【食べて、飲んで、旅をして2】山梨の鶏舎で農場体験とレモンイエローの卵かけご飯
TABIZINE / 2020年11月24日 15時0分
海外旅行と飲酒が趣味で、ナイトスポットから子連れ旅まで、さまざまな旅を経験してきた作家・大泉りかが、旅の思い出を気ままに綴ります。今回は、山梨県北杜市への旅です。
友人が移住して営む鶏舎へ
ここ数年、東京を離れて地方へと移り住む友人が増えてきました。鹿児島の離島、佐賀の山村、静岡の港町……移住先を尋ねると、「どういう由縁があってそこに!?」と二度驚くことも多々ありますが、緑が目に眩しい森林、広々と開けた原っぱと高く抜けるような青空、どこまでも透明な人のいない海、手入れのされた古民家でのんびりと昼寝する猫……友人のSNSにアップされる風景に、これまで知らなかったその土地の魅力を知り、「訪れてみたい」と思うこともしばしば。
というわけで、今回の旅の目的地は、東京から車で約2時間の場所にある山梨県北杜市。ここに東京から移住した友人、徳光康平さん・麻由子さん夫妻の営むケージフリー&フリーレンジの鶏舎「ROOSTER(ルースター)」があります。
ROOSTERがオープンしたのは2016年。欧米基準の動物福祉を目指し、平飼いで鶏の飼育を行っている牧場です。ファームワーキングショップも行っていて、農場体験(1時間2,000円お土産に卵1パック付き)や貸し切りでキャンプ(1名5,000円、お土産に卵1パック付き)、バーベキューを楽しむことも可能だそう。
こんな広々とした農場で1日過ごしたら、都会で溜まった疲れとストレスがすべて消えてくれそうです。
農場内では、五頭の山羊が放し飼いになっています。やたらと愛想がよく、人間を見つけると近づいて身体を擦りつけてくれる山羊たち。当たりの草を引っこ抜いて口元に持っていくと、むしゃむしゃと食べてくれるのもかわいく、毛は真っ白で綺麗。思う存分に触れ合わせてもらいました。
キャンプ利用する場合には、テントや寝袋、調理器具といったギアの持ち込みが必要ですが、トイレ、手洗い場、緊急避難用のトレーラーハウスが用意されているので、安心&快適。しかも1日1団体貸し切りなので、「キャンプに来たのに密でトイレが大渋滞」「夜中まで隣が大騒ぎしていて、眠れない」なんてこともありません。
隣接して清流が。もちろん水は透き通っていて綺麗です。初夏は蛍、夏はクワガタといった虫たちを見ることもできるそう。
こちらが鶏舎。狭いケージでの養鶏に比べて、平飼いは手間がかかるそうですが、素人目に見ても、鶏たちが好きに動き回り、太陽の光を浴びている様子はやはり健康的。ちなみに鶏というので、てっきり白色のものを想像していたのですが、ROOSTERで飼育している「岡崎おうはん」は白黒のツートンに赤いトサカがオシャレな雰囲気。卵黄が大きく、濃厚な味わいが特徴だとか。
鶏といえば、小学校の校庭の片隅に飼われていたのがものすごく狂暴で、近づこうものなら素早い動きでもってクチバシを突き出して襲ってくるイメージしかなかったのですが、こちらの鶏たちはとても穏やか。小屋の中に入っても、どこ吹く風で好き勝手しています。
この子たちが生んだ卵がこちら。それぞれ産卵の時は、小屋内の半個室に籠って生むのだそう。ひとつひとつ手で拾って収穫しています。わたしもプチ農場体験をさせてもらいました!
