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なぜエンディングノートは3冊いるのか? お葬式のプロが教える書き方

日刊SPA! / 2021年9月13日 15時51分

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写真/PIXTA

 誰にでも「そのとき」はやってくる。明日かもしれないし、20年後かもしれない。大切な家族や友人のためだけでなく、自分自身を見つめ直すことにもつながるエンディングノート。最近では新型コロナウイルスの影響で、若い人たちの間でも関心が高まっているという。

『日本一笑顔になれるお葬式』を上梓したクローバーグループ「小金井祭典」代表の是枝嗣人氏は、葬儀社「小金井祭典」などを運営するかたわら、終活相談などライフサポートにも取り組んでいる。基礎知識からNG例まで、お葬式のプロがオススメするエンディングノートの書き方を紹介する。

◆エンディングノートはあくまでも「お願い」

 エンディングノートは遺言書ほどハードルが高いものではありません。お金に関することから、SNSのID・パスワードなどのデジタル遺品のことまで、幅広く書いてOKです。何度も書き換えをすることもできます。

 ただ、書かれた内容は、あくまでもご家族や相続人に対する「お願い」にすぎず、法的効力がないということは覚えておきましょう。

 エンディングノートには、書いておくべきポイントがいくつかあるので例を挙げていきます。

 まずは、「自分史」の振り返りです。好きな食べ物や趣味などを書いていくことで、「こんなことが好きだったな」と、自分自身の新たな発見に繋がるかもしれません。

 介護をする人がエンディングノートを見て、好みや趣味を把握するという使われ方もあるので、できる限り詳細に書きましょう。

 次に、「資産」の項目の記載です。貯蓄・保険・年金・不動産・クルマなど、洗い出してみると、思っているよりもたくさんの資産を所有している場合があります。

 もし独り身で相続人がいない場合、財産は国庫に入りますので、「日本赤十字社に300万円寄付してほしい」などと書き留めておくと、弁護士さんが入って管理してもらえる可能性があります。

 預貯金の欄にキャッシュカードの暗証番号もまとめておこうと考える方もいるかもしれませんが、万が一悪用されることを考え、エンディングノートに記載するのは口座の一覧だけにとどめ、暗証番号や銀行印は別途保管しておくほうがよいでしょう。

◆内緒にしておきたい借金も書くべし

 忘れてはならないのが「負債」について記しておくことです。

 借金は恥ずかしいという思いから、家族には内緒にしておきたいという人は少なくありません。しかし、相続放棄ができるのは相続の開始があったことを知った時から3か月以内です。残された方が苦労しないように、借金の額も正直に記しておきましょう。

「葬儀」に関する事柄も必須の記載事項です。最近では、葬儀社と生前契約をするケースが増えています。ですが、この契約が共有されていないまま、「そのとき」が訪れてしまった場合には、家族が戸惑ってしまうことも。生前契約をしていない場合は、葬儀や喪主の希望を残しておけば、お葬式がスムーズに行えます。

 また、葬儀に参列してほしい方々のリストを残しておくと、漏れなく訃報を届けることができます。小規模のお葬式を希望される場合は、誰を呼ぶか呼ばないかを明確にしておきたいです。その後、先祖代々の墓に入るか、新しくお墓を購入してほしいのか、散骨を希望するのかなど、墓地選びや費用に関することも併せて記載しましょう。

◆なぜエンディングノートは3冊いるのか

 そして、エンディングノートでは「大切な人へのメッセージ」を書くことを忘れてはなりません。

 メッセージといっても、特に難しいことは考えなくてもよいのです。ただ純粋に、出会ったときのこと、楽しかった思い出、今まで言えなかった感謝の言葉など、思いつくままに書き出してみましょう。 少々気恥ずかしさを覚えるかもしれませんが、「ありがとう」の一言があるだけで、人は嬉しく感じるものです。

 ちなみにノートの種類は、NPO法人が作成しているものがオススメです。 というのも、彼らは後見人を担当することが多々あるため、家族の思い出、仕事の経歴、認知症や寝たきりになったときにどんな介護をしてほしいかなど、故人が残したかった事柄を漏らさず把握できるエンディングノートになっているからです。

 私はセミナーでもよく言うのですが、エンディングノー トは3冊にわけ、別々に保管しておきましょう。

 自分の持病や常備薬、かかりつけの医療機関に関することなどを書いたエンディングノートは玄関先に、財産管理に関することは金庫の近くに。葬儀の希望や宗派などは仏壇の近くに、と分けておく方法です。

 こうすることで、たとえば訪問介護のヘルパーさんが玄関に置いてあるエンディングノートで常備薬や持病の確認を簡単にできますし、一方でそこには資産やお葬式の希望などは記載されていないので、プライバシーも守れます。3冊に分ければ、生前からエンディングノートを周りと共有できるのです。

◆旅立つマナー 残された家族が助かる言葉とは?

 そしてエンディングノートの最後には、託す人に向けて一筆書いてもらいたいことがあります。

「託す人へ。いろいろ書いたけど、最終的にはあなたの判断に任せます」

 この一言があるだけで、残されたご家族がどれほど助かることでしょうか。

「お葬式は派手にしてほしい」と書いてあっても、そこまで費用をかけられない場合もあります。「○○式場で式をあげてもらいたい」と書いてあっても、改装中のことだってあるでしょう。「○○さんだけはお葬式に呼ばないで!」とあっても、「あ、呼んでしまった。○○さん、美味しそうにお寿司を食べていたな……」という話にもなります。

 だからこそ、最終的には託す人に委任してあげてほしいのです。

*本稿は『日本一笑顔になれるお葬式 大切な人が亡くなる前に知っておきたい葬儀の本当のハナシ』を一部抜粋、再構成したものです。

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