甲子園のエース・島袋が6年で戦力外通告。プロで輝けなかったスターたち

日刊SPA! / 2019年10月13日 15時52分

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画像:福岡ソフトバンクホークス公式サイト

 クライマックスシリーズ(CS)が開幕し、2019年プロ野球もいよいよ大詰めを迎えている。今月はCSや日本シリーズに加え、ドラフト会議も行われ、各球団とも一年の総決算とともに来季へ向けての大きな動きがみられるのもこの時期だ。そんな中、レギュラーシーズンを終えるとともに戦力外となる選手たちの名前も発表されている。

◆甲子園のスター・島袋洋奨の戦力外通告

 今月1日にはソフトバンクが、島袋洋奨投手との来季の契約を結ばないことを明らかにした。2010年、興南高校のエースとして甲子園春夏連覇を成し遂げる。その後は中央大学へ進学、2014年のドラフト会議においてソフトバンク5位指名を受けプロ入りを果たした。

 活躍が期待されたものの、ケガに悩まされるなど一軍での目立った成績は残せず、2017年には育成選手として再契約を結び、今シーズン終了後、戦力外が発表されている。

「これまで支えて下さった周りの皆様に感謝しています」と、周囲への想いを語っており、今後については未定だという。今から9年前、甲子園を大いに沸かせた左腕だったが、プロ入り後は一軍登板僅か2試合と、様々な壁に苦しんだ。

 アマチュア時代では眩い輝きを放ちながら、プロの世界で期待通りの活躍をみせることがいかに難しいか、これまでの長い歴史の中でも証明されてきている。

◆実力とビッグマウス。甲子園を沸かせた川口知哉

 同じように、甲子園のマウンドに登り全国の野球ファンに鮮烈な印象を残しつつも、プロの壁に跳ね返されたプレーヤーは無論、少なくない。

 平成9年の夏の甲子園、鋭い直球と落差の大きいカーブを武器に平安高等学校を準優勝に導いた川口知哉もそのひとりだ。

 マウンドでの雄姿もさることながら、試合への意気込みを聞かれた際の「完全試合をめざします」といった、高校球児らしからぬビッグマウスも大きな話題を呼んだ。同年のドラフト会議では4球団競合の末、オリックスブルーウェーブ(当時)が引き当て1位指名で入団。ここでも希望の背番号を素直に語るなど、プロ入り後もその言動が注目を集めるも、実働5年で現役を引退。現在では女子プロ野球機構に所属し指導者としての道を歩んでいる。

◆大阪桐蔭高校から巨人入団のエリート…辻内崇伸

 2005年、巨人の1位指名でプロのユニフォームを着た辻内崇伸も、高校時代の輝きをプロの世界では放てずに苦しんだ。

 大阪桐蔭高校で甲子園出場を果たし、156kmを記録するなど本格派投手として注目を集めていた。巨人入団初年度にはペナントレースのテレビ中継において、二軍での辻内の登板の様子が伝えられるなど、その期待の大きさをうかがわせた。一軍公式戦出場を果たすことなく、2013年の引退後は一般職や、指導者としてアマチュア野球に携わるなどセカンドキャリアを築いている。

◆6球団の競合…大石達也は引退を決断

 今シーズンも所属球団から戦力外を通告され現役引退を決意したプレーヤーが伝えられている。埼玉西武ライオンズの大石達也も先日、プロのユニフォームを脱ぐことを発表した。

 甲子園経験はないものの、早稲田大学時代ではリーグ通算60試合に登板するなどその実力を開花させた。斎藤佑樹、福井優也らとともに、2010年のドラフト会議では大物選手としてその動向がファンの関心の的となる。実に6球団からの1位指名を受け、抽選の結果、西武への入団が決まった。大学時代同様、リリーフ投手としての期待が大きく、入団2年目には8セーブを記録するも、勝利数は9年間で5勝に止まった。

 大卒ルーキーとして鳴り物入りでの入団だったが、そのポテンシャルを存分に発揮するには至らなかった。今後は西武球団の職員として残る予定だという。

◆18年のプロ生活。寺原隼人も引退

 東京ヤクルトスワローズの寺原隼人も先日、選手生活にピリオドを打った。18年に及んだプロ選手としてのストーリーは十分にやり切ったものと言えるはずだ。それでも、怪我に悩まされた時期もありトレードやFAで計4度の移籍を経験するなど、決して順調なものではなかったのではないだろうか。

 日南学園から福岡ダイエーホークス(当時)に入団、1年目から先発投手としての期待が高く、高卒ルーキーで6勝を挙げる。多くのファンがその150kmを越える速球に魅せられ、豪腕投手としての明るい未来を描き続けた。しかし、足首の靭帯断裂などの大けがに見舞われ成績は低迷、入団から5年でトレードにより横浜ベイスターズへ移籍となった。

 その後はオリックス、古巣であるソフトバンクへと渡り、昨年の日本一決定の翌日、戦力外通告を受ける。先発、リリーフと様々な役割をこなしてきたベテランは、ヤクルトスワローズの一員となった今季が選手としての最後のシーズンとなった。

――プロ野球選手としての足跡は様々だ。ただ、十分にやり遂げたといえる選手は一握りであり、力を出し切れなかったプレーヤーのほうが間違いなく多いだろう。そして、現役を退くその時は誰にでも、必ず訪れる。

 我々ファンは可能な限り、プロ入団から引退までを見続け声援を送ることしか出来ない。それでもその一瞬一瞬の生き様を焼き付け、精いっぱいの拍手を送りたい。<文/佐藤文孝>

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