「高輪ゲートウェイ駅はいらない」満員電車に揺られる会社員たちの恨み節

日刊SPA! / 2020年7月15日 8時53分

写真

高輪ゲートウェイ駅

 3月14日に開業した「高輪ゲートウェイ駅」。工事や命名など、様々な賛否の中でスタートとなり、直後にはコロナウイルスの感染拡大によって人々の移動が最小限に抑えられた。出鼻をくじかれるような形で始まった高輪ゲートウェイ駅の歴史を、人々はどう見ているのか。そしてJRのこの先の展望とは。

◆過疎駅と言えるほどの利用数

 同駅は、新設の話が浮上した頃から田町駅とのあまりの近さ(0.9km)であることなどを理由に、乗降者数が伸びないという見方も多かった。そんな中で実際に開業したが、コロナウイルスの拡大による移動自粛が始まった4月のある日の乗降者数がたった726人だったという情報まである。

 緊急事態宣言中ではあるが、それでも例年より84%減となっていた新宿駅の乗降者数が、11万人ほどであることを考えると、高輪ゲートウェイ駅の利用者の少なさが際立っていることがわかる。

◆乗客からは不満の声も

 こうした状況を受けてか、大船・川崎・鶴見方面から東京方面にに勤める人々からは、京浜東北線と山手線でほとんど誰も乗り降りしない高輪ゲートウェイ駅への恨み節まで聞こえてくるようになった。

――京浜東北線は日中の快速運転で、大勢が利用する新橋駅は通過するのに、なぜあまり利用しない高輪ゲートウェイはとまるの?もう少し考えて欲しい。降りる人も乗る人もほとんど見ない(浜松町勤務・女性)

――へろへろになっている帰宅ラッシュ(もちろん行きもだが)で「次は高輪ゲートウェイ~」ときくと舌打ちが出る(五反田~山手線利用の男性)

 さらに、移動自粛が広がり始めてからは次のような声も。

――今の時期なんだから、満員電車の密を減らすためにも通過するなりの対処はできないものか?(横須賀線沿線在住の30代男性・品川から京浜東北線で出勤)

 周囲は大規模な再開発が予定されてはいるが、現在は始まったばかり。それに対する意見も見られた。

――2025年完成予定で再開発するらしいが、それまでは通過でいい(新橋に勤める40代男性・自宅は鶴見)

 当然、JRは未来を見据えて新駅の開業に踏み切ったのだが、その未来を具体的にどう作ろうとしているのだろう。

◆高輪ゲートウェイは通過しないの?JRの担当者を直撃

 様々な原因から、極端に利用者の少ない駅となっている高輪ゲートウェイ駅。同駅と周辺のこの先について、JR東日本の担当者に話を聞いた。

 まず、今年4月の1日の乗降者数が700人程度しかいなかった日があるという話もあったが、これは事実かという質問に対しては「1日あたりの数字はありませんが、4月の利用実績は約16万人です」との返答。単純計算ではあるが、1日おおよそ5000人あまりということになる。また、徐々に外出が増えてきた6月の実績については約31万だったとのことで、極端に少ないわけではないようだ。

 それでも、実際に「通過してほしい」という利用者の声があることについて、社内でも通過の議論などが出ているか尋ねたが「特にありません」とのこと。当然といえば当然であると言える。

 コロナ影響についても聞くと「駅開業に合わせて「『Takanawa Gateway Fest』を開催する予定としていましたが、延期することとしました」とのことだったが「規模を縮小して7月14日より開催しております」という。まだまだ多くの人が降り立ったことのない高輪ゲートウェイ駅を堪能するいい機会になるのかもしれない。最後に、再開発も含めたこの先への展望について。

「2024年の1街区~4街区の街づくり完成後は、1日約13万人の乗車人員を見込んでいます」とのこと。13万人といえば目黒駅や五反田駅あたりと同じ人数となる。

 利用者らの実感とJR東日本の担当者の話とでは、どことなく温度差があるようだが、周辺の開発前でコロナ影響も甚大なので、駅自身の実力はまだ計りかねる部分がほとんど。いずれにしても、今後も山手線の新駅、高輪ゲートウェイから目が離せない。<取材・文/Mr.tsubaking>

【Mr.tsubaking】
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング