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現役風俗嬢がYouTuberになった理由「楽しんでいる人もいることを知ってほしかった」

日刊SPA! / 2021年9月3日 15時53分

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 現役で風俗嬢として働きながら、YouTuberとしても活動するまりてんさん。経営者として風俗店の運営に携わった経験もあり「この業界にずっといたい」と話す彼女だが、なぜ風俗という世界に飛び込んだのか?前編ではその過去に迫ったが、後編となる今回は現在の彼女を掘り下げていく。

◆「この業界を楽しんでいる人もいるんだよ」と伝えたい

――まりてんさんが勤務するお店のスケジュール表を見ると予約でいっぱいですが、YouTube配信の影響ですか?

まりてん:いえ、実は、おかげさまで配信前から指名はずっと飽和状態なんです。YouTubeは『ホンクレch――本指(編集部註:本指名)になってくれますか?』というタイトルなんですが、配信をはじめたのは指名がほしいからではなくて、キャスト以外の収入源を確立するためです。 

 ユーザーが何を求めているのか。美大時代、デザイン学部で散々勉強しましたし、就職した広告会社でも常に考えてきました。

 そうした考え方が風俗店の経営でも役に立ちました。店を譲渡し、風俗に復帰するまで働いたWeb系企業の事業部での仕事もそうです。

 どんなタイトルの、どんなコンテンツがたくさんの人に見てもらえるのか。ずっとそんな視点で物事を見てきました。

◆風俗嬢が顔を出して話す、というコンテンツはなかった

まりてん:自分の表現を見てほしい。人気者になりたい。そんな考えはまったくなくて、自分が培ってきたスキルで、YouTubeチャンネルを収益化して回してみたいと『ホンクレch』をはじめたんです。

 いままで、風俗嬢が顔を出して話す、というコンテンツはなかった。それに、一般的なメディアには、貧困で女性が学費や生活費のために、つらいけど出勤するみたいな情報ばかりですよね。

 確かにそうした人もいるんだけど、この業界を楽しんでいる人もいるんだよ、ということも知ってほしかった。そこに面白さを感じる人が一定数いるんじゃないかと思いました。

◆風俗が特殊な仕事だとは思っていない

――視聴者からはどんな反応があるのでしょう。

まりてん:女性の視聴者も多いですね。風俗業界で働いている女性もよく見てくれているみたいです。メディアの影響だと思うのですが「風俗嬢はかわいそう」というイメージを抱きながら風俗で働いている人が意外と多いんです。そういう人から『ホンクレch』を見て、仕事を楽しんでいいんだって思えた、と感想をもらいました。

 私自身は、風俗が特殊な仕事だとは思っていないので、コールセンターや派遣などのほかの接客業や個人事業主としての事業とあまり変わらない気がしています。ただ、ほかの仕事に比べて、リスクはあります。感染症も怖いし、働いているのが家族や会社にバレてしまうかもしれない。

 ただ風俗嬢といっても一緒くたにできないんですよ。どうしてもお金が必要で、という人もいれば、ただのギャラのいいバイトと割り切っている人も、私たちのように楽しんでいる人もいる。

 それに、風俗って接客業じゃないですか。お客さんの望む女性を演じると言えばいいかな。割のいいバイトと思っている風俗嬢でも、相手に合わせて「奨学金の返済が大変で……」って言ったり、お金のためにイヤイヤ働いているのに「エッチが好きで」と演技したりするケースもある。だから実態とイメージが合わないのかもしれませんね。

◆傷つきやすいシーンは確かに多いが…

――風俗店の経営も経験したまりてんさんらしい視点ですね。

まりてん:一度、海外のマジメ系YouTuberにインタビューを受けたんですよ。インタビューのコメント欄には「楽しそう」って感想が多かったんですけど、「この子は笑っているけど、本当は精神的に病んでいる」という書き込みもあって……。私自身、そうかもしれない、と落ち込んだこともありましたけど。

――風俗には精神的に不安定な女性が多いイメージがありますが、それも先入観ですか?

