箱根駅伝予選会は本戦なみの盛り上がり。主力が欠場した早稲田、明治の結果は…

日刊SPA! / 2019年10月28日 15時52分

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本選出場校を読み上げるとき

 日本のお正月の風物詩のひとつ、箱根駅伝。大学のOBやスポーツファンはもちろん、その二日間だけ興味を示す「にわか」の人もふくめて、日本中が毎年注目する大会だ。

 そんな箱根駅伝を、もっと楽しむためには、10月のおわりに行われる「予選会」に注目するのが良い。

◆「予選会」なのに…観客数がすごい

 10月26日、立川市にある国営昭和記念公園と陸上自衛隊立川駐屯地を舞台に予選会が行われた。

 なので、この大会はいわば「Bクラス」の争いであるはずなのに、当日はJR立川駅から会場まで黒山の人だかりで、注目度の高さを物語っている。

 箱根駅伝予選会とは、本選出場の残り10枠を今年の出場43校で争う狭き門。20校が出場できる本選で、今年の箱根駅伝でトップ10入りをした10校はシードが確定している。

 各校最大12人が出場可能で同時にスタートを切りゴールを目指す。そして各校上位10人の合計タイムが速い順に本戦出場が決まるというルールだ。そのため、遅れてしまった選手でさえ学校の合計タイムを下げないように、また、順位が見た目にはわかりにくいので、ゴールまで死力を尽くして1秒を削り出す過酷なレースである。

 予選通過が確実視されている大学がいくつかある。まず、昨年まで12年連続でシード権を獲得していたものの、13年ぶりに予選会に「降りて来た」といってもいい早稲田大学。しかし、スタートを直前にエースの中谷の欠場が発表された。そして同じく本選常連の伝統校である明治大学からも、活躍が期待された三輪が欠場するという報せが出た。それを受け、下馬評で当落線上にいる大学を応援する学生やOBからは「もしかしたら」といった声が、多く出て来た。

 なかでも、昨年ほんのわずかな差で落選し本選初出場をのがした、麗澤大学を応援する人々が色めきだったのが印象的だった。また唯一の予選会初出場となった育英大学も一層力を込めてスタートに備えた。

 AM9:35、強豪校のエース級が相次いで欠場することがわかり、一気に混戦が予想されるようになった中で506人の選手が、各校の幟が鮮やかにはためき声援のあがるものすごい応援を聞きながら、一斉にスタート。

 例年にないハイペースで展開した前半戦、最初に飛び出したのは明治大学の2年生手嶋選手だった。

 しかしレースが進むにつれて日射しが強まり気温もグングン上昇。先頭集団のスピードが一気に落ちて、順位が大きく変動する可能性がでてきた。大型スクリーンが設置されたゴール地点近くの芝生広場ではその頃、おそらく万単位にはなるであろうほどの人々が集まって、レースの様子に見入っていた。後半に差し掛かると、やはり留学生が強く4着までを各校の留学生が独占。日本人トップは5着で東京国際大学の伊藤選手だった。

 そうして、AM11:00ごろまでに全選手がゴールをした。見た目の順位では、昨年の惜しくも次点で出場を逃した麗澤大学や駿河台大学にも大いに出場の可能性があるように思われた。

◆箱根駅伝に出場するのは難しいこと

 しばらくすると、スクリーン横のステージに係の女性が登壇し、合計タイムの速い順に本選出場校を読み上げる。その度に拍手と歓声と落胆の声が入り混じり、芝生広場は悲喜こもごも。

 エース級の選手が欠場した明治は4位で面目躍如し、同じく早稲田も9位になんとか滑り込んだ。そのほかの常連である神奈川大学や中央大学が順当に通過した。一方でこちらも常連校の山梨学院大学や城西大学はまさかの落選となり、アップセットとなったのは26年ぶり出場の筑波大学だった。

 当落線上と思われていた、麗澤・駿河台の2校は落選という結果に。昨年、1分50秒というほんのわずかな差で、出場を逃した麗澤大学は、今年はさらにわずかなたった26秒差に泣いた。箱根駅伝の本選を見ていると、下位の大学は弱小チームに見えるかもしれない。しかし、やはり多くのランナーの憧れである箱根駅伝は本選に出るだけでこんなにも難しいことなのだ。

 なお、予選会に初出場となった育英大学は予選通過タイムに53分近く届かなかった。これは一人当たり5分以上早く走らなくてはならないということで、その壁の高さを目の当たりにする結果となった。

 正月に、たとえにわかファンでも感動させられる箱根駅伝。その裏にこんなにも多くの学生ランナーの情熱あると思うと、2020年正月に開催される令和初の箱根駅伝をもっと楽しむことができるだろう。そうした意味でも予選会は面白い。<取材・文・撮影/Mr.tsubaking>

【Mr.tsubaking】
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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