コロナ禍の海水浴はトラブル多発。地元住民にのしかかる負担

日刊SPA! / 2020年8月23日 8時53分

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 新型コロナウイルスの影響で、今年は海水浴には行けない――。こう思っていた人も多かったかもしれないが、テレビのニュースには大勢の楽しそうな海水浴客の姿が。行政が海水浴はダメだと言っているのにけしからん、違法ではないのか、逮捕されないのか。そんな疑問が沸き起こりそうになるが……。

「じつは、こうした“情報提供”や“通報”が役所やマスコミにも相次いでいますが、別に行政が海水浴を禁止しているわけではなく、海水浴場の開設をしないと表明しているにすぎません。海水浴に行くと違法、なんて法律や条例もない」

 こう話すのは東京都内の民放局情報番組ディレクター・牛田陽子さん(仮名・30代)。とはいえ、海水浴に訪れる人も少なくないなかでトラブルも起きているらしい。

◆今年は海水浴客のトラブル多発

 牛田さんの番組宛には「違法な海水浴客を取材しろ」といったメールが複数届いており、実際に海水浴客を取材して放送したこともあるというが……。

「自治体などが監視員を置き、海の家の設置許可を出したりして、ようやくそこが“海水浴場”になります。今年はそうした人員の配置や設備がありません、というだけ。来ないでくださいという“お願い”にすぎないんです」(牛田さん)

 日本有数の海水浴場・神奈川の江ノ島の様子がテレビに映ることも多いが、そこには海水浴にサーフィンやボディボードを楽しむ多くの人の姿が。ほとんど“密”にも見える状況で、憤慨している人も少なくないだろう。

 ただ、こうした状況は江ノ島だけではない。千葉県外房、某海岸近くのホテル従業員が証言する。

「今年は市が海水浴場を設置しませんでしたが、サーファーの方はもちろん、一般の海水浴客も普通にいらっしゃっています。海の家がないから、当ホテルの敷地内に勝手に忍び込みプールのシャワーをつかったり、コンビニのトイレで着替えをされて砂だらけになったり、トラブルも相次いでいます」(千葉のホテル従業員)

◆地元住民にのしかかる負担、ゴミが例年以上に増えた

 ホテル目の前の海岸で清掃活動をする地元自治会の役員に話を聞いてみると、怒り心頭の様子だ。

「ゴミが例年の倍以上に増えました。監視する人、店がないから本当にやりたい放題されている。自治体がやらないから、地元住民が手弁当で監視員を置いたり、ゴミ拾いをしたりね。ただでさえ地元は収入が減っているのに、行政はそうした部分のバックアップは何もしてくれない」(自治会役員)

 千葉から少し北へ、茨城の太平洋側に位置する某海岸も、今年は海水浴場が設置されていないのだが、海水浴客は例年通り訪れていた。同海岸でほぼ毎日サーフィンをするという女性も困り顔だ。

「監視員やライフセーバーがおらず、大変危険な状態。地元のベテランサーファーが沖に出て、危ない目にあっている客がいないかチェックしているほど。千葉や神奈川、静岡でも同様のことが起きていると聞いています。事故が起きてからでは遅いのに……」(茨城県の女性サーファー)

 結局、国や自治体がやるのは「お願い」のみ、市民が勝手にやったことについては「知らない」「自己責任」という姿勢を、コロナ禍において浮き彫りにし続けているだけのようにも見える。<取材・文/森原ドンタコス>

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