日本の食卓から「庶民の魚」が消える日

日刊大衆 / 2017年9月14日 15時5分

日本の食卓から「庶民の魚」が消える日

「今の漁業政策のままでは、いずれ、日本の魚資源が枯渇してしまいかねません」 こう警告するのは、東京海洋大学の勝川俊雄准教授。現在、日本の食卓「庶民の魚」が消滅危機だという。

■旬のサンマがひどい“不漁”で大ピンチ!  まず大ピンチなのが、これから旬のサンマ。この秋、値上げ必至だという。「今年も水揚げが始まりましたが、ひどい“不漁”。日本全体の漁獲高では、一昨年は35万トン、昨年は11万トンで、今年は5万トンまで落ち込むとみられているんです」(全国紙社会部記者)

 わずか2年間で7分の1に減少。2000年以降、急激に漁獲量を増加させてきた韓国、中国、台湾などの外国船の“乱獲説”も巷間、言われているが、前出の勝川氏は「外国船の影響はあくまで限定的」だと言う。「群れで移動するサンマやイワシは比較的、漁獲に強く、資源全体の3~4割獲っても大丈夫ともいわれています。現状では3割程度なので、乱獲という水準とは言えません」(勝川氏)

■“日本の海”そのものに問題が!?  サンマが不漁の本当の理由――それは、“日本の海”そのものにあるという。「最近、北海道の釧路沖に温かい水の塊が張り出していますが、これが何より不都合なんです。サンマは、高い水温が苦手で、日本近海に近づきがたい状況にあるんです」(前同)

 温暖化の影響かどうかは定かではないが、ともあれ、アシ(賞味期限)が早い青魚のため、“生サンマ”はこのままでは食卓から消えていく可能性がある。さらに心配なのが、政府の現在の漁獲方針。「日本は国際交渉で、サンマの“漁獲枠”を増やそうと提案したんです。その枠は、サンマの来遊量(日本近海に来る量)が今年は59.5万トンとの予測なのに対して、56万トン。漁獲率で言えば94%というベラボウな数値です。サンマを根絶させたいんでしょうか」(同)

■タウリン豊富なイカは緊急輸入措置  また、水温上昇の影響を受けるのは、サンマだけではない。サケ、イワシなども回遊ルートを変化させ、不漁が予測されている。さらに、生でも焼いても揚げても美味の食材――タウリン豊富なイカも、世界的な不漁だという。「卸値は例年の3倍以上になることもあって、函館市はイカ加工業者へ、他国から“緊急輸入”の措置を取るよう、1億円の支援を決めています。すでに北海道の名物駅弁『いかめし』は、泣く泣く20%の値上げを挙行しました」(地元紙記者)

■マグロやカツオも乱獲され…  さらに、ツナ缶の原料になるカツオも不漁で、この9月からツナ缶詰各種が10~20%値上がりするという。「外国船が巻き網で乱獲するため、日本沿岸に来るカツオが減っていることが理由だそうです」(前同)

 勝川氏が、こう嘆く。「クロマグロ、ニホンウナギ、ホッケなどは、明らかに乱獲状態であるにもかかわらず、適切な漁獲規制がなされず枯渇しかけている例の代表なんです」(同)

 魚中心の健康的な食事は、日本の文化。なんとかしてほしいものだが……。



週刊大衆2017年09月18日号

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