ヘンなブランドのシトロエンがつくったフツーっぽいクルマはありなのか?

日刊SPA! / 2019年10月13日 8時51分

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価格は259万円~。シトロエンオーナーとして、ホイールが16インチと17インチの試乗車を乗り比べたところ、17インチのほうが、よりシトロエンっぽい、ふんわりとした乗り心地。ハイドロじゃなくても十分シトロエンでした

―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

 芸術と革命の国フランスの自動車ブランドといえばルノー、プジョー、そしてシトロエン。なかでもシトロエンは昔からディープなカーマニアに愛されるヘンなブランドでしたが、いつの間にかドイツ車のようなフツーっぽいクルマを作るようになってました! 一部ではマニア度が薄れたという声も聞かれますが、当欄のシトロエン軍団はどう評価するんでしょうか?

MJブロンディ改め永福ランプ=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

◆日本人好みのヘンな乗り物シトロエンを買えるシアワセ

永福:SPA!モテないカーマニア軍団のうち、我ら2名は栄えあるシトロエンオーナーである!

担当K:ええ、まあ。

永福:シトロエンは、カーマニアにとって極北のブランドの一つ。誇るべき勲章だな!

K:僕のはわりと新しいモデルなんで、それほどでもないです……。

永福:キミは最後のハイドロ系サスを搭載した栄光のモデル・C5のオーナーじゃないか!

K:最後のハイドロって言葉にひかれて飛びつきましたけど、とってもフツーに安心して乗れるクルマで、マニアックな感じはないですね。乗り心地には癒やされますけど。

永福:オレも以前、C5に惚れて乗ってたが、割合すぐに飽きてしまった。同じシトロエンでも、2世代古いエクザンティアはまったく飽きずに7年も乗ったが、やっぱり最近のシトロエンは割とフツーだな。

K:いま永福さんが乗ってるDS3もフツーですよね。

永福:フツーだけど楽しいぞ。なにしろデザインがいい!

K:僕はDSとかCXとか、古いシトロエンに道で並ばれると、「勇気がなくてこれしか買えなかったんです~!」って、恥ずかしくなります。

永福:昔のシトロエンは、クルマというより「ヘンな乗り物」だ。それは仕方ない。それでもここ数年、シトロエンはデザインで飛ばして、独特の世界を形成しつつある!

K:中身はマニアックじゃないけど、デザインでヘンな乗り物感を打ち出してますね。

永福:いい意味でのヘンさだな。特にC3は一般人にもウケている。

K:どれくらい売れてるんですか?

永福:日本では年間4000台弱。ベンツやBMWの10分の1弱だが、ここ3~4年で2倍近くに増えている。これは天変地異レベルだ。

K:それって日本だけですか?

永福:そんなに伸びているのは世界中で日本だけだよ! 元の台数が少ないとはいえ、アメリカじゃシトロエンなんか売ってないし買えないんだから、我々はシアワセものだ。

K:なんでアメリカでは売ってないんですかね?

永福:ヘンすぎるからじゃないか?

K:それはカーマニアとしてうれしいですね!

◆C3エアクロスは日本人にウケる!

永福:で、今回はC3のSUV版、C3エアクロスに試乗したわけだ。ヒット中のC3をベースに、売れ筋のSUVに仕立てたモデルだが、ただ車高を上げただけじゃない。ボディ形状が微妙に全部違う。

K:C3はもっと全体に丸っこいですけど、エアクロスはわりと四角いんですよね。

永福:角が丸まった四角さ。これはおそらく日本人にウケる! 値段もトヨタのRAV4くらいだし。

K:けっこう安いですよね~。

永福:この値段で、周囲から珍しがられて、オシャレだと絶賛されれば、もう元は取ったようなもんだろう。全幅も狭めで取り回しもイイ。FFしかないが、4WDなんかフツーはいらない。実はRAV4より、日本の風土に合ってると思うぞ。

K:シトロエンなのに先進安全装備もちゃんと付いてますしね。

永福:自動ブレーキ、前車追従クルーズコントロール、そしてステアリングアシストまで付いて、その性能もドイツ車と遜色ない!

K:どうして急にドイツ車に追いついたんですか?

永福:あのゴーンさんにルノーを追い出されたタバレス氏がプジョー・シトロエングループのトップになって大改革に成功したってことかな。ルノー・日産連合とは対照的にプジョー・シトロエンは業績好調なんだ。

K:えっ、ゴーンさんに追い出された人が、プジョー・シトロエンで成功したんですか!?

永福:皮肉な話だな……。

K:シトロエンオーナーとしては、C3エアクロスがヒットして、ディーラーが故郷の青森にもできることを祈ります。帰省の時、故障したら、岩手まで行かないとないので~。

永福:もう故障なんかしないよ!

【結論!】
 久しぶりに、このクルマ「真剣に欲しい!」と、カーマニアの血が騒ぎました。お買い得だし、ふだん乗るのにすべてがちょうどいい。なによりカーマニアにとって、シトロエンというブランドは特別なので!

【清水草一】
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中。清水草一.com

―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

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