時空を超えた煌めき!華麗なヴェネチアン・グラスに心奪われる「箱根ガラスの森美術館」
TABIZINE / 2021年5月4日 12時30分
個性ある美術館が点在し、アートの地としても知られる温泉地、箱根。「ガラスの森美術館」は華麗なコレクションのみならず、ヴェネチアの街の片隅に迷い込んだような異国情緒も魅力のひとつ。今回は、ガラスの輝きに包まれるロマンティックな世界をご紹介します。
クリスタルガラスのオブジェと季節の花々に彩られた庭園
「ガラスの森美術館」が佇むのは緑豊かな箱根仙石原の一角。敷地内にはヴェネチアをイメージした庭園や、ヨーロッパ貴族の別荘をイメージした建物が並び、中世を想わせる雰囲気が漂います。ガラスのシャンデリアなどのアート作品も点在。
庭園の見どころのひとつが橋に配された、高さ約9m、全長約10mの「光の回廊」。約16万粒のクリスタルガラスが施されたアーチは光や風を受けてキラキラと煌めき、幻想的な風景を魅せてくれます。
訪れた日はあいにくの雨模様で輝きは弱めでしたが、近くに寄ってみると七色の光が放たれているのを実感。儚くも可憐に眩く小さな粒を前にすれば、心に優しさがもたらされることでしょう。
箱根ガラスの森美術館は2つの美術館から構成。メインとなる「ヴェネチアン・グラス美術館」には、15世紀から18世紀にかけてヨーロッパ貴族を熱狂させたヴェネチアン・グラス約100点が展示されています。
エントランスを抜けてまず心を奪われるのが、ヴェネチアの名所、ドゥカーレ宮殿の天井画を模した絢爛豪華なホール。煌びやかなシャンデリアがあしらわれた回廊は圧巻の一言です。
貴重なヴェネチアン・グラスの名品を所蔵
古代ローマ時代のローマン・グラスが起源とされるヴェネチアン・グラス。13世紀〜17世紀にかけて多彩な技法やデザインが生み出されます。イタリア・ルネサンス繁栄を背景に、ヨーロッパ市場の90%をヴェネチアのガラス産業が占有していた時代もあったのだとか。
艶やかな赤色の「ドルフィン形脚赤色コンポート」は脚の独特なフォルムが印象的。華麗な輝きに満ち、ため息の出る美しさを湛えます。
ダイヤモンドの尖端で唐草模様と紋章が掘り込まれた「ヴァンジェリスティ家 紋章文コンポート」は16世紀末~17世紀初頭に製作されたもの。ヴェネチアの名産品、レースのデザインが取り込まれているのだそう。
ガラスの無限の可能性を体現した、現代ヴェネチアン・グラス
「現代ガラス美術館」では19世紀以降のモダンスタイルのヴェネチアン・グラスが展示されています。中でも注目すべきは、糸のような細い脚が杯を支えている「風にそよぐグラス」。そよ風にさえ揺れ動く繊細な造りながら、120年以上にわたって壊れずに立ち続けていることにも驚きです。
ヴェネチアン・グラスの伝統や技法に影響を受けた、アメリカ人アーティストの作品も。イタリア語で“斑点のある”という意味を持つ「マキア」はカラフルな色彩と流動的な形が特徴。まるで呼吸しているかのような、エネルギッシュな躍動感にあふれます。
イタリア香るミュージアムカフェ
園内にあるカフェレストラン「ラ・カンツォーネ」は鑑賞後の余韻をゆったり楽しみたい時に最適。一面のガラス窓からは庭園や箱根の山々を一望でき、開放感もひとしおです。
イタリア産ジェラートやナポリ伝統の焼き菓子、旬素材を使ったパスタ、リゾットなどを提供。「24時間熟成生ハムのパニーニ」(1,430円・税込)は旨味濃厚な生ハムともっちりと香ばしいパン、みずみずしいルッコラが絶妙な相性を醸しています。アートで潤された心を華やかに彩ってくれる味わい。
さらに世界各国のガラス製品をそろえるミュージアムショップ、手作りジャムやメープルシロップなどを販売するショップも併設。お土産探しにもピッタリです。中世を思わせる雰囲気のなかでヴェネチアン・グラスの輝きと美しさを堪能してみてはいかがでしょうか。
箱根ガラスの森美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原940-48
電話番号:0460-86-3111
開館時間:10:00〜17:30(入館は17:00まで)
入館料:大人1,800円、高・大学生1,300円、小・中学生600円
休館日:成人の日の翌日から11日間
URL:https://www.hakone-garasunomori.jp/
[All photos by Nao]
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