「うちの子に内定を出さないで」採用担当者を悩ませるモンスター親

日刊SPA! / 2020年10月26日 8時54分

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住田里穂さん

「いろいろな親が本当にいるな……と日々驚いています」

 都内に在住するパチンコ業界勤務 住田里穂さん(仮名・33歳)は、モンスター化する一部の内定者の親にうんざりしている。

◆最も多い辞退理由は「親」

 住田さんは人事部に所属しており、毎年採用業務を行っている。比較的ネームバリューがある会社ということもあり、エントリーは山のようにくるそうだ。SPIなどを使いふるいにかけ、何度も面接を繰り返し、最終的に毎年、50名ほどの内定者を決定する。

 しかし、時間と手間をかけて採用したにもかかわらず、一部のモンスター親によって水の泡にされるケースがあるという。

「一番多いのが、『親に反対されたので内定辞退します』です。辞退そのものはない話ではないですが、理由が親って……。呆れてしまいますね」

 確かに、パチンコ業界=危険・怪しいといったイメージを持つ人間は一定数いるだろう。しかし、学生とはいえ、いい大人がいまだに親の判断で物事を決定しているとは、驚くばかりだ。

◆「うちの子に内定を出さないでください」とキレる親も

「判断に困るのは、『うちの子に内定を出さないでください』と怒りながら、親が内定者に代わって内定辞退をしてくるパターンです」

 住田さんの会社では内定承諾書を受理した段階で正式な内定者としているとのことだが、このようなケースに限って、既に承諾書を受理していることが多く、電話での親の代理による辞退では処理できない、といった社の決まりがあるという。

「『お子さんに一度来社していただきたいんですが』と伝えても、聞く耳を持ってもらえたことはほとんどありませんね」

 このようなケースは仕方がないので内定式まで籍を置いておき、そこで出社しなかったら内定取り消しという判断にしているそうだ。

「内定式や入社前の事前説明会に同席しようとする親もいます。我が子のことを心配する気持ちはすごく分かるのですが、弊社では同席をお断りしています」

 中には、同席できない旨を伝えると、ヒステリックになって怒る親もいるそうだ。理解を得ようと説得しても埒が明かないことも。

「そんなに気になるなら、あとで子供から話を聞けばいいと思うんですけどねぇ」。このようなことに、住田さんや他の人事部の仲間たちは常に手を焼いている。

◆厚かましい要求も

 また、非常に厚かましいモンスター親もいるらしい。

「弊社には社宅があり、自宅通勤が難しい社員には入居を勧めています。配属先が決まった段階で社宅の打診をするのですが、なぜか親から『入社前から社宅に入れてもらえませんか?』と相談されることが多々あります」

 すぐに社宅に入れたがる具体的な理由は不明とのことだが、住田さんは、立地のいい社宅だから早い時期から子供に満喫してほしいのではないかと予想する。

「個別で社宅に入るのを早めたりすることはできない旨を伝えたら、ブチ切れていましたね。親が借りてあげてください!って感じです」

 ちなみに、そのモンスター親を持つ内定者は1年以内に退職したそうだ。

◆コロナでモンスターが増える?

 住田さんは、これからはモンスターがさらに増えるのではないか? とびくびくしている。その理由はなんだろう?

「新型コロナウイルスの影響ですね。コロナのせいでパチンコ業界は大打撃、バッシングの嵐でした……。それを理由に、色々と難癖をつけてこられそうです。モンスター親の子供に内定を出してしまったらと思うと、今から気持ちが沈みまくりですね」

 わが子のことが心配になる気持ちも十分わかるが、あくまでも子供の人生であり、親が口出しするのは間違っている。

 モンスター親からすると、子供を守ったつもりなのしれないが、それが子供の自立をさまたげることに気づいてほしい。<取材・文/吉田みく>

【吉田みく】
ルポライター。得意なジャンルは恋愛にまつわる人間関係。好きなことは潜入取材。twitter:@yosmiku

―[モンスターすぎる親たち]―

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