蒔田彩珠が「子役から女優に」なろうと思ったきっかけ

日刊SPA! / 2020年10月30日 8時30分

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―[focus on!ネクストガール]―

◆♯4 蒔田 彩珠さん(後編)

 “今後輝いていくであろう女優やタレント”をピックアップする新連載『focus on!ネクストガール』。

 前回に引き続き、蒔田彩珠さんへ、趣味や興味のあること、さらには彼女のこれからを聞く。

◆台本、要る?要らない?

――女優歴についてお伺いしたいのですが、子役からやられていて「女優」になろうと思ったタイミングってどのあたりですか?

蒔田:そうですね……『ゴーイング マイ ホーム』という是枝裕和監督のドラマで初めて6か月くらい撮影期間があって、他のキャストさんやスタッフさん、監督が、その間ずっと本当に恰好よくて、私もこういう大人になりたいなと思ったのがきっかけです。

――その是枝監督の作品に多数、出演していますが、特に印象深かった作品は何ですか?

蒔田:『三度目の殺人』(2017年)の時に、初めて監督から台本を渡されたんです。それまでは台本がなくて、口頭での演出だったので、そこで初めて「あぁ、子役から女優になったんだな」って思いましたね。是枝さんから「台本、要る?要らない?」って聞かれて「読みたい」って、自分で選びました。

◆役者だから、自分が挑戦しないようなことも経験できる

――主演を務めた『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(2018年)でギターを弾いたり歌を歌ったりした時の、技術を伴う役づくりは大変でしたか?

蒔田:この映画があったからこそギターを始めて、今ではギターが大好きに。そういう自分が挑戦しないであろうことを、作品を通して色々経験できるというのは、この職業のよいところだなと思いますね。

――なるほど。今まで演じてきた役の中で、素の自分に近かった役はありますか?

蒔田:近い?うーん……まだないかもしれないです。本当に暗い役ばっかりなので(笑)。

――たしかに、印象では寡黙なイメージがありますよね。

蒔田:そうなんです(笑)。そうなんですよね。

――実際はすごく明るく……。

蒔田:そうなんですよ!(笑)

――なるほど(笑)。今、好きなこととかハマっていることってありますか?

蒔田:最近レコードを聴き始めて、ずっとハマってます。映画を観ていると、なぜかレコードが出てくることが多くて……いいなぁと思って。

――いちばん最初に買ったレコードはなんですか?

蒔田:ベートーヴェンを買いました(笑)。

――ポップスとかじゃなくて?

蒔田:ベートーヴェンから始めました。でも色々なジャンルのレコードを買っています。なんでだろう……やっぱ、寝る時に聴きたいなと思って、ポップスだと寝れないので(笑)。

――レコードに針を落とすのって、最初……。

蒔田:緊張しました!最初、針がついているということが分からなくて、針を取ろうとしてたんですよ。あ!針かと思って……危なかったです(笑)。

――音楽が本当に好きなんですね。

蒔田:大好きです!

――ギターは普段どれぐらい、触りますか?

蒔田:もう、1日に1回は、絶対やりますね。帰ってからとか、夜に寝る前とか。

――曲を作ったりとかは?

蒔田:いや、まだしてないです。してないですけど、いつかやってみたいです。

――好きなミュージシャンはいますか?ベートーヴェン以外で(笑)

蒔田:ベートーヴェン以外(笑)……バンド系が好きで、いちばん好きなのはRADWIMPSさんです。ずっと弾いてますね。

◆いつか多重人格の役を演じてみたい

――映像関連でハマっているものは何かありますか?

蒔田:最近、NETFLIXのドラマで『ラチェッド』(2020年)というドラマを観ました。空いた時間は、ずっとNETFLIXを観てます。今、お勧めするとしたら『ラチェッド』と、あと、あの……エミリーが、女の子が、パリに転勤する話なんですけど……。

――あれですね、フィル・コリンズの娘さんが出ているドラマですよね?

