話題映画で注目ヒロイン「強い目が魅力的」母との約束守り22歳遅咲きデビュー 独特の努力法明かす

注目女優の松田有咲

　苦節30年の俳優・渡辺隆二郎（56）が初主演を果たして話題の映画「Good Dreams」（監督井上竜太）で、ヒロインを演じた若手女優・松田有咲（25）が注目されている。映画関係者からは「遅咲きのデビューの女優さんだが、ちょっとした仕草や表情で心情を表現し、難しい役どころを見事に演じていた。特にその強い目が魅力的」と絶賛する声が上がっている。

　東京の下町・亀戸を舞台に、渡辺をあて書きした売れない役者りゅうちゃんが人助けのために奔走する姿を描く物語。松田は光を感じる程度の弱視の女性・リンちゃんを演じた。お人好しのりゅうちゃんが、リンちゃんに見せる不器用な優しさが見る人の涙を誘う。

　同作は豊洲などシネコンでの上演は終了したが、好評のため、13日から東京都墨田区菊川のミニシアター「ストレンジャー」での上映が新たに決まった。

　好演を見せた松田は兵庫県出身。大学4年生の2021年11月に「週刊ヤングジャンプ」（集英社）ヤンジャン×美少女図鑑共同プロジェクトの輝く原石を発掘する「美少女mining」に選出されたことがきっかけでデビュー。幼少期から女優に憧れ、ミュージカルやダンスを習っていたが、「大学を出るまでは学業に専念してほしい」という母親との約束を守り、10代で芸能事務所に所属する女優が多い中、22歳でのスタートとなった。

　周囲の評価は努力家。自身も「遅いスタートになっているのでより一層頑張らないと…」とひたむきに研さんを積んでいる。ミュージカル好きだけに自宅に飾ってあるのは「ライオン・キング」シンバのぬいぐるみ。それを相手にセリフの自主練のほか、演技レッスンを続け、さらに山崎育三郎や阿部サダヲら自身で真似したい俳優の目の動きを“研究”しているという。「山崎さんのミュージカルを見に行く時もオペラグラスで目を見ています。ドラマや映画では阿部サダヲさんの目の演技を繰り返し見て研究しています」

　アクション作品からの依頼にも備え、総合格闘技も習っている。「見てくださった方の心に残る女優になりたいと思っています」。人々の熱視線を集める女優－－。松田の目にはそんな自身の未来の姿が映っているようだ。