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SUVの陰でワインのごとく熟成が進むレクサスのセダンを語る

日刊SPA! / 2021年2月7日 8時51分

写真

LEXUS LS

―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

◆SUVで食ってるレクサス。それ以外のクルマは、手を抜いているのか?

 子どもにクルマの絵を描かせると、イマドキはミニバンやSUVのようなカタチのクルマを描くらしいです。家にあるクルマはもちろん街で見かけるクルマがミニバンやSUVだからでしょうね。そんな時代でも、自動車メーカーはミニバンやSUV以外のクルマも作っています。あんまり売れないクルマを今でもなぜ作るのでしょうか?

永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信(流し撮り職人)=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

◆打倒! ドイツ御三家

 SUVブームが全世界を席捲しております! 欧州で4割、北米では5割! 日本でもついに3割に迫ってきました!(軽を除く)

 もはや世界中で、SUVが最もポピュラーな乗用車のカタチになったのです!

 逆に、もっとも退潮著しいのがセダンです。昨年、「次期クラウンはSUV化される」との報道がありましたが、まさか日本でもっとも堅固な顧客層を持つクラウンが……。それはもうセダンの滅亡に近い衝撃であります!

 実を言うと、今でもセダンがそれなりに売れているのは、ドイツ車だけなのです! つまりベンツ、ビーエム、アウディですね。このドイツ御三家だけは、現在でもフォーマルなセダンタイプが威光を維持しているのです。

 じゃ、ドイツ御三家に挑み続けている日本の高級ブランド・レクサスはどうかと言うと、昨年(1~10月)の販売台数のうち、約65%がSUV! 国内に限ってはなんと75%!

 逆にセダンはGSが販売不振で生産終了! もはやレクサスと言えばSUV!というくらい、SUVに頼っているのでした。

「トヨタはセダンを見捨てたのか?」そう思っても不思議はない状況ですが、このタイミングで最高級セダンのレクサスLSと、ミドルサイズセダンのレクサスISが、大きなマイナーチェンジを受けました。

 LSはまだ登場から3年ちょっとなので、フルモデルチェンジの時期じゃないけれど、ISはすでに7年。そこをフルモデルチェンジじゃなくマイナーチェンジで済ませたのは、

「やっぱりセダンを見捨てたから?」と思ってしまうところですが、乗って驚愕しました。

「ものすごくいいクルマになってるやんけ!」

◆すさまじい進化のIS

 ISの進化はすさまじかった。この車体と足回りの良さはドイツ御三家以上。BMW3シリーズのオーナーである私がそう断言します! 史上初めてレクサスISがBMW3シリーズを超えた!

「超えた超えたって、何が超えたの?」

 ボンクラのみなさまはそう思われることでしょう。まあ、いいワインみたいなもので、芳醇かつ鮮烈な味わいの差でわずかに上回ったとでも申しましょうか? 激安ワインしか飲んでないド庶民にはわからない世界ですが、セダンはそういう奥深いところで勝負しているのです。オレもワインは激安しか飲んでないけど。

◆レクサスのフラッグシップLS

 LSはレクサスのフラッグシップ。メルセデスSクラスの対抗馬なわけですが、こっちもかなり良くなってました。3年前に今の新型が出た時は、乗り心地がかたすぎで大不評。1年前に超ソフトに変更されておりましたが、今回はちょうどいいあたりに落ち着きました。なにせ最高級セダンですから、ワインで言えばロマネ・コンティみたいなもの。常に頂点を目指していなければ、地位は維持できないのです。

 レクサスブランドでは、この2台を合計してもSUVの10分の1も売れてないんだけど、それでもトヨタは全力を尽くしている! 利益を度外視してる! つまりプライドだ! そのひたむきな姿に、カーマニアとして胸を打たれました。

◆LCコンバーチブルに、さらなる衝撃

 最後にレクサスの最高級オープンスポーツカー・LCコンバーチブルに乗り、さらなる衝撃を受けました。

 5リッターV8エンジンが、ものすげー気持ちいい! エレガントでゴージャスなオープンボディやインテリアもさることながら、「クオォォォ~ン」というエンジンサウンドが最高! まるでコンサートホールだ! フェラーリ以上の快音だ! フェラーリを13台乗り継いでる私が言うんだから間違いない!

 商売的には、ほとんどSUVで食ってるレクサスブランドですが、SUV以外のモデルもまったく手は抜いてない! 「もっともっといいクルマを!」と頑張ってる! トヨタがいれば日本は大丈夫だ! ありがたくて涙が出ます。

◆【結論!】

 冗談抜きで今、日本でもっとも頼りになる存在は、トヨタ自動車じゃないだろうか。かつてはつまんないクルマばっかり作ってたけど、今は何があっても真摯に取り組み、あらゆるピンチを乗り越え、ブレずに日本経済を引っ張っている!

◆▼LEXUS LS

現行のLSは’17年にフルモデルチェンジした5代目(日本市場向けは2代目)で、昨年秋にマイナーチェンジ。3.5リッターV6エンジン+ツインターボのLS500(1073万円~)と3.5リッターV6エンジン+ハイブリッドシステムのLS500h(1219万円~)をラインナップ。自動車専用道路でのレベル3の運転支援機能が’21年中に追加される予定

◆▼LEXUS IS

現行のISは’13年にフルモデルチェンジした3代目(日本市場向けは2代目)。2リッター直4エンジン+ターボのIS300(480万円~)、2.5リッター直4エンジン+ハイブリッドシステムのIS300h(526万円~)、3.5リッターV6エンジンのIS350(650万円~)をラインナップする

◆▼LEXUS LC500コンバーチブル

’17年に登場したLCは3.5リッターV6エンジン+ハイブリッドシステムのLC500h(1400万円~)と5リッターV8エンジンのLC500(1350万円~)をラインナップするが、コンバーチブルはLC500のみで1500万円。V8エンジンは今やLC500以外だとRC F、LXにしか搭載されていない

【清水草一】
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中。清水草一.com

―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

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