佐々岡真司氏 失敗を一つ取り返した広島・末包と栗林 まだ試合は残っている これからも前向きに

＜広・巨＞8回、末包は勝ち越し打を放つ（撮影・西川　祐介）

　◇セ・リーグ　広島5ー4巨人（2024年9月21日　マツダ）

　【佐々岡真司　視点】広島が久々に反発力を見せた。苦戦の9月は好機で決定打を欠く展開が多かった中、8回に待望の集中打で逆転勝利。吹っ切るきっかけにしてほしい。

　特に末包は9月に入って打撃が下降。チーム失速の責任を感じていたと思う。この試合も、けん制死と拙守。新井監督が普段から言っているように若手にミスは付きもので、失敗や挫折がないまま伸びていく選手はいない。全ての経験を成長につなげていくしかない。今回一つ取り返した。まだ試合は残っている。これからも前向きに取り組んでほしい。

　栗林にも同じことが言える。4四死球を与えて2点差を守れなかった前回11日の巨人戦から10日ぶりの登板。マツダスタジアムで最初の打者に中山を迎える状況まで同じ。3ボールから立て直し、悪夢を断ち切った。

　慎重に変化球から入ってボール先行。フォークの腕の振りでストライクを入れようとするのではなく、まずはしっかり腕を振れる直球を投げ込んでほしい。それだけの威力はある。自信を持って立ち向かってもらいたい。　（スポニチ本紙評論家）