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純烈、デビュー15年で初の武道館へ。「俺は3年前に勝手に決めてた」酒井一圭が語る想い

日刊SPA! / 2024年11月23日 8時51分

「武道館でやるからには既存の曲だけ歌うんじゃつまらんなと。純烈の懐メロを歌うだけってなるのが嫌なのと、あのハコで鳴らすに見合う楽曲が少ないと思った。それで作家陣には、武道館でやるのを前提にオーダーしました。

 今までオリジナルアルバムを作らなかった件に関して言えば……純烈には俺と小田井さんという2人のクリエイターがいたんです。その中で作ると小田井さんの色も入れることになって、自分の色が50%ぐらいになる。つまり、俺自身のやりたい形とズレが生じる。それを純烈の枠の中でやると軋轢を生むだけだから、小田井さんがいる間は出さないほうがいい。お互いが不完全燃焼にならないためにね」

◆小田井がいたからオリジナルアルバムは出さなかった

 これはネガティブな話として受け取ってほしくないんだけどと、酒井はつけ加えた。小田井在籍時だったらオリジナルアルバムは出さず、日本武道館進出もなかったかもしれない。

 世間的にはグループのキャラクターから、いいトシしたオッサンたちが中学生のようにじゃれ合っているかのごとく見えるだろうが、純烈というプロジェクトは一筋縄でいかない。それは、エンターテインメントを提供する立場の宿命でもある。

 エンターテインメントとしてのベストを模索し、そこにしか答えは見いだせない。小田井涼平にとっての“いい形”にこだわり、卒業ロードを描ききったのは、プロデューサー・酒井一圭の最高傑作だったと、今でも思う。

◆「ラウンド」はできないが「秘策を用意してる」

 そのスタンスのまま向き合う初めての祭りの場――会場の都合により、客席を練り歩く純烈名物の「ラウンド」はできないが、「秘策を用意している」と酒井はニヤリ。日本武道館は“色気のある会場”とされるが、それは造りだけでなく、九段下からつながる坂も含まれる。

 純烈を応援し、生き甲斐とするおばあちゃんやマダムの皆さんにとってはいささかシンドい道のりだが、上りきって入り口をくぐり、扉を開けた瞬間に広がる全景を見た瞬間、疲れは吹っ飛び気持ちが高揚しまくる。

 純烈は、その快感を全国から集うお年寄りに提供することとなる。それだけでも、日本武道館でやる意義がある。

◆「坂を下れるだけの余力は残して帰ってよね」

「来る時は日中で明るいけど、終わる頃には暗くなっているんで帰りのほうが足下は心配。ちゃんと坂を下れるだけの余力は残して帰ってよねって、書いておいてください」

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