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「野球史上最高の日だ!」大谷翔平が「50-50」の歴史的偉業を達成するまでの軌跡

日刊SPA! / 2024年9月20日 15時48分

 水原氏は通訳兼“事実上のマネージャー”という立場を悪用。大谷の銀行口座から自身の口座へ送金するなどの不正を働き、合計60億円を超える莫大な借金を背負っていたことが後に判明した。大谷は関与を否定したが、2人の親密な関係性もあって、あらぬ疑惑をかけられたのは言うまでもない。中には「共犯説」まで取り沙汰されるほどだった。

◆“第1号”は41打席目のことだった

 アメリカ本土での開幕を前にドタバタ劇に巻き込まれた大谷が、打者一本でシーズンに臨むことに対しても、一部のファンから不安の声が上がっていた。それまで投手と打者の二刀流として過ごしてきた大谷が、“一刀流”で果たしてリズムをつかめるのか、本領を発揮できるのか、といったファンの心配だが、結果的にそれは杞憂に終わった。
 ただ、開幕直後は大谷からなかなか一発が出なかったのも事実だ。ドジャーブルーのユニホームを身にまとって飛び出した待望の“第1号”は開幕9試合目、41打席目のことだった。

◆大谷翔平は“雑音をかき消す男”

 その後は、徐々に本来の力を発揮。本塁打の量産態勢に入ったが、得点圏打率が低迷すると、「チャンスに弱い」と、粗探しをされる始末。オールスターを境に今度は盗塁の量産態勢に入ると、「記録狙いか」という声も少なからず聞こえてきた。

 さらに50本塁打が近づくにつれ、三振の数が増加傾向になると、「一発狙いがすぎる」という声まで……。

 ただそんな少数派クレーマーたちの意見は全く耳に入らんとばかりに、大谷は「40-40」を史上最速で達成すると、その後も、決して調子が良くない中で、数字を伸ばし続けた。

 9試合を残して「51-51」までたどり着いた大谷。次なる目標は当然、自身初体験となるポストシーズンを勝ち上がっていくことだろう。数々の雑音をかき消し、結果を残し続けてきた男を待つのはどんな未来か。レギュラーシーズン残り9試合、そしてその先の1か月間が楽しみでならない。

文/八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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