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「消えろ!失せろ!」父の虐待と“吃音によるいじめ”に悩んだ青年が伝えたいこと

日刊SPA! / 2024年10月25日 8時52分

「その頃は家庭内で父との関係に軋轢があったのかもしれません。病院に付き添ったのが父だったので、医師は原因を言わなかったのかもしれない」

 いずも氏が中学生になった頃から、父の日常的な虐待が始まったのだ。

「最初は、成績不良だと叱責される程度でした。だんだんと父の思い通りにできないようになると私の行動を制限するようになりました。今でも行動を制限されることにトラウマがあります」

◆「何を言ってるのか分かんねえよ!」と笑われ

 いじめは中学校3年間続いたが、同時期に父親から学校の成績が悪いと、殴られたり、蹴られたりするのが日常となった。いずも氏は親のお金を盗んでコンビニに行くなど、だんだんとグレるようになった。そして、中学校3年生の時、吃音だと本格的に自覚するようになる。

「塾の先生に学習態度が悪いと、怒られることが多かったです。後から、LD(学習障害)があることが分かりました。ある日、先生から構音障害があることから『何を言ってるのか分かんねえよ!』と笑われたのがきっかけで、吃音が出はじめました。

 のどの辺りで呼吸が止まって、呼吸ができなくなりました。どもる上に呼吸もできなくなり、びっくりしました。今、考えると、パニックに近かったのかもしれません」

◆誰にも吃音を相談できずに大学中退

 高校時代は、父親からは言葉の暴力を受ける一方、学校生活では幸せな時期だったという。いじめにも遭わなくなり、友人もいて不良行為がありながらも無事に高校を卒業できた。

 虐待されて育ったいずも氏は、親が望むように「いい高校・いい大学・いい会社」に進むことで、愛されるのではないかと思い、努力をした。その結果、私立大学の工学部に合格。父はいずも氏の大学合格を周囲に自慢するほど喜んだが、そんな大学生活にも吃音の影響で暗雲が垂れ込める。

「自分の吃音の症状を、人にうまく説明できませんでした。数学が苦手なのに、工学部に進学したことで、授業にもついていけなくなりました。学科試験も受けずに退学してしまいました」

 当然ながら父の態度は豹変した。

◆職場でのコミュニケーションができない

「『消えろ!』『失せろ!』『お前なんか何やってもできない!』と酒を飲んで怒鳴られることは日常でした。飯抜き、睡眠を妨害する。眠っていると父がいきなり入ってきて、ボコボコに殴られたこともあります」

 いずも氏には18歳の時、「広汎性発達障害」の診断が下る。大学を中退した半年後から、自動車整備工場で働いたが、吃音が原因で職場でのコミュニケーションがうまくできず、孤立。19歳の時には、OD(オーバードーズ)で自殺を図る。命に別状はなかったが、実家に帰ると父からボロカスに言われたという。

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