巨人・井上温大 白星逃すもお立ち台でニッコニコ「大城さんのリードを信じて」「大城さんのおかげ」

＜巨・中＞ヒーローインタビューでポーズを決める通算1000安打達成の岡本和（左）と力投した井上　（撮影・西川祐介）

　◇セ・リーグ　巨人3―1中日（2024年9月27日　東京D）

　巨人の5年目左腕・井上温大投手（23）が27日の中日戦（東京D）で今季15度目の先発登板。5回で94球を投げて自己最多タイの9三振を奪い、3安打無失点と好投した。

　打線の援護に恵まれず、球数がかさんだため0―0で降板。今季9勝目を手にすることはできなかったが、試合後にはいの一番でお立ち台に呼ばれ、まだ幼さの残る笑顔を振りまいた。

　インタビュアーから好投を祝福されると「ありがとうございま～す！」とこれまで通り、ファンを癒す可愛らしい声で第一声。大事な試合での先発について「いやもう絶対に勝ってやるんだっていう気持ちを持ってマウンドに上がりました」とまずは振り返った。

　初回、1番・岡林を一ゴロに打ち取るも岡本和がファンブル（記録は失策）して塁に出し、犠打などで2死三塁となってから連続四球を与えて満塁といきなり満塁の大ピンチ。だが、巨人戦に強い宇佐見をワンバウンドするスライダーで空振り三振に斬って得点を許さず、ベンチの阿部慎之助監督（45）も拍手して若武者を称えた。

　「結構危なかったですけど、大城さんのリードを信じて投げ切って抑えられたので良かったです」。4試合連続で先発バッテリーを組んだ大城卓三捕手（31）にこの日も感謝。

　2回、5回と3者連続奪三振というイニングが2度あり、投球回は5回ながら自己最多タイの9三振を奪って無失点だったことについて聞かれた時も「いやもうホントに大城さんのおかげだと思うんで、はい。感謝したいです」と笑みを浮かべながら“ハルタク”コンビを組む先輩の好リードに感謝しまくった。

　今季9勝目を手にすることはできなかったが、昨季は0勝1敗で、昨季までプロ4年間で通算1勝。今季8勝はチームでは14勝（3敗）の菅野、12勝（8敗）の戸郷、9勝（6敗）の山崎伊に次ぐ数字で、大飛躍の2024年となった。

　激しい優勝争いのなかに身を置き、成長しながら結果を残し続けている23歳。主に2軍で投げていた1年前と比べ「去年までだったらあり得ないぐらいのお客さんの数で試合をやらせてもらっているんで。本当にうれしいです」と目尻を下げた。

　0―0で降板したあとも「いやもう、頑張って1点取ってほしいなと思って応援していました」と振り返り、今後に向けては「任された試合は必ずゼロで抑えて、チームの勝利につなげられるように投げていきますので応援よろしくお願いします！」と巨人ファンに向かってブルペン入りも辞さない構えを宣言し、スタンドから盛大な歓声と拍手を浴びていた。