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小阪由佳「“元アイドル”はキャリアにならない」悩み続けた引退後の人生

日刊SPA! / 2021年9月26日 15時53分

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元グラビアアイドルで現在は芸能人のセカンドキャリア問題と向き合う小阪有花さん(36歳)

「“元アイドル”って、一般社会では何のキャリアにもならないと身をもって知りました」

 現在は実業家として活動する小阪有花さん(36歳)が苦笑いする。旧芸名の「小阪由佳」として「ミスマガジン2004」グランプリを受賞後、数々の雑誌で表紙を飾ってきた。2009年に芸能界を引退すると、その後はもうひとつの夢だった保育業界に転身。保育助手の仕事から、保育園の経営にも携わってきた。

 グラビアアイドルとしてトップを極めながら、ときには辛酸をなめるなど、あらゆる経験を経てきた小阪さん。今後は芸能人のメンタルケアやセカンドキャリア問題と向き合い、支援する活動を行っていくという。

◆履歴書に書いても“使い道がない”経歴

「アイドルは芸能界を一歩外に出てしまうと、キャリアがあるようでないんです。履歴書にアイドル時代の仕事実績を書けば書くほどうさんくさくみえる。

 自分の経歴が次の仕事にどう役に立つのか伝わりにくい。私はとくに前職が異色すぎるという理由で、なかなか働ける保育園が見つかりませんでした」

 小阪さんは芸能界を引退後、保育の仕事に携わった。しかし、その知名度が仇となり、風評被害にも悩まされていたという。

「いざ働けることが決まった後で、白紙になったこともありました。ネット検索をすると、良い情報だけではなく悪い情報も出てきてしまう。そこで、どうしてもネガティブな話題のほうが目を引きます。

 保育園経営後も週刊誌の“誤報”まで信じられて、そのたびに説明をしたり、頭を下げたりしなければならないので、人間関係の構築が本当に大変で。信用を得るまでにすごく時間がかかりました」

◆現役アイドルの悩み相談が思った以上に深刻だった

 小阪さんは自身の経験から、アイドルのセカンドキャリアの難しさを実感した。そして、同じ悩みを抱えている現役や元芸能人たちに救いの手を述べられないか、と考えるようになったという。

「3〜4年前から若いアイドルの子たちによく相談されるようになって。芸能界は浮き沈みが激しいから、たいていは不安を抱えたまま活動している。ただ、何をどうすればいいのかわからない状態にある子が多いから、うまく芸能の仕事を続けていく方法を一緒に模索してあげたいと強く思うようになったんです」

◆自分ひとりでは力不足を感じていた

 最初は、“お姉ちゃん”のような気持ちで話を聞いてあげていた。しかし彼女たちの抱える不安や問題は、想像以上に深刻だった。助けてあげるためには、自分ひとりでは難しいとも感じていた。そして、本気で向き合うため、自分が「この人は一流だ!」と信頼できるメンタリスト講師を探し始める。

「自分の経験や人脈を活かし相談相手になることならできるのですが、もっとスキルをあげたいとも思っていました。そして、数々のメンタルコーチングの先生にお会いした結果、平本あきおさんというメンタルコーチングの先生を紹介いただきました。平本先生は、オリンピックの金メダリストやメジャーリーガーを指導した実績はもちろん、芸能人のコーチング経験もあり、信頼をおけた方だったので、志願し師事を受けさせていただくことになったんです」

◆コロナ禍でもがき苦しむ芸能関係者たち

 厚生労働省が実施した「新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスに関する調査」(令和2年9月11日~9月14日)では、コロナ禍が始まった昨年2月から調査期間までの間で、なんらかの不安を感じた人は半数にも及ぶという。また、警察庁と厚生労働省が令和3年3月16日に発表した「令和2年中における自殺の状況」によれば、2020年の自殺者数は11年ぶりに増加に転じた。 

 コロナ禍でイベントの中止や延期が相次ぎ、各メディアも三密回避の観点から撮影の機会を極力減らすような動きがあった。そんななかで、思うように活動ができなかったという芸能関係者は多いのである。

「アイドルをはじめ、芸能関係者でもコロナ禍で悩んでいる人はかなりいるようです。一般企業だと福利厚生でカウンセリングが受けられたりするけど、芸能界ってそういうのがほとんどないですよね。これから注目されることは、健康やメンタルだと思うからこそ、事務所の人間に限らず、その子のことを考えてあげられる人が必要だと思うんです。

 誹謗中傷への向き合い方とか、マネージャーや友人にも言えない悩みだってある。海外の芸能界には芸能人にはメンタルコーチがついているのに、日本にはマネージャーしかいないのはなぜなのかなって。立場上、事務所の社長には言いにくいだろうし、わがままだと思われたら仕事がもらえなくなるかも……とよぎれば、腹を割って話すことは難しいと思うから」

 気軽に不安や悩みをマネージャーに相談できるのかと言えば、人間なので、誰だって得意・不得意や相性はあるし、すぐに相談しにくいこともある。そんなときに、「業界を理解している利害関係のない人間が、客観的に現状を分析したり、心の整理をしてあげたりとワンクッションを置ける場所があれば、結果は違ってくるはず」と話す。

◆前例がないことに挑戦したい

 小阪さんが、今後の展望について目を輝かせる。

「前例がないことだけど、私の経験とスキル、平本先生のコーチングを活かして、悩んでいる子たちに寄り添ってあげたい。相談内容は、オーディションに受かるための講習や、フリーの子にはオーディション情報を提供したり、不安な時は芸能を続ける上での定期的なメンタルケアをしてあげる。セカンドキャリアを視野にいれているなら、どんな会社が良いかを一緒に考え、一緒に探してあげるなど。

 とにかく、今後の人生を一緒に考えるパートナーとなって寄り添い、自分の存在、彼女らの未来を全力で肯定してあげたいんです。

 これからも芸能界で活躍したいと自分の居場所を探し続ける人や、継続させるためにぶつかる金銭問題、続けることで増幅する将来への不安、もっと売れたいと抑えきれない願望と焦り。ほかにも、芸能人ならではの葛藤は数えきれないほどあります。私は、その全てと向き合っていきたいと覚悟を決めたんです」

<取材・文/吉沢さりぃ、撮影/藤井厚年>

【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。近著に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)がある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。『bizSPA!フレッシュ』『BLOGOS』などでも執筆。Twitter:@sally_y0720

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