セ・リーグの優勝争いが佳境に。「最終盤までもつれた過去のシーズン」を振り返ってみた
日刊SPA! / 2024年9月19日 15時50分
ブルペンの層は厚く、クローザーのスコット・マクガフを中心に、最優秀中継ぎ賞を獲得した清水昇、田口麗斗、石山泰稚、今野龍太、坂本光士郎、大西広樹などのリリーフを上手く運用。
優勝した要因と言えるのは、シーズン中は原則的に3日連続登板までとするなど、巧みなマネジメント術を見せたこと。ライバル2球団の状態が落ちてきたところで、安定した試合運びをして20年ぶりの優勝を成し遂げたのだ。
◆2024年の優勝争いは巨人が一歩リード
2024年の巨人は、9月11日のビジターでの広島に対し、初戦を菅野智之の力投で勝利。2戦目は栗林良吏を攻略し、劇的な逆転勝利した。苦手としているマツダスタジアムで連勝できたことにより、勢いにのっているのは間違いない。シーズン序盤こそ、投手と野手の運用が不安視されていたが、徐々に改善されつつある。
野手に関しては、シーズン中盤以降は大城卓三を上手く起用し、バランスがよくなったように感じられる。また、坂本勇人の衰えが顕著に現れている中で、丸佳浩の復活や岡本和真、吉川尚輝らの主軸が結果を残し続けていることや、新外国人のエリエ・ヘルナンデス、ココ・モンテスの加入が打線の起爆剤となり、得点力が向上し、起用法のバリエーションが増えたのも大きい。
投手陣は、近年安定している戸郷翔征や山﨑伊織が試合を作っているが、復活した菅野がMVP級の活躍をしているのがプラスに働いている。さらに、リリーフ陣の登板管理も改善され、シーズン途中に大勢が復帰した後は、大崩れしていない状況だ。勝負どころは、広島、阪神との2連戦が続く9月20日から23日だ。巨人からすると、この期間で一気に決め切りたいところである。
2007年、2010年、2021年の3チームの優勝争いを振り返ると、Bクラスにいるチームの取りこぼしをなくすことや、投手・野手の運用を上手くできるかがポイントである。
セ・リーグの優勝争いは、まだまだ目が離せない。
<TEXT/ゴジキ>
【ゴジキ】
野球評論家・著作家。これまでに 『巨人軍解体新書』(光文社新書)・『アンチデータベースボール』(カンゼン)・『戦略で読む高校野球』(集英社新書)などを出版。「ゴジキの巨人軍解体新書」や「データで読む高校野球 2022」、「ゴジキの新・野球論」を過去に連載。週刊プレイボーイやスポーツ報知、女性セブンなどメディアの取材も多数。Yahoo!ニュース公式コメンテーターにも選出。日刊SPA!にて寄稿に携わる。Twitter:@godziki_55
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