同郷・斎藤佑に憧れて…プロ注目右腕 常磐・山上 グラブの刺しゅうに込めた“責任”

スポニチアネックス / 2017年8月13日 12時34分

常磐・山上のグラブには「一騎当千」の刺しゅうが入っている

 夏の甲子園も大会中盤に突入した。取材班の一人として連日熱戦を見ているが、ふとした瞬間に、地方大会で散った選手たちを思い出し「もし甲子園に出場していたら、どうだっただろう…」と思うことがある。群馬代表の前橋育英に準々決勝で敗れた常磐の最速146キロ右腕・山上信吾投手(3年)は、その一人だ。

 1メートル83の長身から投げ下ろす速球が武器。中学時代は軟式野球の太田市選抜で全国大会3位を経験したが、当時は4番手投手兼外野手。高校入学時の最速は128キロ止まりで遊撃手に挑戦した時期もあったが、2年春から投手に専念し、急成長を遂げた。昨秋の群馬大会3回戦・渋川戦では17三振を奪って1失点完投。県8強進出の原動力となり、プロのスカウトから注目を浴びるようになった。

 日本ハム・斎藤と同じ群馬県太田市出身。斎藤が早実を日本一に導いた06年夏の甲子園は、テレビで観戦した。当時小1だった山上は、延長15回引き分け再試合となった駒大苫小牧との決勝に釘付けになった。画面の向こうには、大会7試合で948球を投げ抜いた斎藤がいた。

 「レベルが高いな、と思った。斎藤投手の気合や気迫が凄くて、見ていて伝わってきた。あれが自分の中での“高校野球”だな、と」。同郷の背番号1が聖地で躍動する姿を見て、自分も必ず同じ場所へ行くと決意した。その夢はかなわなかったが、甲子園が「憧れ」ではなく「目標」に変わった、大きな分岐点となった出来事だった。

 山上が試合で使う黄色のグラブには「一騎当千」の刺しゅうが入っている。「ピンチのときにマウンドで小さく見えることがある、と周囲に言われたので“一人で千人を相手にできるように”という意味で入れたんです」。エースとしての責任感を込めた4文字。聖地への挑戦は終わったが、次のステージでも山上を支えてくれる言葉になるだろう。(記者コラム・原田 真奈子)

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