ソチ開会式で失敗した演出担当者が殺害されるというニュースはデマだった

秒刊SUNDAY / 2014年2月19日 10時47分

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ソチでの冬季オリンピックの開会式で、演出のミスが起こったことは皆さんご存じのことでしょう。アニマトロニクスの技術を使った手法で、5つの雪の結晶の形が五輪マークに変化するという演出をする予定になっていましたが、その表示がうまくいかず、雪の結晶が1つだけ変形せず、アメリカ大陸を示す輪を表示することができなかったというハプニングです。
この演出を担当していたのはボリス・アヴデエフさんという方ですが、この人がなんと翌朝ホテルの部屋で死体となって発見されたということがネットで話題になり、開会式でのハプニングに加えてさらに大きな反響を呼びました。

アヴデエフさんの身体はずたずたに切り裂かれ全身に複数の刺し傷とあざがあり、人と争った形跡が見られましたが、捜査を担当した主任捜査官は、滑って複数のナイフの上に転んだものと判断し、犯罪性はないとして事故死扱いしています。そして、ロシア当局はアヴデエフさんがロシアを陥れるために演出の失敗を装ったのだと考えており、ロシアを裏切った者には事故が待っているのだと言っています。

ところが、同じホテルに泊まっていた複数の別の利用者が、夜中の3時頃に上の階で人が争っているような大きな物音が聞こえたという証言をしているのです。カナダのボブスレー代表であるガイ・ラフルール選手(2つ下の階)がフロントに電話したところつながらず、物音がした部屋に行ってみると、3人の大男が部屋から出てきたと語っています。その男たちに何かあったのかと尋ねると、部屋に戻るように言われたといいます。翌日になってその部屋に宿泊していた男性が死亡したことを知り怖くなり、警察に事情を話すと、目撃した内容は忘れろと言われ、脅されたそうです。

報道によると、プーチン首相は開会式でのミスに明らかに動揺しており、激怒し担当者に対する報復を企てたのかもしれないとされています。プーチンはメディアの質問から逃げるように急いでヘリコプターでスタジアムを後にしたそうです。世界中から注目を浴びるオリンピックという国家の威信をかけた場での恥ずかしいミスは、プーチンにとって受け入れ難い事態だったのかもしれません。

実際、ロシア・オリンピック委員会のアレクサンドル・ズコフ委員長はプーチン首相について、ロシアを死ぬほど愛しており、ロシアに対する強い責任感を持っていると言っています。また、もしプーチンが開会式でのハプニングに恥をかいたと感じているのなら、担当者に責任を取らせるために何をするかはわからないと言っており、ボリス・アヴデエフがロシアの威信を失墜させ、当然の報いを受けたのだと断言しています。

っと、ここまでが開会式でのミスに関する一連の報道内容なのですが、実はこれは全てウソであり、デマだったのです!!

こういう陰謀論的な言説はマユツバ物であり、最初から疑ってかかって、真偽を確かめることが大事ですが、今回はその典型なのではないでしょうか。

このニュースを報道した海外の情報元は『The Daily Currant』という風刺や皮肉を売りにしたウェブ新聞であり、実はこの新聞は英語版の虚構新聞なのです!! この新聞の自己紹介サイトを見ると、自らのミッションについて、進歩を妨げる臆病な無知をあざ笑い、知性を伸ばすことだと宣言しています。そして、創設者兼編集長のダニエル・バークレー氏のインタビューが掲載されており、同氏はその中で、『The Daily Currant』が報じている記事の内容は事実なのかという質問に対して、虚構だとはっきりと答えているのです。

Q. Are your news stories real?

 A. No. Our stories are purely fictional. However they are meant to address real-world issues through satire and often refer and link to real events happening in the world.

実は、英語版の虚構新聞はこれだけではありません。NAVERのサイトに『「うそニュース」に気をつけろ! 海外版「虚構新聞」のリスト』と題して、詳しい情報が掲載されているので、こちらを要チェックです! 皆さん、海外の虚構新聞に基づいた日本語記事にはくれぐれもお気をつけて!

参照
http://dailycurrant.com/2014/02/08/man-responsible-for-olympic-ring-mishap-found-dead-in-sochi/

(ライター:カズ)

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