DeNA 牧弾で3位再浮上！2番で10戦4発 “強打の二塁手”の先輩・シピン氏に見せた23号

＜D・ヤ＞4回、ソロを放ちデスターシャする牧（撮影・島崎忠彦）

　◇セ・リーグ　DeNA6―3ヤクルト（2024年9月22日　横浜）

　大洋（現DeNA）で、もみあげとヒゲをトレードマークに「ライオン丸」と言われた強打の二塁手がいた。そのジョン・シピン氏が約20年ぶりに横浜スタジアムを訪れた試合。系譜を受け継ぐ牧が23号ソロで勝利に貢献し、3位に浮上した。

　「うまく体が反応して、角度もついて、良かった。田代さん（打撃コーチ）の友人のために打てて良かった」

　田代コーチの現役時代の同僚で、2人が再会を喜んでいたのを見てそう言った。巨人移籍後は王貞治ともプレーして通算218本塁打を放った名選手の前で快音を響かせたのは3―2の4回1死。1ストライクから高梨のカーブを豪快に左翼席に運んだ。

　「強打の2番」を託されて10試合目。今季は得点圏で苦戦していたことも考慮された。開幕時は4番も務めていた男は「最初の方は慣れない打順だったので余計なことを考えた」と戸惑ったが、前後に強打者がいることで「甘い球が増えている」と言う。この10試合は打率・378、4本塁打と好調だ。初回の左前打で連続試合安打を12に伸ばしていた。

　同学年で仲の良い山本が右尺骨を骨折し18日に手術を受けた。本拠地ではその正捕手の登場曲を使い、ともに戦う。術後には患部の写真がスマホに届いたという。「結構グロかった」と驚いたが「勝てば（山本）祐大も元気になる。だから勝ちたい」と力を込める。

　牧は昨年8月29日に甲子園で行われた阪神戦で、98年に日本一に導いた最強助っ人二塁手であるロバート・ローズ氏が来場した際もアーチを放った。三浦監督は昨年を思い出し「毎試合来てもらわないと」と笑った。

　前日は自身の送球エラーもあり、阪神に痛恨の逆転負けで4位に転落したが「チームに迷惑をかけた。打つ方で（貢献）できれば」と切り替えていた。再びCS圏内に浮上し残り11試合。主将は明るい未来を信じている。（神田　佑）