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オリ・T―岡田は義理堅い男 結婚式に小学時代の恩師招待

スポニチアネックス / 2024年9月25日 7時6分

<オ・西>家族とともに場内を1周するT-岡田(撮影・北條 貴史)

 ◇パ・リーグ オリックス2―9西武(2024年9月24日 京セラD)

 【記者フリートーク】嫌な予感は的中した。9月某日。T―岡田から久しぶりに電話がかかってきた。「嫌な知らせか?」と問う私に、電話の主は「そうです。引退することを決めました。本当にお世話になりました」とすがすがしい声で報告を受けた。

 T―岡田を取材した期間はわずか2年間だった。それでもオリックス担当を離れた12年以降も毎年、春季キャンプ前日には必ず連絡がきた。当然、今年も「いい準備をして、いい仕事ができるように頑張ります」と決意の言葉が届いた。義理堅く、律義で真面目な性格は変わることはなかった。

 15年オフには結婚式にも招待された。披露宴の同じテーブルには高校時代の恩師、担当スカウトらだけでなく小学時代の恩師の姿まであった。プロ野球選手として名声を得ても人を大切にする素晴らしい人間性を感じた。「今日はありがとうございました。堅苦しい席で申し訳ありませんでした」。披露宴が終わった夜には、私なんかにも気遣いの連絡があった。そんな人柄にほれた。

 一方、選手としては頑固者でストイックだった。体のために酒は飲まず、外食先では揚げ物には一切手を付けなかった。数人での会食後も決まって「僕、車なんで送りますよ」と言ってくれたことは数回どころではない。心優しき浪速の大砲。欠点は優しすぎるところだろうか…。

 「引退するときは必ず連絡します」。そう14年前に言った言葉も忘れていなかった。日課の素振りの影響と捕球時の衝撃で右手人さし指はいつも腫れていた。その“職業病”は癒え、元に戻った指を見て引退を実感した。ただ、努力の証である豪快なアーチと、人間性がにじみ出る笑顔は今後も私の記憶から消えることはない。(10~11年オリックス担当・山本 浩之)

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