期待外れのドラフト1位選手たち、セリーグ編。鈴木誠也の上を行った右の高卒大砲は今?

日刊SPA! / 2020年10月23日 8時50分

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画像:広島東洋カープ公式サイト

 今年のドラフト会議は10月26日に開催される。中でも注目されるのはやはりドラフト1位で指名される選手だろう。将来性重視なのか、それとも即戦力の期待か。だが、いざ入団すると指名前の高評価はどこへやら、鳴かず飛ばず選手もそこそこ現れてくるから面白い。

 そこで今回は過去10年間の全12球団のドラフト1位指名選手から、ああ、これは期待はずれだったなという顔触れを紹介していこう。まずはセ・リーグ編。

◆読売ジャイアンツ 投手を7人指名するも、成功例は2人のみ

 本稿が配信されるころには2年連続のリーグ優勝を決めているかもしれない読売。実はこの10年間で投手を7人指名している。その中でドラ1の期待に応えたのは10年の澤村拓一と12年の菅野智之の2人だけなのだ。中でも酷かったのが11年の高卒左腕・松本竜也だ。プロ入り後の4年間でケガを繰り返し、1軍の登板が果たせなかったばかりか、15年オフに野球賭博に関与していたことが発覚し、無期失格処分の裁定が下された。現在も失格選手となってしまっている。

 15年の大卒右腕・桜井俊貴は昨年までの4年間で8勝8敗、防御率も4.70という微妙な数字だし、18年の大卒左腕・高橋優貴もプロ1年目の昨季は5勝7敗で防御率は3.19と尻すぼみの成績だった。

 ただ、この2人は今年1軍で投げているだけまだいい。17年の大卒右腕・鍬原拓也はこの2年間で1勝3敗という散々たる有り様。今年も右ヒジの骨折で戦線離脱中だ。さらに昨年の高卒右腕・堀田賢慎に至ってはいきなりトミー・ジョン手術を受けるハメになってしまっている。

◆阪神タイガース 大卒&社会人選手に偏り過ぎ……

 続いては阪神。この10年で大卒&社会人投手を4人、大卒&社会人野手を4人というように即戦力指名が多かった。そのなかでまず期待外れだった投手を挙げると、14年の社会人左腕・横山雄哉だろう。プロ入り後5年間で登板わずか8試合。3勝2敗で防御率は4.28。しかも18年にはケガもあって育成選手落ちしてしまう。今年、再び支配下登録されてはいるが……。

 17年の大卒右腕・馬場皐輔も即戦力とは名ばかりでこの2年間は4試合の登板に終っている(0勝1敗・防御率6.75)。3年目の今季は1軍定着を果たすべく、奮投しているので期待したいところだ。

 野手ではなんといっても11年の伊藤隼太。左のスラッガー候補だったが、昨年は1軍公式戦の出場すらなかった。18年までの成績は365試合に出場して打率2割4分、10本塁打、59打点と完全に1軍半の選手と化している状態だ。また、15年の大卒野手・高山俊は翌年新人王に輝いたが、その後低迷しているのが気がかりだ。

◆中日ドラゴンズ 目立った失敗がない中での唯一の大失敗は?

 現在Aクラス争いを続ける中日は、この10年間のドラ1はかなり成功の部類が続いている。ただ、そんななかで唯一の大失敗を挙げるとしたら、14年の社会人右腕・野村亮介に尽きる。実はこの年の中日は現在、リーグNo.1ストッパーの山崎康晃(横浜DeNA)を指名するとみられていた。それがフタを開ければまさかの野村単独指名である。

 かなりの期待も、当の野村はプロ1年目の15年に3試合登板しただけ。16・17年は1軍登板なく、わずか3年で戦力外通告を受けている。勝ち負けつかず、防御率10.13というのがその最終成績だ。

 この野村に続くとしたら、13年の高卒右腕・鈴木翔太だろう。昨年までの5年間で最多登板が17年の15試合。この年は5勝5敗だったが、それ以外の年を合わせると計9試合の登板で勝ち負けつかず。昨年は1軍での登板すらなかった。今年も10月18日現在までに1軍登板はなく、かなり苦しい状況に追い込まれている。

◆横浜DeNAベイスターズ 近年は大卒投手の成功が続くも……

 近年のドラフトで横浜DeNAは独自路線を貫くことが多い。それでも14年の山崎康晃から5年連続で大卒投手を獲得し、成功している。だが、それ以前は失敗例がチラホラと。10年は早稲田大から社会人に進んだ右腕・須田幸太を指名するも、18年に退団してしまう。計166試合に登板し、16勝19敗、防御率4.81とあまり振るわなかった。

 これはまだマシなほうで、11年の高卒右腕・北方悠誠と13年の社会人右腕・柿田裕太は完全なる期待外れ。北方は14年に、そして柿田は17年に戦力外通告されているが、ともに1軍での登板すらなかったのである。

◆広島東洋カープ あの鈴木誠也の上を行った右の高卒大砲は?

 広島は11年の野村祐輔や13年の大瀬良大地といったようにこの10年でエース級2人の獲得に成功している。逆に失敗例はというと、この2人に挟まれた12年の高卒野手・高橋大樹だろう。あの鈴木誠也を差し置いてのドラ1スラッガーだったが、昨年までのプロ7年間で1軍では35試合の出場しかない。打率2割6分6厘、1本塁打、3打点と完全に鈴木とは差をつけられてしまっている。今年も7月19日の試合を最後に2軍落ちとかなり苦しい。

 投手なら16年の大卒右腕・加藤拓也だ。現在は矢崎姓を名乗っているが、昨年までの3年間で12試合の登板に留まり、挙げた白星はわずか1勝(3敗)。崩御率も4.58と即戦力ドラ1の実力を活かしきれていない。今季、1軍では6試合に登板したが、防御率9.39と大乱調で2軍落ちしている。

◆東京ヤクルトスワローズ 1軍未出場選手が2人も……

 今シーズンも最下位争いをしている東京ヤクルトの完全な期待外れは投手なら14年の社会人左腕・竹下真吾、野手なら11年の高卒内野手・川上竜平だ。竹下はプロ3年間のうち16年に1試合1軍での登板があるだけで、そのときの防御率が13.50。17年オフに戦力外通告を受けている。一方の川上も16年に戦力外通告されるまで1軍公式戦出場が1試合もなかった。

 13年の國学大卒の右腕・杉浦稔大は妻が元・モーニング娘。&元・テレビ東京アナウンサーの紺野あさ美ということで話題になったが、本業ではケガに苦しみ、プロ3年目までで6勝7敗、防御率4.53と結果を出せなかった。しかし、17年のシーズン途中で北海道日本ハムファイターズにトレードされて以後、復調の気配が漂っている。

 次回はパ・リーグ編をお届けする。<文/上杉純也>

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