DV男の恐怖。殴った後に泣いて謝るまでがワンセット…の繰り返し

日刊SPA! / 2020年6月22日 15時54分

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 世の中でDVが取り沙汰される機会が増えたように思う。

 実際に内閣府男女共同参画局が行った『男女間における暴力の調査』(平成29年)内の「交際相手からの暴力の被害経験」の項によれば、交際相手から身体的暴行、心理的攻撃、経済的圧迫、性的強要のいずれかの被害を受けた経験のある女性は21.4%にのぼるという。

 これは決して他人事ではないのだ。何を隠そう、グラドル兼ライターの筆者もDV男と付き合っていた過去がある。プロレス技の掛け合いをするなんてのは可愛いもので、顔面を窓のサッシにぶつけられたり、グラスを投げられたりもした。

 その原因は、相手のプライドを筆者が傷つけていたらしい。口が達者だったため、口喧嘩になると彼が言い返せなくなってしまう。すると、必ず手を出されていた。殴られた時、相手は必ず泣いて謝るのだが『原因はお前だ』と言っていた。だからといって暴力は絶対にいけない。最低の行為なのだが、DVを受けたツラい経験のある人は少なくないのである。

◆お笑い芸人の元カレがDVだった

「もう思い出したくもないですけどね……私は、DV被害者でした」

 現在、1児の母である綾子さん(29歳・仮名)が重い口を開く。彼女が被害を受けていたのは5年前の元カレだという。相手の職業はお笑い芸人だったそうだ。

「当時売れない芸人と付き合っていたんです。面白くて基本的には良い人なんです。でも、実はすっごいプライドが高くて……」(綾子さん、以下同)

 芸人好きの友人が開催する飲み会で知り合い、意気投合して2回目のデートで付き合うようになった。

「私は本当はお笑いには詳しくなくて、彼のことは知らなかったんです。でも、飲み会の雰囲気的に“知ってる”というテイの方がいいだろうなと思って。彼が『俺が〇〇の番組に出た時は~!』とか言ったら『あれか~!』みたく合わせていたんです。それが、彼をその気にさせてしまったんだと思います」

 数年前に何度か地上波の番組に出演した経験はあるものの、お笑いだけではとても食べられなかったという彼。

「いつからか私がおごるのが当たり前になってきたんです。それで私もブチ切れて『もっとお笑いのネタになるバイトするとか、資格取るとかしたら?』って言ったんです。だって、お笑いがよくわからない私ですら知っている有名な芸人さん達って、テレビでエピソードトークができるような趣味とか特技がたくさんあるじゃないですか。

 だから彼にも頑張ってほしいから言ったんですよ。1か月2本あるかないかの前説だけこなして収入もなくて、『今のままでいいと思っているの?』って」

 あくまで、彼のためを思っての発言だった。しかし、彼から向けられたのは感謝の言葉でもなんでもなく、鉄拳だった。

「いきなり両肩を掴まれてフローリングに叩きつけられました。で、お腹をボコっと1発殴られました。もうその時は何が起きているんだか全くわかりませんでした。それから『何も業界のことをわからないくせにいろいろ口出しするな!』と怒鳴られたので、放心状態のまま自宅に帰りました」

 綾子さん的には自然消滅だろうと感じたそうだが数日後、彼から泣きながら電話がかかってきたという。

「1年以上付き合っていたから、このまま終わるのも……とは思っていたので、直接会って話すことになりました。もう絶対に殴らないから、って言うんで一応は許しました」

◆殴った後に泣いて謝るまでがワンセット

 その後、数か月は問題なかったというが、彼の暴力はいきなり再発してしまう。

「優しい彼には戻ったんですが、相変わらず芸人の仕事は月に2~3回程度でバイトもせず、毎日漫才を考えているって言うんです。結局、デートの費用は全額私持ち。私だって普通のOLで、裕福なわけではないので『なんでこんな人の食費まで持たなければいけないんだ』という葛藤も生まれて。それとなく『そろそろ、ちゃんと割り勘に戻したいな』って言ったんです。そしたら、急にほっぺを平手打ちしてきた。

 彼は『芸人の彼女なんだから、売れるまで支えるのは当たり前だ!』って。だけど、私は芸人の世界のことはよくわからないし、もともとファンで『私が支えるから芸人の仕事頑張って!』ってお願いしているわけじゃなかったから……なんだか、やりきれなくなってきて」

 この出来事をキッカケに彼が暴力を振るう頻度は高くなっていったという。

「会社の同期が上司と結婚が決まって、新婚旅行がモルディブだったんで『いいなぁ』って言ったらボコ。『実家から良いお酒が送れれてきたから』って持っていったら、『俺に買えないと思ってんだろう』でボコ。それで、殴ったら後で泣いて謝りながら『もう殴らない』と誓うまでがワンセットなんです。

 いつも最終的に『俺、いままで付き合った子を殴ったことなんてないんだ』って言うので、だんだん私が悪いような気持ちになってきちゃって」

 当初はカラダの見えない箇所だったが、次第に顔を殴るようになった。綾子さんは我慢の限界を感じ、電話もLINEもブロックしたという。何度も友人づてに連絡がきたが、さすがに取り合わなかった。

 彼と別れたのち、現在は別の男性と幸せな夫婦生活を送っている。

――今付き合ってる人にどんな理由であれ1度でも殴られた経験のある人は、その相手との付き合いを考え直して欲しいと心から思う。<取材・文/吉沢さりぃ>

【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。近著に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)がある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。Twitter:@sally_y0720

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