親の死後、面倒な相続手続きは“2枚の書類”で簡略化できる

日刊SPA! / 2020年1月8日 15時51分

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 必死に働いて築いた親世代の資産。総務省データによれば70歳以上の人の平均貯蓄額は2249万円に上り、その多くはいずれ子供や孫に相続されることになるだろう。しかし、何もせずにいると、親の資産は失うリスクを伴う。老親のお金を守るのは子供の役目。今こそ親の資産を守る方法を学ぶべし!

◆面倒な相続手続きを簡略化するアイテム

 ただでさえ複雑な死後の手続き。預貯金、不動産、生命保険などをスムーズに親から相続するには、2つのアイテムを準備しておくと便利だ。まずは「法定相続情報一覧図」というもの。

 本来、相続するには親が生まれてから死亡するまでの戸籍謄本を複数の役所で収集し、相続を受ける人それぞれの戸籍謄本を集め……と煩雑で面倒な作業を財産の種類ごとに各機関に提出しなければならない。

「法務局で法定相続情報一覧図の写しを取得してしまえば、その後、各機関に提出するたびに戸籍がすべて揃っているか確認する手間が省けます。提出された機関も戸籍の束を読み解き、相続人を確認する作業には、相当な労力が必要になる。手間も時間も短縮できるのがメリットです」(司法書士・速水陶冶氏)

 相続税の申告から相続手続きまでコレ一枚で済むうえ、5年間は原本が保存されるので、何度でも再交付できるという代物。フォーマットは法務局のHPからダウンロードできる。

「ウチの親は不動産と銀行口座が6個もあったので大変でした。しかも、戸籍謄本であれば原本しか受け取らないという機関もあって……。また原本を入手するところから始めて提出しに行き、その返却を待って、次の機関へ……恐ろしく時間がかかりましたね」(中川光一さん・仮名・43歳)

 そうした問題も一覧図があれば写しを提出するだけで済んでしまうので、一日でいくつもの機関で手続きを行うことができる。引っ越しの多い親であるならば、生前に各地の戸籍謄本を集めておくのもいいだろう。

 また、遺言書があれば、その内容をもとにスムーズに相続することができるのだが、ここでは生前に親に相談しておくべきことが。

「自分で作る自筆証書遺言は間違いが起きやすいです。たとえば、『相続させる』と書かずに『譲る』とかといった曖昧な表現になっていることも多い。さらに家庭裁判所での検認が必要で、それだけで1か月はかかります。遺言書を残すならば、公正証書遺言がオススメです」(行政書士・尾久陽子氏)

 事前に法定相続情報一覧図や公正証書遺言を作り、相続関連の煩わしい作業を短縮しよう!

【速水陶冶氏】
司法書士。はやみず総合事務所代表。相続や債務整理に取り組み、民事信託など高齢者の財産管理にも関わる。著書に『親が認知症になる前に読むお金の本』(三栄書房)

【尾久陽子氏】
おぎゅう行政書士事務所・居宅介護支援事務所代表。監修に『トクする相続超入門ガイド』(主婦と生活社)、共著に『くらしの相続Q&A』(新日本法規出版)など

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[老親のお金を守れ!]―

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