いつになったら自動運転車と呼べるクルマは登場するのか?

日刊SPA! / 2020年10月11日 8時51分

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AUTONOMOUS CAR

 自動車業界にとどまらず、グーグルなど異なる業種も参入して進められている自動運転車の開発。前方のクルマについていく前車追従走行はもちろん、車線維持走行、自動ブレーキ、急発進防止装置など、さまざまな先進安全技術を搭載したクルマは、すでに街中を走り回っていても、“自動運転車”を名乗れるクルマの登場はまだまだ先。クルマの自動化のプロセスは、いったい今、どの段階?

西村直人=文 Text by Nishimura Naoto

◆レベルが6段階ある自動運転技術。今はレベルいくつなのか?

 ここ5年ほど、自動運転技術を紹介するニュースを見聞きしない日はない。

 しかし、メディアで持てはやされてきた自動運転技術は、限定エリアでの無人バス走行や、サーキットを凄腕ドライバー並みのタイムで走るなど、いわばアドバルーン的な意味合いが強めだったこともあり、最近は若干、自動運転技術の話題に食傷気味の人もいるだろう。

 ともすると、日本では新鮮味が薄れてきたように感じる自動運転技術だが、世界に目を向けるとその真逆で、衰退どころか実用化に向けた最終段階に突入している。一体どういうことか?

◆イマドキの乗用車の自動運転技術はレベルいくつ?

 自動運転技術の源は「先進安全技術」。先進安全技術とは、「衝突被害軽減ブレーキ」(通称:自動ブレーキ)に代表される人の運転操作をアシストする技術のことで、それらが高い精度で、いつでもどこでも確実に使えるようになって、初めて自動運転技術へと呼び名が変わる。

 先進安全技術は、ザックリこの20年間で100倍進化し、自動運転技術へと近づいた。たとえば導入初期の衝突被害軽減ブレーキは、時速15㎞くらいまでしか減速できず、完全停止も無理だった。

 それが今や、条件にもよるが40トン(日本では25トン)の大型トラックですら時速80㎞から停止する。人や二輪車、自転車などにも昼夜を問わず反応し、暗がりを歩行する横断者や、交差点での右左折時にも対応できるなど劇的な進化を果たした。

 自動運転技術は、レベル0~5の6段階に分類された「自動化レベル」で表現され、「レベル3以上を条件付き自動運転技術」とする国連で定められた世界的なルールがあるが、イマドキの乗用車の自動運転技術は、どのレベルなのか?

 日産がスカイラインに投入したレベル2の「プロパイロット2.0」は、“一定の条件”が整うと、ステアリングから手を放した状態での走行が可能で、車線変更を伴う追越し支援も行なう。先ごろ発表されたスバルの新型レヴォーグもレベル2の「アイサイトX」を搭載。こちらは時速50㎞以下であれば、“一定の条件下”で手放し走行が可能だ。

 商用車も賢くなった。メルセデス・ベンツの一角で大型商用車を扱うダイムラートラックAGは、’19年に世界初のレベル2(こちらは手放しできず)の大型トラックを、欧州、北米、日本と世界の主要地域で発売開始している。

◆クルマだけじゃない!バイクも自動運転技術が採用される!

 こうした自動運転技術は、何も四輪車だけではない。

 二輪車も、メガサプライヤーであるドイツのボッシュが、レベル1の「アドバンスト・ライダー・アシスタンス・システム」を開発。「アダプティブ・クルーズ・コントロール(前車追従機能)」、死角に入った車両を教える「死角検知」、衝突の危険を教える「衝突予知警報」が可能で、日本のメーカーでは、’21年にカワサキが同機能の搭載車を発売する。

 このように先進安全技術は、乗りものごとに進化し自動運転技術へと近づいているが、その過程において、技術でできることにも限界があることがわかってきた。

 衝突被害軽減ブレーキを例にとると、衝突まで1秒以下の状況、たとえば時速60㎞(秒速約16.6m)で走っているクルマの直前に、物陰からいきなり人が飛び出してくるケースでは、いくら優秀な衝突被害軽減ブレーキでも、衝突は物理的に避けられない。

 実は’20年は、こうした自動運転技術を実用化する条件が整ったと判断された記念すべき年になった。機械でできること/できないことが明確に示されたからだ。

 一方、実用化に向けた法整備も進んでいる。4月には、日本国内でレベル3搭載車を販売してもいいとする改正道路交通法が施行。ちなみに欧州では’21年から容認される。保険制度も整備され、同時に無線通信を使って、販売後の車両に対する自動運転技術のアップデートも法的に認められた。

 これを受け乗用車では、’20年度中に、レベル3にアップデート可能なレクサスLSが登場。ホンダからもレベル3を搭載した車両が販売される。メルセデス・ベンツの新型Sクラスもレベル3に対応するといわれ、商用車では先のダイムラートラックAGが’29年までにレベル4の大型トラックを販売する。

 ともすれば、自動車メーカーのパフォーマンスにしか見られなかった自動運転技術だが、実用化は着実に進んでいるのだった。

◆レベル3に突入した、自動運転技術

▼乗用車は高級車でレベル3搭載のクルマが登場する!

・レベル3:レクサス新型LS
・レベル3:メルセデス・ベンツ 新型Sクラス
・レベル2:日産スカイライン
・レベル2:スバル新型レヴォーグ プロトタイプ
・レベル2:商用車は手放しなしのレベル2を主要地域で発売!
・レベル1:二輪車はレベル1の搭載車の発売を目指す!

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