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【内田雅也の追球】大歓声が押した1―0 再び決戦の23日、天気予報は秋晴れ

スポニチアネックス / 2024年9月23日 8時1分

<神・巨>勝利に沸く阪神ファン(撮影・北條 貴史)

 ◇セ・リーグ 阪神1ー0巨人(2024年9月22日 甲子園)

 甲子園は今季最高の熱気に包まれていた。優勝に向け突っ走っていた昨年9月のようである。とにかく猛虎ファンの歓声がすごく、一投一打にわきあがっていた。

 観衆4万2635人は甲子園球場100周年の「超満員プロジェクト」で座席数を増やした7月30~8月1日(4万6831~7181人)を除き、今季最多だった。

 阪神の選手たちを後押ししていた。2ゲーム差に迫って迎えた首位巨人との直接対決。緊張も興奮も重圧も恐怖もプラスにかえていた。

 たとえば、才木浩人が無死満塁を迎えた6回表である。リードは1点。二遊間は二塁併殺の体形でゴロの併殺でも同点だった。長野久義を初球高め速球で投飛に切り、走者をくぎ付けにした。坂本勇人も同じく速球で二飛。「がんばれ」コールを受け、代打・大城卓三もまたまた速球で中飛に取り、大歓声を浴びた。

 同じ勝負の世界に生きるプロ棋士・羽生善治が音の効果は大きいと著書『迷いながら、強くなる』(知的生きかた文庫)に書いていた。<人間は視覚に認識の大きな部分を頼っていますが、一番感情に強く訴えるのは聴覚、つまり“音”だと思います>。大歓声はやはり心を揺さぶるのだ。

 スコアは1―0。よく守った。1回表無死二塁での投前バント処理では二塁走者を挟殺し、打者走者の二進も阻止して併殺に取った。一塁カバーに向かった二塁手・中野拓夢がよく戻り、二塁をカバーしていた。その中野が3回裏、菅野智之のスライダーをとらえ、虎の子の1点を記した。

 この3回裏2死二塁で巨人外野陣が敷いた前進守備に監督・岡田彰布は「相手も1点勝負と読んでいる」と感じた。4回表1死一、三塁で阪神二遊間は二塁併殺体形だったが「先に1点取ってなかったら前を守らせていたかもしれん」。つまり大一番で「こんな試合、そんな点入らんよ」と、当初から見込んでいた決着。今季の1―0は6月21日DeNA戦以来3カ月ぶり(7度目)だが、当時の貧打と今回の守り勝ちでは内容が違う。

 しびれる一戦で甲子園の大歓声は味方となる。先に書いた「超満員」の3連戦も巨人が相手で3連勝している。1ゲーム差に迫って、きょう23日、再び決戦だ。天気予報が秋晴れを伝えている。大観衆の大歓声が待っている。 =敬称略= (編集委員)

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