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貴闘力、YouTubeで相撲界の闇を暴露。大麻、野球賭博、怪しいカネの流れまで

日刊SPA! / 2021年1月29日 8時35分

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貴闘力のYouTubeチャンネル「貴闘力部屋」。爆弾級の相撲界暴露話が満載

文/椎名基樹
◆マジで命がけ! 貴闘力の相撲界再生計画

 引退したスポーツ選手が続々と自らのYouTubeチャンネルを立ち上げている。また、自らチャンネルを立ち上げてはいない者も、ゲストとしてそこに出演している。彼らの出し物は「裏話」だ。マニア心をくすぐる昔話で視聴者を獲得せんと奮闘している。

 元関脇力士の貴闘力のYouTubeチャンネル「貴闘力部屋」のメインコンテンツも「裏話」である。しかし他のスポーツ選手のそれとは一線を画している。貴闘力は、自分がたわいもない業界の「すべらない話」をして小銭を稼ぎたいわけではなく、相撲界の改革のため命をかけて、現在の相撲協会の体質を告発していることを強調する。

 過去に相撲の暴露本の著者が謎の死を遂げている事は周知の事実であり、貴闘力が「命がけ」と言うのもあながち大げさとは言えない。それほど貴闘力のYouTubeの告発は突っ込んだ話をしている。また、貴闘力の3人の息子は現在角界に籍を置く力士であり、自らの発言が息子たちに迷惑になる事は明白であるにもかかわらず、告発を続けていることに彼の覚悟がうかがえる。

 貴闘力の覚悟を支えるものは「私怨」であることが動画を見るとわかる。その恨みは全て現在相撲協会の理事を務める尾車親方に向けられている。また、貴闘力以外の相撲界の人々が同親方に、非常に強い恨みを持っていることが動画を見ているとわかる。私怨が原動力となっているが、その怒りの原因を取り除くことが、相撲界にとって有益だと貴闘力は固く信じているようである。

◆「露鵬、白露山 大麻事件」の真相は?

 尾車親方は、もし相撲をやっていなかったら東大に行けたと言われるほどの頭脳の持ち主であると言われている。現在理事長は八角親方が勤めているが、真の実力者は尾車親方であると、貴闘力は語る。

 いくつかの動画で2008年から2010年にかけて世間を騒がした相撲スキャンダルは、大相撲の権力闘争が影響していると、貴闘力は主張する。

 2008年大麻使用事件は、逮捕された露鵬と白露山の大麻使用を利用して、相撲協会の理事長だった北の海を失脚させたいと考えていた者たちによる陰謀だったと貴闘力は主張する。この一件で白露山の親方であった北の湖は理事長職を辞任した。露鵬の親方であった貴闘力(大嶽親方)も役職を降格した。大嶽部屋の後見人であった大鵬が相撲博物館の館長の座を追われたのもこの事件のためだと貴闘力は言う。

 この事件の発端は、間垣部屋に所属するロシア人力士の若ノ鵬が落とした財布の中から大麻が見つかった事にある。この事件によって、若ノ鵬が所属する部屋の間垣親方は、理事職を辞任した。後述するが、間垣親方も尾車親方の敵対勢力の1人であった。しかし、翌年には尾車部屋に所属する若麒麟も大麻使用により逮捕される。これにより尾車親方は理事職を解かれた。

 大麻事件によって、尾車親方とその反対勢力はどちらも損害を被っており、貴闘力の主張の説得力を弱くする。しかし逆に言えば、反目し合う者が揃って名前が上がった点が、なんともきな臭い。大体、落とした財布の中に大麻が入っていたことが事件の発端だなんて、なんだか不思議だ。

◆自身が起こした「野球賭博事件」に関しても……

 貴闘力が相撲協会を解雇される原因となった、2010年の野球賭博事件は、貴闘力(当時大嶽親方)と大関の琴光喜を相撲界から追放する事に利用されたと言う。貴闘力と琴光喜は、貴乃花が2010年に周囲の反対を押し切り相撲協会の理事選に立候補して当選した、いわゆる「貴の乱」の時、貴乃花に票を投じていた。この一件により貴乃花と尾車親方の間に決定的な溝ができたと言う。野球賭博を行っていた力士は多くいたのにもかかわらず、敵対勢力として、琴光喜と自分だけが排除されたと貴闘力は主張する。

 事の真相は別として、私が相撲ファンとしてなんとも残念なのは、琴光喜が現役を全うできずに引退したことだ。多くの相撲ファンがそう感じていると思う。琴光喜以降、彼よりセンスがある力士が誕生しただろうか?

