オリックス・安達 引退スピーチでの「紅林へのゲキ」はアドリブ「引っ張らないと。言ったろうと思って」

＜オ・西＞スタンドのファンに手を振って挨拶する安達（撮影・岸　良祐）

　◇パ・リーグ　オリックス2―9西武（2024年9月24日　京セラD）

　今季限りで引退を表明しているオリックス・安達了一内野手（36）が24日の西武戦で引退試合に臨んだ。

　8回先頭の打席で遊撃への内野安打を放ち、遊撃守備では堅守を披露。以下は、試合後の一問一答。

　――今の心境は。

　「スピーチに緊張してたので、今はほっとしています」

　――試合を振り返って。

　「なんか緊張しましたね。なんだろう、なんで緊張したのかわかんないですけど、なんか緊張しました」

　――最後だからこそ。

「そうですね。ああ、もう最後なんだという感情ですかね」

　――安打を放って大歓声が起きた。

　「全然わからなかったです。必死すぎて、捻挫しそうで、ちょっと怖くて。必死すぎてちょっと分からなかったんですけど、盛り上がっていました？」

　――堅守も見せた。

　「（まだ）いけそうっすね。うん、いけそうな気がしたっす」

　―遊撃を守った。

「いや、久々な感覚でしたね。やっぱ守りやすかったっすね」

　――最後に遊撃で終われた。

　「もう本当よかったです」

　――監督と話し合った。

「そうですね。監督に言いました。ショートで行きたいですって」

　―ワンプレーごとに安達コールが鳴り響いていた。

　「聞こえていました。フライを取ったあとと（中堅の方向へ）だいぶ行ってましたよね。でも、まだいけそうやな」

　―1打席目の中直に倒れた後に、この相手の好捕に拍手していた。

　「いや、いいプレーされたので、ナイスプレーみたいな。しかもノーヒットやったし。うん、向こうも必死ですしね。いいプレイだったんで、思わず出ちゃいました」

　――打った瞬間は。

　「（落ちるかな）と思いましたけどね。ちょっといつも芯で捉えないのに、ちょっと芯で珍しく捉えちゃったんで、伸びすぎちゃいました」

　――スピーチでの紅林への「先輩に頼るな」というメッセージは。

　「あいつがやっぱ引っ張っていかないと。そういうところ、しっかりリーダーシップっていうか、そういうのを発揮していってほしいなっていうのを込めて言いましたけど。全然言うつもりなかったんですけど、急に出てきて、言ったろうと思って」

　――手紙には書いていなかった。

　「書いていないです」

　――それだけ期待感の裏返しというか

「そうですね」

　――優勝するためにも紅林の力が必要。

「そうですね。あいつ結構やっぱCSとか日本シリーズとか活躍するじゃないですか、ああいう大舞台で。それなのにシーズンは、こう（好不調の波がすごく）なっちゃってるんで。普通に調子悪いときもちゃんとどっしりというか、周りを見てやってほしいっていうのはありますけどね」

　――紅林から花束を渡された。

　「ありがとうと、頑張れとは言いましたけど。あいつは何も言ってこなかったですけど。あいつらしいですけどね、そういうところなんですよ」

　――その後も特に会話はなかった。

　「ないです。でも言われているの分かっていないですよ、あいつも。分かんないですけど」

　――紅林の守備は。

　「守備範囲はそこまで広くないですけど、肩が強いので、そこは魅力ですけどね。あとはそういう周りを見ることをしっかりやってほしいですけどね。ピッチャーが調子悪かったとすると声を掛けにいくとか、そういうことをやってほしいというのはあります。流れを見て」

　――病気を克服できたのは、家族の支え、ファンの声援に応えたかったから。

　「そうですね。それしかないですね。本当に周りの人に支えてもらわなかったら今はないので、それがやっぱり一番ですね」

　―セレモニーでは源田も参加していた。

　「ありがたかったですね、あれはげんちゃんいるのは。自分もリスペクトしているんで。まあうれしかったです」

　―コーチ兼任は、1年でもう無理と思ったと離していた。

　「苦労というか、プレッシャー。やれないじゃないですかエラーとかも。やって当たり前と思われるのも、プレッシャーに弱いので自分、無理でしたっていうので言いましたけど」

　――病気の前と後でプロ野球選手としての価値観は変わったか。

　「それは全然変わりましたね。前までは結構練習していたつもりなんですけど、あとは病気になってからオンとオフやる時はやる、休む時はしっかり休むということを学びましたし、逆に病気になってなかったらここまでできていないのかもしれないっていうのは自分でも思いますかね。結構、やっぱりそういうファンの声援がすごい力になったので。病気になって良かったというのはありますけど、まあいい方向には行ったと思います」