欺の種類がある』と常に最新情報を伝えていくしかありません」(同)

<主な特殊詐欺の最新手口>

●振り込め詐欺……現在多いのは警察官を騙ったもの。犯罪に口座が利用されていると脅し、口座・暗証番号を聞き出して、通帳やカードを騙し取る

●還付金詐欺……透かしまで入った精巧な身分証明書を持って、直接被害者のもとに現れるケースが増加中。振込制限のない都市銀行に振り込ませる

●投資詐欺……仮想通貨と海外投資を促す手口が増えている。小まめにメルマガを配信したり、直接訪問するなどして被害者を安心させるのだとか

【堺 次夫氏】
悪徳商法被害者対策委員会会長。消費者問題研究家。40年以上にわたってマルチ商法、ねずみ講、預託商法などの問題に取り組む。マスコミと協力して被害防止キャンペーンなども行ってきた

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[老親のお金を守れ!]―

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