まりてん:そういう子も少なからずいますね。サービス業、接客業の極みみたいな仕事なので、傷つきやすいシーンも多いし、短時間に高収入を得られるから、精神的な問題で長時間働けない人たちが集まるという背景もあるかもしれません。でも、それも、コールセンターのクレーム処理の人が精神的にまいってしまうのと同じ現象じゃないですかね。

 その意味でも、風俗をふつうの仕事と同じと捉えて、YouTubeの収益で組織化して、いろいろ新しいことをしていきたいと考えているんですよ。

◆本当に解消してほしいのは必ずしも性欲とは限らない

――新たに展開を考えている事業も風俗関係ですか?

まりてん:そうです。風俗嬢のスキルアップのための講習会を開いたり、風俗で働く人のお悩み相談を請け負ったり、ということもはじめています。悩み相談も深刻なモノからフワッとした話まで、いろいろ寄せられて面白いですよ。

――指名が飽和状態とおっしゃっていますが、話を聞くと、性的な欲求だけでなく、まりてんさんとのコミュニケーションを楽しみたくて指名する客も多そうですね。

まりてん:私の場合は、一般的な風俗嬢とアプローチが違うのかもしれません。子供のころ新興宗教を経験した影響で、人間に対する興味と関心が原点にありますから。このお客さん、こんなふうに話してるけど、本当は何を考えているんだろう、っていう視点が常にどこかにあるんです。

 お客さんも、基本的には、性的なサービスを受けにきているのですが、本当に解消してほしい部分って、必ずしも性欲とは限らないんですよ。特に定期的に通われる常連の方は、心に何かを抱えているケースがある。私は、そこをどう紐解いていくかを目指しているんですよね。それが、指名していただける理由かもしれません。

◆風俗で働いてから、母の弱さがやっと理解できた

――原点にある新興宗教の経験を、いまはどのように受け止めているんですか?

まりてん:母が新興宗教にハマったのって、私が小3で、9歳のときなんです。私は3姉妹の一番上なんですが、下の妹が1歳で急逝してしまって……。それが引き金になったんだと思います。学校の友だちとも遊んじゃダメで、長老と呼ばれる人のうわべだけの言葉をずっと聞かされ……。高校時代は、いつ実家との縁を切ってやろうか、と思っていました。

 でも、風俗をはじめてから、母の見方が変わりました。風俗は、男女が密室で密着してコミュニーションをとるでしょう。短時間で距離が縮まって、本音が出やすいんだと思います。お客さんが私の前で泣くシーンを何度も見ました。そこまでいかなくても、弱音を吐いたり、愚痴ったりする。

 風俗で働いて、大人も弱いじゃん、人間って全然正しくないじゃん、って実感できたんです。そのとき母の弱さがやっと理解できた気がします。

 小学生のとき、家に帰ると母が妹の写真の前で泣いていることがよくありました。相当落ち込んでいたんだと思います。そんな母が、新興宗教の集会に一生懸命に通い出した。子供心に「これでお母さんが元気になるんだな」って感じていたから、小学、中学時代は、イヤだとも言わずにガマンして従っていたんです。

 母は、宗教に救われた。だから別に宗教を否定するつもりはないんです。

 ただそう考えられるようになったのは、私が宗教から逃げることができたからだとも思います。新興宗教のなかって、狭くて、正しい人たちがたくさんいるんですよ。そこを飛び出し、ドロッとした人間くさい風俗の世界に居心地の良さを感じてしまった。自分の居場所を見つけられたからこそ、いまこうして楽しく生きられているのかもしれませんね。

【まりてん】
愛知県出身。美術大学卒業。新興宗教家庭にて、娯楽や交際を抑制された生活下で幼少期を過ごす。大学入学で一人暮らしを始めると同時に性生活が一気に乱れ、自然な流れで風俗嬢デビュー。都内の広告制作会社への就職を機に上京。いったん風俗を引退するものの、再度性生活が乱れて復帰。2016年11月に池袋にてデリヘルを開業し、約2年半経営者として風俗店の運営に携わる。その後、一度風俗業界の表舞台からは姿を消し大手事業会社にてWebプランナーとして働くも、「やっぱり風俗が大好き」という思いが捨てきれず、2019年12月にデリヘルにて顔出しキャスト復帰。

(聞き手・構成=岡田裕蔵)

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