バンドマンがコロナのおかげで脱貧乏。5LDKの一軒家に仲間と引っ越し

日刊SPA! / 2020年9月17日 15時54分

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※写真はイメージです

 新型コロナウイルスの流行により仕事や住居の変化、起業・学業・結婚の中断、中には家族の死など人生計画を狂わされてしまった人々は数多い。彼らはその後、どうなったのか? 今後もコロナ禍収束の見通しが立たない中、その生活ぶりと価値観の変遷に密着した。

◆コロナ禍でも必死にたくましく生きる人々

 コロナ禍のおかげで貧乏生活から脱出できたという変わったケースも。建設業で働きながらバンド活動を続ける秋田信雄さん(仮名・32歳)。

「3月頃からライブハウスが営業を自粛して、国内国外ともに全ツアーが中止になったおかげで音楽活動への出費がゼロに。でも建設の現場はほとんど止まらなかったので時間ができた分だけ出勤を増やしたら、4か月で50万円くらいお金が浮きました」

 さらに、コロナの影響による銅の高騰で恩恵も受けた。

「いつもはビルの解体現場で出た廃材をまとめて安く売りますが、それまで1㎏単位30円程度だった銅の買い取り価格が40円に。それで銅だけ選り分けて売りに行ったら1現場分だけで10万円近い小遣いになりました」

 そして2Kのアパート住まいだった秋田さんは3月に賃貸ながら2階建て5LDK駐車場つきの一軒家に引っ越し。バンド仲間との共同生活で、書斎を改造して音楽室まで作った。音楽機材や一眼レフカメラも買った。

 変化が訪れたのは秋田さんだけではない。コロナで職を失った音楽仲間に自分が働く建設会社を紹介したところ、今では皆「こっちのほうがカネになる」と生き生きしているとか。ただ唯一、憂慮しているのは「コロナ禍でやたら政治を語るロッカーが増えた」点だという。

「ライブがなくて暇だからSNSで影響されて読みかじりの知識で『もっと政治に興味を持て』と押しつけてくる」

 以前からこうした傾向はあったが、コロナ禍によりさらに強化されているという。

「ライブの3分の1を演奏ではなく安倍政権批判や『デモに行こう!』みたいなトークに費やしたり、パンクバンドだったのに政治的な歌詞を曲にうまく乗せられずヒップホップに転向してしまったり。こういう類いは、コロナ収束後にライブが再開されても客が戻ってこないと思います」

 コロナと政治の混乱は、音楽シーンも混乱させているらしい。

◆収入ゼロになり、人生初の「体を張った営業」

 ボイストレーナーをしている原恵美子さん(仮名・38歳)は、コロナ禍を機に年末までの仕事がすべて白紙になった。3月中旬から収入はほぼゼロに。そのため東京のマンションを引き払い、関西の実家に戻った。

「私は珍しいタイプなのですが、これまで教室なり短大などに所属していたのでフリーランスの経験がないんです。なので、生まれて初めて営業をすることになりました。不安だったのですが、近所の暇そうな高齢者に声をかけると幸い10人ほど集まり、ホッしています。月謝は一人4000円ですが、実家にいるおかげでなんとかやっていけています」

 それだけでは心許ないので、「副業」も行っている。

「近所のおじさんに個人レッスンを行っているのですが、実はオプションでお尻を触らせていて、こちらは1時間5000円。いつも2時間予約してくれるので1万円は堅い。あとは近所でヌードモデルもしています。暇でお金を持ってる中高年は多いですからね」

 これまで他人に体を晒すことなど言語道断だったという原さん。生きるためとはいえ、コロナ禍は己の強さを再発見する機会になったのかもしれない。

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[コロナ禍と人生]―

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