元十両・朝弁慶が断髪式「幸せな相撲人生だった」今後は役者として活動 ドラマ出演も既に決定

＜朝弁慶断髪式＞師匠の高砂親方（左）の止めばさみで大銀杏に別れを告げる朝弁慶（撮影・前川　晋作）

　名古屋場所限りで現役を引退した大相撲の元十両・朝弁慶（35＝高砂部屋）の断髪式が29日、東京・両国国技館の地下1階大広間で行われ、約350人がはさみを入れた。

　神奈川県平塚市出身の朝弁慶は、200キロ超えの巨体を生かしたパワフルな押し相撲で活躍。“湘南の重戦車”の異名を取り、十両を8場所務めた。この日、師匠の高砂親方（元関脇・朝赤龍）の止めばさみで大銀杏に別れ。「17年間つらいことや悔しいこともあったけど、今日こうして皆さんに来ていただいて、幸せな相撲人生だったと思います」と感極まりながらあいさつした。

　17年間の相撲人生を振り返り「これで終わったんだなと、寂しいですね」としみじみ。断髪式の終盤、親族や部屋の力士たちにはさみを入れられたあたりから「こらえていたけどこらえ切れなかった」と涙を流していた。

　2020年に結婚していたことと、2歳の娘がいることを公表。今後は、外国人観光客向けの相撲のショーに出演したり、ドラマにも出演したりとタレント活動を行うという。10月放送予定のドラマ「孤独のグルメ」（テレビ東京系列）にも出演し、既に撮影を終えていることも明かした。

　◇朝弁慶　大吉（あさべんけい・だいきち）本名＝酒井泰伸。1989年（平成元年）2月12日生まれ、神奈川県平塚市出身の35歳。2007年春場所で初土俵。2015年九州場所で新十両昇進。2018年夏場所中に右膝の半月板を負傷。三段目転落を経て2020年7月場所で十両復帰を果たすも、その場所を最後に関取の座から遠ざかった。今年夏場所からは休場が続き、名古屋場所中に引退を発表した。関取在位8場所。自己最高位は西十両7枚目（2016年名古屋場所）。通算成績384勝359敗32休。身長1メートル91、体重186キロ（引退時）。