【鳴尾浜の思い出】“1期生”田中秀太コーチ「ドロドロになるまで練習」
スポニチアネックス / 2024年9月26日 5時17分
阪神2軍は25日のウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦で鳴尾浜球場での最後の公式戦を終えた。1994年秋の開場から「虎の穴」として数多くの選手を輩出し、来年3月に尼崎市内の新拠点へ移転する。“鳴尾浜1期生”の田中秀太2軍内野守備走塁コーチ(47)が思い出を寄せた。
1995年1月、阪神大震災があった頃に入寮した。震災の影響でグラウンドが隆起していたことを覚えている。5年ほど虎風荘に住み、先輩と部屋で話したり、ゲームをしたり、お酒を飲んだり…。楽しかった。
練習はきつかったけど、同世代の選手もいたし、休みの日にはタクシーで買い物に行くなど、今の寮生とあまり変わらない生活。若い頃は厳しくされた思い出しかない。ドロドロになるまで練習。当時は上下関係も厳しかった。
2010年からはスカウトになり、入寮させる側に回った。入寮日は新人に自力で虎風荘まで来させる。何駅で電車を降りて、タクシーで来てください、と説明して出迎え。直前には親御さんを寮の見学会に案内し、入寮後に車に乗せて、皆で電化製品や生活用品を買いに行くのが恒例だった。
21年からは2軍コーチ。昔と今の子は違うので野球のことではあまり怒らない。たとえばエラーは仕方ない。打球を止めないといけないのに止める気がなかったり、あいさつができていなかったり、そういうことでは厳しく言う。野球は一生懸命やるけど、もっと大事なこともあるから。
来年から尼崎に移転。室内練習場の空調設備なども練習環境は良くなる。あとは選手がどれだけ自覚を持ってやれるか。大事なのは「やらされる練習」じゃなく、いかに自分でやるか。環境だけではなく選手の意識も高くなってくれたらいい。
(阪神2軍内野守備走塁コーチ)
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