蒔田:あぁ、そうですそうです!『エミリー、パリへ行く』(NETFLIX、2020年)

――そういうドラマを観ながら、女優業に活かそうと思ったりすることはありますか?

蒔田:日本のドラマや映画を観ていると、そういう目で観ちゃうので。逆に海外のドラマだと、英語もできないので(笑)。あまりお芝居とかを気にせず観れるので、そうしてます。

――そうか、日本のドラマを観ちゃうと……。

蒔田:あー私だったらこう演じるなぁとか、こういうやり方もあるんだぁとか……。

――仕事を思い出しちゃうみたいな感じ?

蒔田:そうですね(笑)。

――今後やってみたい役はありますか?

蒔田:『ラチェッド』でも出てくるんですけど、多重人格の役をやりたいなって、ずっと言っています。

――なるほど、なんか合いそうな気がしますね。多重人格モノの作品は、何か観たことはありますか?

蒔田:なんだっけ……私、ホラー映画が大好きで、24個ぐらい人格を持っている男の人に女の子が誘拐される話で、タイトルを忘れちゃったんですけど、それです(『スプリット』2017年)。それを観て「わー、すごい!」って思いました。ホラーも大好きなんです。

――ホラー関連だと、小説なんかも読んだりしますか?

蒔田:小説は、本当に面白かったものを、何回も読む。例えば、ホラーっぽいんですけど……『幻屍症インビジブル』(実業之日本社刊)。周木律さんという作家さんが書いている小説なんですけど、それが面白かったです。

――憧れてる女優さんや目指している女優さんはいますか?

蒔田:海外の女優さんになっちゃうんですけど、クロエ・グレース・モレッツ。クロエ・グレース・モレッツが大好きで、あとアン・ハサウェイ。このふたりは魅力的だと思います。

――おふたりの作品で好きな作品は何ですか?

蒔田:クロエ・グレース・モレッツだと『彼女が目覚めるその日まで』(2017年)。アン・ハサウェイの作品では『マイ・インターン』(2015年)かなぁ……でも『プラダを着た悪魔』(2006年)も可愛かったです。

――いずれ海外の作品にも出てみたいとか、そういう思いはあります?それこそ是枝監督の手掛ける海外での作品とか……。

蒔田:そうですね。是枝監督だったら、安心して身を任せます。

******impression******
 是枝裕和監督から「台本、要る?」と聞かれたというエピソードが、とにかく印象的で、子役から「女優」へと脱皮するイニシエーションを、こんな風にひと言で表すことができるというのは、まさに、この先に広がる将来を感じずにはいられない(こういうのって狙ってつくれるエピソードではないので)。興味の幅も慎重に広げながら、まだまだ空きスペース自体はたくさんある感じで、今後、女優業が充実していくに従って、きっと多層的に深まっていくんだろうなと思う。彼女と様々な監督とのハレーションを、2020年代、もっともっと見てみたい。

蒔田彩珠(まきた・あじゅ)
2002年8月7日生まれ。神奈川県出身。7歳の時に子役デビュー。2012年、是枝裕和監督によるテレビドラマ『ゴーイング マイ ホーム』(関西テレビ系)での好演が話題となり、その後、2016年『海よりもまだ深く』、2017年『三度目の殺人』、2018年『万引き家族』と、是枝監督作品の常連に。2018年、初主演を果たした『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』では第33回高崎映画祭最優秀新人賞等を受賞。10月23日からは物語のキーパーソンとなる「片倉ひかり」役を務めた、河瀨直美監督作品『朝が来る』が公開。来春にはNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』への出演も控える。インスタグラムは@makita_aju

取材・文/鈴木さちひろ 撮影/山川修一

【鈴木さちひろ】
武蔵野美術大学大学院卒。テレビ朝日にて番組等のプロデュースを行なう。ほか、作詞や脚本の執筆、舞台の演出・プロデュースなどを手掛ける。

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