“元台風16号”熱帯低気圧も影響…27日(金)は関東・静岡で警報級大雨に さらに台風のタマゴ続々発生【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年9月26日 20時8分
25日(水)に発生した「台風16号」。この時期としては異例となる日本近海で発生しました。すでに熱帯低気圧になりましたが、27日(金)に関東などで“警報級の大雨”をもたらす可能性があります。(9月26日「Nスタ」午後5時30分すぎの放送より)
海面水温は高いのに…なぜ台風は発達しなかったのか
ホラン千秋キャスター:
25日に日本の近海で発生した台風16号は、すぐに熱帯低気圧に変わりましたが、27日は関東などで警報級の大雨の恐れがあるなど、油断できないということですね。
國本未華 気象予報士:
むしろ湿った空気の範囲が広がり、大雨になる可能性が高まっている状況です。
元々台風16号だった熱帯低気圧が、日本の南の海上にあります。雲一つ一つがゴツゴツした積乱雲のようになっていて、小さいですが、いくつもの塊がはっきり見えます。こういうときは一つ一つの積乱雲が背高く発生しており、大雨の危険性が高いという認識です。
井上貴博キャスター:
雲の形状でわかるということですか。
國本 気象予報士:
ベターっとした雲より、ゴツゴツと雲がいくつかある方が大雨を降らせます。南の海上にある雲が東へ抜ければ、さほど影響ありません。しかし、太平洋高気圧がまだ強く、日本の南西の海上に残っています。この太平洋高気圧の縁に沿って北の方に上がってきてしまうため影響が広がっていきそうです。
井上キャスター:
25日時点で海面水温はまだ27℃~29℃と、太平洋側、日本海側の日本近海で高い状況が続いています。
なぜ台風が発達しなかったのか、國本さんによると「海面水温が高いので台風が発生したが、秋の乾燥した空気の影響で、雨雲がわきづらく台風が発達しなかった」ということです。
國本 気象予報士:
海面水温は高いので台風自体は発生しやすい環境ですが、発達するかどうかはまた別です。21日~23日の3連休辺りで少し涼しい空気が入りました。その空気の一部が、台風の西側に巻き込まれるように入ったことで、台風が発達しづらい状況になりました。
関東・静岡で警報級の大雨に ピークはいつ?
井上キャスター:
海面水温が高いので、下から考えると発達しますが、上空の乾燥した空気で発達が抑えられるということでしょうか。
國本 気象予報士:
海面付近から空高いところまで空気が全て湿っていると、急発達する恐れがありますが、今回はそういうパターンではありませんでした。
ただ、雨は降ります。熱帯低気圧本体というよりも、その東側の雨雲、湿った空気によるものです。
降り出しが27日に日付が変わる頃、南の方から降ってきそうです。ただ、熱帯低気圧本体による強い雨雲は南の方にまだあります。27日朝になり雨の範囲自体は広がっていくという見通しです。
27日朝から千葉県内など激しい雨となりそうですが、時間を追うごとに雨の範囲がどんどん広がっていきます。中でも静岡県内でいうと伊豆半島だったり、神奈川県や千葉県、東京都内も含め南部ほど短時間で非常に激しい雨が降る恐れがあります。
27日午後6時以降は予想がすごくぶれていて、抜けていくパターンと、28日の夜ごろまで残るパターンと極端に予想が割れている状況です。27日は警戒が必要ですが、場合によって長引くかもしれないということも覚えておいてください。
27日朝、通勤通学の頃も本降りの雨ではありますが、ピークはその後にやってきそうです。
昼から夜にかけて風と風が結構ぶつかるような予想があり、特にこの南部と伊豆半島で、予想よりも雨雲が発達する恐れがあります。道路の冠水など浸水被害などもあるかもしれません。関東の南東側、沿岸ほど風が強そうです。
【27日(金) 1時間の予想雨量】
関東北部:40ミリ
関東南部:40ミリ
伊豆諸島:60ミリ
1時間降水量としては40ミリ~60ミリという想定ですが、上振れした場合には50ミリ以上となる可能性があります。
【26日夕方~27日(金)夕方 予想雨量】
関東南部:120ミリ
静岡県:200ミリ
伊豆諸島:200ミリ
27日夕方以降も降るので、これ以上の雨量を想定しておいてください。
1時間に40ミリとなると道路が川のようになり、それ以上降るとマンホールなどから水が噴出するということが考えられますね。200ミリの大雨は災害に結びつきうるくらいの量になります。
ホラン千秋キャスター:
都内で駅の構内などに水が入っていくような様子がありましたが、あのくらいの雨になるのでしょうか?
國本 気象予報士:
一番強いところではそのぐらいになり得ます。ただ、それが都心で降るか、少し離れたところ降るかという予想にはぶれはありますが、一番激しく降るところでは、そういった被害もあるかもしれません。
気になる“台風のタマゴ”が続々発生 9月は台風シーズン
國本 気象予報士:
また、南海上には台風のタマゴと2つの熱帯低気圧があり、ザワついています。
マリアナ諸島辺りの熱帯低気圧が台風になるという見通しが出てきています。これもどういう進路になるか、予想ははっきりしていませんが、おそらく太平洋側に雨を降らせるぐらいの湿った空気は運ばれてきそうです。大体1週間程度は太平洋側の大雨には気をつけてください。
この先の気温も気になるところです。東京は低めの状態が続きますが、西日本は猛暑が続きそうです。体調管理にご注意ください。
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<プロフィール>
気象予報士 國本未華さん
北海道室蘭生まれ、東京育ち
大学生で気象予報士、のちに防災士の資格も取得
これまでにNHK、日本テレビ、テレビ東京などの報道番組で気象情報を担当
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