 この野球賭博事件をきっかけに、八百長の発覚事件につながっていく。賭博に関わった力士の携帯電話のメールから八百長が発覚する。その内容を警察が発表したことも当時私は非常に不思議だった。相撲の八百長など警察に関係あるか?

 相撲界を揺るがした大スキャンダルの全てに貴闘力が関わっていることに笑ってしまった。貴闘力は、アラが多い自分が反対勢力に狙われたと苦笑いする。

◆相撲界の怪しいカネの流れに怒り

 貴闘力チャンネルで、私が最も驚いた内容だったのは、現在大阪の老人ホームに住む、2代目若乃花の元間垣親方を訪ねた動画だ。ハンサム力士で売った横綱だったがすっかり痩せてしまって、昔の面影は無い。にも関わらず怒りに身体を震わせながら、尾車親方に怒りをぶつける。

 この動画で最も私が驚いた事は相撲界独特の「お茶屋さん」と言うシステムだった。観客にお弁当などのお土産を提供する商売である。お茶屋さんが提供する「お土産」には、値段がついていない。それが裏金作りに役に立っているという。

 相撲業界の人間が裏金を作る方法は、要するに「ダフ屋行為」であるらしい。優勝を決める一番の最前列の席などは、100万円単位の金を払ってでも欲しがる人がいると言う。また相撲には「維持員席」と言うものがある。それは言うなれば「永久予約席」であり、個人が所有する、ひと場所通しの席の権利である。それを所有者の承諾なしに、現役の中川親方がひと席200万円で売っていると、元間垣親方は告発する。そして維持員席の責任者が尾車親方だと言う。そうしたダフ屋行為で得た金を、「値段がついてないもの」を売るお茶屋さんを通す事によって、いわばマネーロンダリングがすることが、大相撲の「甘い汁」を吸う仕組みらしい。北の湖と大鵬が、泣きながら元間垣親方に「お茶屋をつぶしてほしい」と頼んだと言う。

 そこで私が疑問に思う事は「お茶屋さんって一体誰がやっているんだ?」ということだ。そんなおいしい利権にどうやれば、どんな立場の人が食い込める?

◆貴闘力は、抹殺されるかもしれないから……

 2018年に宝島社から出版された「貴の乱 日馬富士暴行事件の真相と日本相撲協会の「権力闘争」」と言う本を読むと、貴闘力のYouTubeチャンネルとは真逆の印象を持つ。つまり北の湖、貴乃花の側に問題があったように感じられる。大相撲と言う伏魔殿において、誰が正義か見極めるのは難しい。

 ただ尾車親方が、他人に相当恨みを買う手法で権力闘争を戦った事は間違いないようだ。追い落としたメンバーは、大鵬、北の湖、貴乃花と一代年寄りのスーパースターばかりである。2018年に貴乃花が協会を辞めたことにより、権力闘争は完全に終焉した。しかし、相撲協会にできた「禍根」はくすぶり続けるのではないか。

 計算高い尾車親方も、まさかYouTubeと言う「窮鼠猫を噛む」メディアが脚光浴びる時代が来ることまでは、予想できなかっただろう。命をかけて YouTubeで、相撲界の暴露を行うことに、貴闘力は罪滅ぼしの気持ちがあるのかもしれない。貴闘力の言葉を信じるならば、彼のおっちょこちょいのせいで、大横綱たちが立場を悪くしたのだから。貴闘力は自分のチャンネルを「自分が抹殺されないためにも、なるべく多くの人に見て欲しいと」冗談めかして言う。貴闘力の身の安全の為にも、皆さん貴闘力チャンネルを見てあげてください(笑)。

【椎名基樹】
1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中

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