【フランス】かつて芸術家たちが愛した「カフェ・ド・フロール」

TABIZINE / 2015年5月3日 16時0分

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【旅ブログキュレーションメディアHUGLOG(ハグログ)より寄稿】

パリに降り立ったのは、まだ陽の登らない早朝5時過ぎであった。私はすぐさまシャルルドゴール空港内、RERの駅のすぐ上にある荷物預けカウンターでスーツケースを預けると、Paris Nord駅に停まる列車に飛び乗った。

【フランス】かつて芸術家たちが愛した「カフェ・ド・フロール」

なぜなら、ザグレブへの乗継便までまだ7時間ほどあったからだ。7時間という時間は、乗継中にパリ市内に出て帰って来るためには、まあまあの時間である。

【フランス】かつて芸術家たちが愛した「カフェ・ド・フロール」

Paris Nord駅からはメトロに乗り継ぎ数駅で目的地だ。空港からは小一時間で到着する。

【フランス】かつて芸術家たちが愛した「カフェ・ド・フロール」

目指していたのは、サンジェルマンデプレにある一軒のカフェだった。「カフェの無かったパリなんて想像できる?」以前誰かがそう言っていたが、かつてカフェには名立たる作家や画家たちが集い、なるほどパリのカフェからは文学、芸術、様々な文化が花開いていった。そんなパリのカフェ黄金時代を生きてきた老舗が、ここサンジェルマンにある。

ひとつは、カフェ・レ・ドゥ・マゴ。かつてはランボーらの待合せ場所となり、イ・アラゴンが通いつめてシュールレアリズムを生み出した。ピカソ、ヘミングウェイも常連だったという。

【フランス】かつて芸術家たちが愛した「カフェ・ド・フロール」

そしてもうひとつが、本日の目的、カフェ・ド・フロール。こちらもマゴと同じく文学家、芸術家のたまり場となり、伝説の文芸・美術雑誌「ソワレ・ド・パリ」はここで生まれた。カフェ・ド・フロールの独特の雰囲気は映画界の者たちも虜にした。ブリジット・バルドーやアラン・ドロンなど名立たる俳優たちもこぞってここへ通ったという。

【フランス】かつて芸術家たちが愛した「カフェ・ド・フロール」

こうしてパリ社会におけるカフェの地位は否が応にも上がって行き、いつしかこういったカフェで時間を過ごすこと、正確に言うと、その姿を人に見られること自体がステイタスの一つとなったのである。すぐ目の前はサンジェルマン大通り。いつだったか、ここのカフェのギャンソンが著した本に書かれていた。カフェドフロールでは、客もギャルソンも常に見られることを意識している、と・・・

・・・「マダーム?」ハッと気付くと私はカフェ・ド・フロールの目の前に立っていた。不思議そうな顔をしたギャルソンと目が合うと、彼は私を中へと促した。

開店直後の店内には、まだ人は疎らであった。

3月末の朝のパリは肌寒い。私は外のテラスと店内との間にある席に座ることにした。そしてここの人気メニュー、オニオングラタンスープをすする。かつては、サンジェルマンに昇る最初の朝陽をこのカフェで浴びることがステイタスだった。それはもしかしたら今も変わっていないのかもしれない。

キビキビと動く360度隙のないギャルソンたち。テーブルにあしらわれた、カフェオリジナルのランチョンマット、年季の入った鈍く煌めくカトラリー。観光客で慌ただしくなる前に、ゆったりと朝の時を過ごそうという常連客たち。

【フランス】かつて芸術家たちが愛した「カフェ・ド・フロール」

サンジェルマンに降り注ぐ朝陽を受けて、なんだかとても、気分がいい。

【フランス】かつて芸術家たちが愛した「カフェ・ド・フロール」

エスプレッソを飲みきると、私はカフェ・ド・フロールを出た。

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カフェ ド フロール (パリ) の口コミ・写真・地図 – トリップアドバイザー

パリ発の文化はすなわち、カフェ発の文化である。それが頷けるほど、パリの街にはカフェがありふれている。

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シャルルドゴール空港へ戻ったのは、午前10時頃だった。クロアチアの首都ザグレブへは、クロアチア航空のプロペラ機で3時間程度。初日の宿は今回もアパートと決めていた。


[寄稿者:mamfuj]
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