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槙原寛己氏 台湾の決勝の“勝負手”封じた辰己の流し打ち

スポニチアネックス / 2024年11月24日 5時2分

<日本・台湾>6回、王志ケンから2点適時二塁打を放つ辰己(撮影・光山 貴大)

 ◇WBSCプレミア12 スーパーラウンド第3戦 日本9―6台湾(2024年11月23日 東京D)

 【槙原寛己 視点】お互い決勝進出が決まっていた中での試合。腹の探り合いの展開で、注目したいポイントがあった。2点差に迫られた直後の6回の攻撃。1死一塁。左の佐藤の打席で台湾は王シケンを投入してきた。左封じのスペシャリスト。1次ラウンドの日本戦では佐野を見逃し三振に打ち取っている。

 佐藤が詰まりながらも王のツーシームを左前に落として1死一、三塁。ここで辰己。2―2から外角に変化するツーシームを左翼線に運んだ。辰己はボールを引きつけて逆方向に強い打球を打てるのが特長。今大会はその逆方向の当たりが際立っている。これで2点を追加。大きいのは王を左2人で攻略したことだ。台湾ベンチは決勝で王を切り札として使いたかったはずだが、左打者に反対方向へこんな打撃をされたらたまらない。決勝で王の投入をためらうだろうし、一つの勝負手を封じたことになる。

 運命の決勝。当たり前だが先に点をやらないことだ。日本に連敗しているといっても台湾の打撃はいいし、一発の破壊力もある。前半、走者のいるときに一発を浴びて複数点のリードを許すと展開が重くなる。それだけが怖い。僅差で戦えれば日本の攻撃力なら何とかなる。8、9回は藤平と大勢がいる。戸郷ができれば6回まで投げてもらえれば、優勝への道筋は見えてくる。(スポニチ本紙評論家)

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