六代目山口組No.2が「あいつだけは許さない」と嫌う神戸の重鎮

日刊SPA! / 2019年11月13日 8時51分

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写真中央が六代目山口組N0.2の高山清司氏(高は、ただしくは「はしごだか」)。

 辣腕は健在だった。日本最大の暴力団・六代目山口組で若頭というNo.2の要職に就く高山清司氏(高は正確にははしごだか)である。

 恐喝罪で14年に服役した高山氏は、今年10月に満期出所。社会不在となった期間は約5年ほどだが、ブランクを感じさせることなく人事改革を矢継ぎ早に実行。組織運営の舵取りを精力的に行っている。

「六代目山口組では直系組長を2名、新しく取り立てることになったのですが、2人とも神戸山口組から移籍してきた三次団体の組長。いわば“外様”ですが、実力や組織への貢献が買われ、抜擢されたようです。この人事は『本家に戻っても冷や飯を食うだけ』と諦めていた神戸山口組の若い世代へ格好のアピールになります。逆に、若い組員に支えられている神戸の重鎮たちは動揺しているのでは」(実話誌記者)

 知略家として知られる高山氏は、厳格な組織運営をすることで有名だ。

「嘘やおためごかしが一切通用しない。すべて見透かされたような感覚に陥ってしまう。ヤクザにはいろんなタイプがいますが、高山のカシラみたいな人は見たことありません」

 とは六代目山口組のある直参組長の弁だが、神戸山口組が結成されたのも高山氏が服役中の出来事だった。神戸側から見れば高山氏はもっとも避けたかった相手なのだ。

◆「司派vs高山派」対立構造の大嘘

 高山氏の現場復帰は、分裂抗争にどのような影響を与えるのだろか。こうしたテーマで書かれる新聞やネットニュースの記事は多い。だが、「明らかな事実誤認や情報源のポジショントークにまみれてたニュースがあまりに多い」と嘆くのは、六代目山口組系二次団体幹部のX氏。最近では、11月6日に現代ビジネスから配信された記事がひどかったという。

「出所の際、品川駅で高山若頭のボディーガードが出迎えにきた弘道会の幹部を怒鳴ったとか、神戸山口組に対して強硬な姿勢をとる高山若頭に司組長が『付き合いきれん』と漏らしたとか。中枢幹部に至っては、『戦争ごっこをするなら(ヤクザを)やめる』と祝いの席で明言した、とまで書かれていました。これを読んだ人は『高山若頭が強硬姿勢を貫き、司組長も匙を投げている』と思うかもしれませんが、全然違います。

 真相を言うと、品川駅で怒鳴られたのは弘道会の幹部ではなく本家の最高幹部の1人でした。それも、高山若頭一流のジョークです。ヤクザの世界で高山若頭が非情だとか規律が厳しいと言われるのは、私情より組織を優先するからです。組に貢献してる者、きちんと汗をかいている者には愛情をもって接してくれます。品川駅で怒られた最高幹部も嬉しそうでしたよ。

 名古屋で会った司組長も終始ニコニコで、現代ビジネスに書かれた内容とは全然違いました。この記事を書いたジャーナリストは主に警察から聞いた話をまとめた、としているけど、なぜここまで現実とかけ離れるのか。理解に苦しみます。私には神戸山口組側の人間が撹乱する目的で流した情報にしか見えない。分裂直後から奴らがさんざんやってきた手口です。

『司派vs高山派』と対立構造を強調するのも、神戸の人間が好んで使う設定です。『高山若頭が一番の司派』であることを知らないのか。メディアの皆さんも、ちょっとでも取材してればわかることなんですが……」

◆「あのハゲだけは絶対に許さん」

 休む間もなく最前線に復帰した高山氏は、先述したように人事の刷新に手を付けた。敵対する神戸山口組から出戻った大物組長を2人、直系組長に昇格させたのだ。

「長期服役だったぶん、情報のズレを危ぶむ声はたしかにありました。でも実際の高山若頭は、外にいる我々以上に細かいところまで情報を把握していた。各都道府県警の捜査員ですら高山若頭をして『稀代の傑物』と言わしめたそうですから。

 この抗争劇で組員それぞれがどんな動きをしていたのか、答え合わせをしています。その結果としてまず出されたのが三代目杉本組の山田組長と二代目兼一会の植野会長の昇格でした。人事改革はこれからも続くと思われます」(X氏)

 高山若頭は、神戸山口組の解散に向けてあらゆる手を打っていくと見られている。特筆すべきは、神戸山口組の立ち上げから深く関与したある重鎮への感情だ。

「山口組分裂の絵を描いた張本人なのですが、分裂劇を主導しただけでなく、情報戦も担当しました。五代目時代に組長秘書を努めていた関係でメディアとのパイプが太く、分裂当初にイニシアチブをとるためデマを流しまくったのもこの人。『脱税で司組長に捜査がはいる』と本家に危機が迫ってるようなデマをジャーナリストに流し、さらには『皇居で銃をぶっ放せと言った』と御用メディアやSNSに書かせて、若いものを焚き付けた。皇居で銃を打てなんて言うわけがない。山口組は本家に365日欠かさず日本国旗を掲げる習慣がありますから。

 こうした偽の情報を喜々として文字にするジャーナリストがいることにも驚きます。これまで彼らが書いてきた通りになってますか? なってないですよね。

 高山若頭からすれば、司の親分を侮辱されたことが何より許せない。それを広くメディアに報じさせたこの重鎮への怒りが一番ひどいようです。『他の者は許しても、あのハゲは絶対に許さん』と激怒しているようです」(X氏)

◆極心連合会の橋本会長に引退説が浮上

 分裂した山口組は。今後どのような道を進むのだろうか。それについて、高山氏の脳内にはすでに克明な設計図が描かれているようだ。

「神戸山口組組長の井上については、『酒でも飲まないとやってられないだろ、もう』と、向かってくる敵として認識していない様子です。大勢は決したということ。今後、増えるであろう出戻りの組員をどう振り分けていくのか。また、現存の執行部の人事をどう替えていくのか。さらには、今後ヤクザ業界が時代にどう適応していくのか――すべて頭の中に入ってると思います」(X氏)

 その意味で、大きな節目となりそうなのが山口組のNo.4である橋本弘文・極心連合会会長の去就だ。橋本会長は山健組の出身で、組長代行まで務めたキャリアの持ち主。直参昇格後は六代目山口組で統括委員長というポストに就き、長きに渡って組織に貢献してきた。ところが、ここへきて橋本会長の引退説が浮上している。

「引退説が本当ならばの話ですが、統括委員長である橋本会長ほどの人物が分裂が収束していない状態で引退するのは、疑問に思ってしまう。引退するならカタがついてからではないか、と。ただ一方で、橋本会長には神戸山口組に行ってしまったかつての兄弟分たちがいる。彼らに対して『俺も身を引くから、お前たちもここらで進退を決めよう』という、橋本会長なりの心意気に思えてなりません。勝手な憶測ですが、高山若頭もきっと橋本会長の意を汲み取り、引退を承認するのではないでしょうか」(同前)

 高山氏が張り巡らせる戦術はあらゆる角度から神戸サイドの切り崩しを促し、重鎮たちの足元から揺さぶっている。これこそが現在進行系で起きている「六神戦争」の実態ではないだろうか。<取材・文/日刊SPA!取材班>

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