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パチンコ客の“ながら遊技”にソシャゲが目をつけた。業界初コラボの内容とは

日刊SPA! / 2021年9月2日 8時51分

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”パチンコアイドル”とソーシャルゲーム「メモリーズオブリンク」が業界初のコラボ。その背景にある理由とは?(撮影のため一時的にマスクを外しています)/撮影:あんこ

◆コロナ禍でパチンコ店に現れた「アイドル店員」

 全国のパチンコ店で「アイドル店員」という言葉が根付いたのは、今からちょうど1年ほど前(HBO:集客の活路は「アイドル店員」!? 窮地に立たされるパチンコ業界のもくろみ)、パチンコ店の広告宣伝がコロナ禍により厳しく規制される中、若手スタッフを自店のアイコンに仕立て、Twitter等のSNSの発信を通じた集客活動を始めた。

 あれから1年経った今、Twitterには「アイドル店員」を自称するスタッフらがフォロワーの獲得に躍起になり、果ては「アイドル店員」を派遣する人材会社まで現れる始末。

 業界関係者たちですら「カオス」と称する状況のなか、パチンコ店のアイドル店員の草分け的存在であり、今尚、絶大な人気を誇るのが、東京都足立区にある「ミカド五反野店」の「あんこ」(23歳)だ。

 パチンコ店のアイドル店員の中でもトップのフォロワー数を誇るあんこが業界内から大きな注目を集めるのは、その容姿や、まめなリプ返だけではなく、パチンコ店スタッフの枠を飛び越えた様々な活動がゆえ。

 例えば、コロナにより客数がめっきり減ってしまった近隣の飲食店とコラボし、その飲食店でテイクアウトすれば、あんこグッズが貰えるようにした。このグッズはミカド五反野店が周辺飲食店のために無料配布したもの。この企画があんこのTwitterで公表されると、飲食店には先を競ってあんこファンが訪れた。

 また、店内で賞品(景品)として提供している、あんこグッズの通信販売も始めた。彼女のグッズの通販を買って出たのはあのDMM.com。売れ行きも好調で品切れも続出している。店には彼女と会うことを目的に都外からも多くの人が訪れ、今までミカド五反野店はおろか、パチンコ店に入ることが無かったファンすら店に訪れることもあるという。

 そしてそんなあんこが、また業界初の取組みにチャレンジする。

◆ソシャゲとアイドル店員の融合

 今回、あんこが取り組むのが、250万DLのスマホゲーム「Memories of Link(通称:メモリン)」とのコラボである。パチンコ店のアイドル店員がメモリンの親善大使に就任し、ゲーム内で関連イベントが行われる。

 ユーザーが、イベント期間中にミカド五反野店に行けば、ノベルティグッズをあんこからもらえたり、またゲーム限定グッズを獲得(玉・メダルと交換)出来たりする。

 また店内に設置されたメモリンキャラクターの等身大パネルを撮影した写真をTwitterに投稿すればアマギフを抽選でもらえたり、期間中に行われるゲームイベントであんこに勝てば限定商品がプレゼントされたりもする。

 メモリン運営の担当者は取材に対し、「親善大使として、自社のサービスを拡げてもらうことはもちろん期待していますが、それ以上に、お店に来店されるオフラインの方と、ソシャゲで遊んでいるオンラインの方の架け橋になってもらえるような活躍を期待しています」と答えた。

◆ソシャゲがパチンコ店に注目する理由は

 当のあんこ自身は、「スマホゲームとのコラボというのはパチンコ業界のスタッフとしては初めてのことで、話を聞いた時、ぜひチャレンジしたいと思いました。親善大使になったので、一人でも多くのフォロワーの方にメモリンを楽しんでもらいたいし、またメモリンファンの方たちには、少しでもパチンコの楽しさを知ってもらいたいです」と、今回のコラボ企画を素直に喜んでいる。

 彼女の上司であるS店長も、彼女自身がチャレンジしたいと言っているし、これが彼女の成長のきっかけの一つになるのなら、全力で応援しますと目を細める。

 スマホゲーム全盛の時代である。毎月いくつものタイトルがリリースされ、同じくらいのタイトルがサービスを停止する。運営は、一人でも多くの新規ユーザーを獲得するため有名版権やキャラクターとのコラボ企画を実施する。しかしいくつかの超有名ゲームをのぞいては、有名版権との大型コラボ企画を連発出来る訳では無い。

 その中でソシャゲ側が目を付けたのが、パチンコ店のユーザー達である。

 ここ数年、パチンコ店に訪れる若者たちを見ると、そのほとんどがパチンコやパチスロの遊技をしながらスマホで別のことをしている。スマホゲームであったり、YouTubeの視聴であったりだ。

 当初はそのような若者たちの姿に眉をひそめていた業界関係者たちも、いつしかそのような行為を、「スマホを見ながら」という意味で「ながら遊技」と呼び、より快適な「ながら環境」を用意し始めた。このような若いユーザー達のスマホ文化にソシャゲ側は目を付けた。

◆ソシャゲとパチンコを同時プレイする人が主流に

 パチンコ店のアイドル店員をスマホゲームのゲートウェイにし、「ながら遊技」でスマホゲームを遊んでもらい、ユーザーがパチンコ・パチスロ遊技で勝てば、気持ち良く課金してもらう。今回のあんことメモリンのコラボは、それ自体の価値というよりは、今後の新たなビジネスモデルの構築を目的とした実験としての価値が高い。

 もし今回のコラボでメモリン運営が想定する新規ユーザー獲得目標数が達成されれば、今後はより人気のあるゲームでのコラボが企画されるはずだ。

 パチンコ店側にもソシャゲ側にも、オフライン・オンラインのそれぞれユーザーの相互交流を図り、新規ユーザーとして取り込みたい思惑がある。

 さて今回のあんことメモリンのコラボが、新たなビジネスモデルを生み出すのか。

 それともやっぱり「サービス停止」となるのか……。

<取材・文/安達夕>

【安達夕】
フリーライター twitter:@yuu_adachi

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