世界がドン引きする日本のトランプ支持者。アメリカ人は「単純にクレイジー」とバッサリ

日刊SPA! / 2021年2月8日 18時45分

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日本で行われたトランプ大統領(当時)を支持するデモの光景(写真/藤倉善郎)

◆トランプ救世主論は「バカ」

「決着はまだついていない!」「マスコミはバイデン勝利の既成事実化をやめろ!」。そんな謳い文句とともに、巨大なトランプ前大統領の顔が鎮座する山車まで登場……。ご存知の方も多いだろう、これはアメリカでの話ではない。日本で行われた米大統領選への抗議集会の様子だ。良識のある読者の方ならば、「数十万人の中国軍がカナダとメキシコの国境に集結」といった話がデマであることは、考えるまでもないだろう。

 しかし、ここ日本ではネット上で、そして前述の抗議集会などで多くの人がこうしたデマに踊らされた。そのなかには著名人も含まれており、「トランプ山車」はその象徴とも言えるだろう。そんな同じ日本人から見ても一目で異様だとわかる光景は、外国人の目にはどう映ったのか? 「単純にクレイジーだよ」と語るのは、数年前から日本に暮らすJさん(男性・38歳・アメリカ人)だ。

「日本語の読み書きが苦手なので、どういう経緯でこんなことが起きたのかわからないけど、テレビで抗議集会を観て驚いたよ。あの山車は最高だね(笑)。アメリカでも連邦議会議事堂への襲撃事件があったり、陰謀論を信じる人はたくさんいるけど、まったく関係のない日本でこれだけ熱狂的にトランプを支持している人がいるのは理解に苦しむよ」

 Qアノンやプラウド・ボーイズを見慣れたアメリカ人も、日本人の「オヤビン」への異常な忠誠心には度肝を抜かれた様子だ。

「だって(日本語で)『バカ』でしょ。自分の儲けのことしか頭にないトランプが日本を救ってくれると信じるのもバカだし、不正選挙だなんだっていうのも、まともなニュースを観ていればウソだってすぐわかる。大統領選になんの関係もない日本人が、ここまで狂信的に支持しているのはカルトを見ているみたいだね。まったく理解に苦しむよ」

◆「ついにここまで来たか」の声も

 至極まっとうな感想だが、こうした意見はJさんだけのものではない。コロナショックをキッカケに日本を去ったHさん(女性・35歳・ノルウェー人)も、長く暮らした日本の光景に目を疑ったという。

「WTF(What the Fuck)!? 日本がアメリカに媚を売っているのは前からですけど、ついにここまで来たかという感じです。山車はイカれてますよ。そのクリエイティビティや、やる気を自分の政府に向けるべきじゃないでしょうか。ロクにコロナ対策もしないで、不正ばかり行っている政府が目の前にあるのに、わざわざアメリカの選挙について抗議するなんて、現実が見えていない気がします」

 Hさんが「ファンタジー」と語る、不正選挙などの陰謀論を支持する者はヨーロッパにもいるそうだが、ここまで熱狂的な「トラサポ(トランプサポーター)」は世界でも類を見ないという。

「郵便投票の集計でバイデン票が急上昇したことを指して、『アメリカの選挙は怪しい』という人はいますが、たいていはネットの情報を鵜呑みにした若者や、言い方は悪いですが無学な大人だけです。それも、コロナの感染者が増えているのに、外に出て街を練り歩くなんて、まず考えられません。このタイミングでこんな抗議集会が許されてることにもビックリしました」

◆「日本人はどう思ってるの?」と逆質問も

 文字通り、開いた口が塞がらないといった反応だが、それは昨年から日本に暮らすBさん(男性・28歳・フランス人)も同じだ。

「僕は熱心に日本の政治を追ってるわけじゃないけど、どうしてこんなことが起きたのかは、興味があるね。だって、アメリカの選挙に日本で抗議しても意味ないでしょ(笑)。この人たちは、山車を造ってる間に『何をしてるんだ』って一度も思わなかったのかな? むしろ、日本人の君たちがどう思ってるか知りたいよ」

 我々にもわかりません……。というのが本音だが、Bさんからは厳しい声も出た。

「言論の自由があるから、本人たちは何をしようと勝手だけど、周りの人は『おかしい』って注意してあげるべきなんじゃないかな? ニュースでも特に『デマに踊らされてる人たち』ってニュアンスは感じなかったけど、こういう人たちを野放しにしてると、アメリカでの(連邦議事堂襲撃)事件みたいなことに繋がってもおかしくないと思うよ。コロナなのにああやって集まってるぐらいだから、命知らずだろうしね」

 日本のトラサポたちは単なる「オモシロニュース」で済ませるのではなく、しっかりとした分析も必要なのかもしれない。

◆抗議集会は某「夢の国」のパレードのように……

 とはいえ、あまりにもシュールすぎる光景に思わず笑ってしまうという反応があったのも事実だ。外資系企業に勤めるSさん(男性・35歳・ドイツ人)もその一人。

「ハッハッハ、ネットで見たけど、最初は何かのMEME(ミーム)かと思ったよ。だって、ディズニーランドのパレードみたいじゃん。日本人がアメリカの国旗がプリントされたカードを持って、巨大なトランプまで作るなんて、いったい何のジョークだよ。アホすぎて話にならないね」

 笑いつつもキレキレのツッコミをかますSさん。前出のHさんと同じく、向ける矛先が間違っているとの意見も出た。

「アメリカの『不正選挙』なんかに抗議してる暇があるなら、日本で起きてることに目を向けるべきでしょう。不正、不正、不正で抗議することだらけじゃん。『中国軍がアメリカ国境に集結』なんておとぎ話を信じるぐらいだから、理屈が通じないのはわかるけど。きっと自分の頭とネット上にある、別な国に住んでるんだろうね。大人になろうぜ」

 不正選挙の陰謀説を拡散してきた著名人が徐々にトーンダウンするなか、いったいトラサポはどこに向かうのか? おそらくは黒歴史として「なかったこと」になるのだろうが、彼らの勇姿は多くの外国人の記憶に残ることだろう。

取材・文/林 泰人

【林泰人】
ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン

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