縁もゆかりもない山梨に移住を決めた理由
卵を拾い集めるとまとめて作業場へ。ところで、妻の麻由子さんは愛知県出身。一方で夫の康平さんは大分県の生まれ。ともに東京に上京し、そこで出会って結婚。山梨へと移住を決めたそうですが、なぜ縁もゆかりもない山梨に移住を決めたのでしょうか。
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Posted @withregram • @doggywaters 好きな音楽、いま観てるネットフリックス、みたいな温度で食を語りたい!! そんな視点から企画した3つのトークセッション。 野菜やワインを手に取りながら、参加してみては? #Repost @hearthkitchen @download.ins --- Hearth Kitchenでは、農家、料理人に加え、ミュージシャン、アーティストなどのクリエイターなど食とは異なるフィールドで活躍する方々を迎えたトークセッションを開催。ふだん何気なく口にする食材や食事の時間を多様な視点から見つめなおしていきます。 Talk 2 🌱 13:15–14:00 『農業を通して見えてきた 自分で生きること・つながりの中で生きること』 miu (Model) @_miugram_ 徳光 康平 (Rooster) @roosterhenhouse 食べることも料理をすることも大好きなモデルのmiuさん、コロナ自粛期間をきっかけに農業に興味をもち、実際に平飼い卵の養鶏農場Roosterを営む徳光 康平さんのお手伝いにも行かれています。一方2011年の震災をきっかけに北杜市への移住を決めた徳光 康平さん。アパレルスタッフ・バンドマンから農家へ転身した徳光 康平さんとmiuさん両者の視点から、農業を通じて見えてきた 生きること についてお話いただきます。 《TALK SESSION》 Talk 1 🌞 12:00–12:45 『コロナ自粛期間中のキッチン 空間と楽しみ方』 Kotsu (DJ) ery (Illustrator/Designer/Artist) 田井 將貴 (Kabi シェフ) 大森 澄也 (Kabi ソムリエ) Talk 2 🌱 13:15–14:00 『農業を通して見えてきた 自分で生きること・つながりの中で生きること』 miu (Model) 徳光 康平 (Rooster) Talk 3 🧡 14:30–15:15 『食のものづくりと表現 食を作ることと伝えること・受け取ってもらうこと』 石毛 康高 (Crazy Farm) 安田 翔平 (Kabi オーナーシェフ) 江本 賢太郎 (Kabi オーナーソムリエ)
「もともと狩猟と農業をしたかった。山梨を選んだのは、雄大な自然なのに田舎すぎないから。都内へのアクセスが容易で、移住者も多い。自然災害の少なさも移住を決めたポイントのひとつです」(康平さん)
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ルースターから車で5分ほどのところにある美味しいジェラート屋さん、麓ジェラートが「初夏のプリン」味として、ルースターの卵を使ってくれています。えんどう豆と合わせるなんてめちゃくちゃ美味しそう〜!明日までなので皆様ぜひ食べに行きましょう! 仕事の合間にちょくちょくお邪魔していますが、何食べてもほんと美味しいです。 #麓ジェラート #rooster卵 #平飼い卵
「もともとはWebデザインをやってたので、ネットがあればどこでもいいやと思ってました。当時、子どもが2歳になって復職を考えてもいたんですが、都心部の保活戦争で生き残れる気がしなかったので、地方への移住はメリット有りと判断しました。山梨の魅力は、ありきたりですが、空気が違う!海が遠いからか、風がさわやか。でも都内へは2時間以内とアクセスの良もいい。案外、コンビニや美容院もあって不自由はしないです。養鶏については、とりあえず夫のやりたいことを手伝ってる感覚なので、養鶏に特にやりがいは感じていませんが、狩猟には楽しみがあります。私は育てることより、採取するほうが向いてるなあと思っているので」(麻由子さん)
https://www.instagram.com/p/CE_At4rM9U2/?utm_source=ig_web_copy_link
農業の傍ら、ふたりとも移住後に猟銃免許を取り、鹿や猪、鴨などの狩猟を行っているそう。自分たちで捌き、肉は食用に、毛皮や頭蓋骨を加工して作品を作る等、新たな趣味も広がったとか。
「食べることは、命をいただくこと」
収穫した卵はぬるま湯で洗った後、サイズごとに仕分けてパッキング。ピカピカのつやつや!なんとなく親近感が湧くのは、自分で拾い上げたからでしょうか。なにより、やったことのない作業は楽しく、今さらながら「食べることは、命をいただくこと」だとしみじみと実感しました。
パッキングした卵がこちら。ROOSTERではもちろんのこと、山梨県内の道の駅などでも買うことができますし、ネット通販で手に入れることも可能です。
せっかくの新鮮な卵。生で味わうならやっぱり卵かけご飯に決まり。というわけで炊きたてご飯の上にトッピング。見てください、この黄身の盛り上がり方!こんなに鮮やかレモンイエローの黄身、初めてです。
移住に思い切るには、なかなかの決意が必要ですが、自然に癒やされたいと思った週末、ちょっと足を延ばして山梨北杜市のROOSTERを訪れてはいかがでしょうか。雄大な山々や澄んだ空気、山羊や鶏たちからパワーをもらえることと思います。
ROOSTERのHP。農場体験やキャンプのお申込みはこちらからどうぞ。
>>>https://www.rooster-henhouse.jp/
[All photos by Rika Oizumi]
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