貧困家庭出身でも合格できた東大生が「両親に感謝している3つのこと」

日刊SPA! / 2021年1月10日 15時54分

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―[貧困東大生・布施川天馬]―

 現役東大生の布施川天馬と申します。学生生活の傍ら、ライターとして受験に関する情報発信などをしています。

◆経済格差は教育格差に直結する

 みなさんは「お金がない!」と悩んだ経験はありませんか? ほとんどの方は大なり小なり、さまざまな形で悩んだことがあるのではないかと思います。

 僕は生まれてこの方20年余りの間、ずっとお金について悩み続けてきました。中学高校と部活動をしているときにも、高校卒業後の進路を決めるときにも、大学受験本番を差し控えた1か月前にも、もれなくお金に悩み続けていました。

 僕はもともと東大志望ではありません。本当はプロの演奏者として活躍したかったのですが、そのために必須な音楽大学への進学も学費や受験準備にかかる費用の面から諦めざるを得ませんでした。

 僕は自分が貧乏な思いをするのはもちろん、自分の子供にも貧乏させたくありません。ですから、将来は絶対にいい就職をして、お金を稼いで、自分の子供には何不自由のない暮らしをしてもらおうと思っていました。

 高校生だった頃の僕は「日本は学歴社会だから、いい大学に進学して箔をつければいい就職ができる」と考えていました。

 いい大学に行けなければ、一流企業に就職するのが一気に難しくなってしまう。そして、そこから始まる貧乏の連鎖は子供、孫、ひ孫……と代々受け継がれていくと考えると恐ろしく、こうした負の連鎖に入ってしまうことは絶対に嫌でした。

◆東大進学こそが数少ない一発逆転の方法

「どうすれば、お金持ちになれるのか?」

 コネもない僕が思いついた、貧乏の連鎖を断ち切るための一発逆転の方法。それこそが東大進学でした。

 特別なスキルやコネがあるわけでもない僕が箔をつけるためには、東大に入るしかないだろうと思ったのです。さらに好都合なことに、東大は国立大学ですから、奨学金をフルに活用すれば学費だって賄えます。これは実際、大正解の選択となりました。

 僕と同じように、「自分の子供には学力を上げてほしい」「いい大学に入ってほしい」「でも、塾に入れてあげるだけの余裕はない……」とお困りの方はたくさんいらっしゃると思います。なぜなら、まさに僕の家庭もそうでしたから!

 それでは、どうすればお金をかけずに、将来東大に進学するような子供を育てられるのか?

 今回は僕自身が「両親がこう育ててくれたから僕は東大に行くことができた」と思っているポイントをお話しします。

◆〇ポイント1「目標だけを設定」

 1つ目のポイントは「目標だけ設定する」というものです。僕の両親は最低限守るべき目標を具体的に設定し、それを下回らなければ、普段の振舞いや手段については一切何も言いませんでした。

 僕は中学高校と家の近くの私立校に通っていました。当然、僕の家の世帯年収では私立の学費が払えようはずもありません。ですので、特待生として学費全額免除を受け続けることが学校に通うための最低条件でした。

 そのためには評定平均で高い成績を取らなければならなかったのですが、僕は部活動に明け暮れており、試験直前になるまで1秒たりとも勉強しませんでした。

 しかし、僕の両親は絶対に「勉強しなさい」とは言わず、「学費免除の特待生だけは維持しなさい」としか言いませんでした。これは僕にとって非常にありがたいことでした。

◆「勉強しなさい」がNGなワケ

 勉強しなくてもノルマだけ達成していれば、普段どれだけ勉強していなくても何も言わないというスタンスは、僕への信頼感を強く意識することができ、とてもうれしかったことを覚えています。

 また、ノルマも「特待生の維持に必要な成績をキープすること」と非常に具体的。そのため、どこまでやればよいのか一目でわかったので安心することができました。

 これがとにかく「勉強しなさい」と常に言われるような環境だったなら、僕は反発していたことでしょう。

◆〇ポイント2「家が好きなものに溢れていた」

 2つ目のポイントは家に僕の大好きなゲームやマンガがたくさんあったということです。「たかがゲームやマンガ」と思われるかもしれませんが、僕の好奇心をとてもよく刺激してくれる、よい教材であったように思います。

 僕の両親はマンガやゲームが好きであり、僕の小さい頃からたくさん家にありました。そのため、小学校入学前にはすでに僕はマンガの虜となっていました。

 家の近くの古本屋で父が懐かしがって買ってきた『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』などは僕の記憶に色濃く残っている名作です。

 そうやってマンガ漬けゲーム漬けの幼少期を送ったわけですが、自分でこれらを楽しむわけには最低限、文字を読んで意味を理解しなければなりませんでした。

 ですから、僕は自分一人でマンガゲームを存分に楽しむためだけに、それらを教材として、自然と国語の学習を行っていました。

◆ゲームとマンガが国語力を伸ばす

「この漢字は何と読むのだろう」「この言葉はどういう意味なのだろう」「なぜ今この人物は泣いているのだろう、何に対して悲しんでいるのだろう」……。

 このような情報を読み取るだけでも国語の勉強になります。国語の教材とマンガ、ゲームが違うのは、文章だけで表されるか、画像や映像がつくか否かだけです。

 僕は小学校の頃から国語の成績だけはなぜかよかったのですが、これは、マンガとゲームにはまっていたからだと断言できます。

 家庭の事情を考えると、趣味にかけられるお金なんてわずかだったはずですが、それでも両親がそうした環境を与えてくれることには感謝してもしきれません。

◆〇ポイント3「電子機器に慣れ親しんでいた」

 3つ目のポイントは、早いうちからパソコンや携帯などに慣れ親しんでいたということです。3歳の頃にはすでにパソコンを使って遊んでいました。

 父はパソコンに詳しく、僕も小さい頃からそれらに触れる機会が多くありました。

 幼い僕にパソコンに内蔵されているゲームのやり方を教えたところ、次の日から僕は自分で勝手にゲームをしていたといいます。すぐに家のパソコンは僕が占領するようになりました。

◆携帯電話がもたらしてくれたこと

 また、携帯電話についても小学校4年生の頃にはすでに自分の端末を持っていました。これの何がありがたかったのか。それは自分で気になったことを瞬時に調べられるという点でした。

 本やマンガなどでわからない言葉があっても、出先では辞書を引くしかありませんし、近くに大人がいなければ意味を尋ねることもできません。

 そういった意味で、自力での学習を可能にしてくれる、パソコンやスマホは僕にとって神のごときツールでした。

◆知らない情報に自然にアクセスできることの重要性

 今では「Lenovo CROSS kids」という子供用のパソコンがLenovoから出ているようです。

 僕もLenovo製のパソコンを使っていますが、今の子供たちをうらやましいと思います。これらを使えば、自分の知らない情報にどんどんアクセスできる。つまり大人の助けを借りずに、自力で難しいマンガやゲームのストーリーを理解したり、攻略情報を調べたりすることができるわけですから。子供にとって、これほどまでに達成感のあることはありません。

 外食も本当に特別な日だけ、年に数回もあれば多いほうと、まったく余裕のなかった我が家でしたが、両親が僕を信頼し、ただでさえ厳しい家計を切り詰めて、パソコンやスマホを持たせてくれたことは何より恵まれていたと今になって改めて思います。

 僕自身の個人的な事例ではありましたが、皆さんの子育てについて何かの参考になれば幸いです。

【布施川天馬】
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』が発売中

―[貧困東大生・布施川天馬]―

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