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国際学力調査、日本 “高水準”維持も…算数・数学「得意」が減少 1位独占・シンガポールとの教育の違いとは?【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年12月5日 12時20分

TBS NEWS DIG

4年に1度行われる国際学力調査の結果が公表されました。日本の子どもたちの学力は、世界と比べてどうだったのでしょうか。

「算数・数学は得意」の回答 前回より下がる

小学5年生
「先生、無限に続く。この式が」

東京都北区の「渡辺塾」では、小学生が割り算を必死に解いていました。

小学5年生
「割り算とかけ算が好き」

一方、他の児童・生徒からは…

小学6年生
算数はちょっと苦手。計算が難しいのがはじまって、よくわからないところが多いから」

中学2年生
理科数学が苦手。簡単な問題をスラスラ解くのは好きだけど、応用問題とか文章問題になってくると、どうしてこうなるんだって」

Q.苦手な教科は?

小学6年生
算数。算数の日は最悪だなって思っちゃいます」

算数・数学が得意、と考える子どもが減っていることが、国際的な調査で浮かび上がりました。

4年に1度行われる理数科目の国際学力調査「TIMSS」。

58か国・地域の小学4年生、44か国・地域の中学2年生が参加して、2023年に実施された最新の調査結果が公表されました。

平均点で見ると、日本は小学4年は算数が5位で理科は6位、中学2年は数学が4位で理科は3位でした。

小学4年の理科が前回の4位から6位に下がりましたが、他の順位は変わらず、文科省は「高い水準を維持した」としています。

一方、今回の調査で算数・数学が「得意だ」と答えた割合が、小学4年は前回より9ポイント、中学2年は1ポイント下がり、いずれも国際平均を下回る結果となりました。

「渡辺塾」の講師は…

渡辺塾 渡辺浩 塾長
「最初の入塾の問い合わせの段階で、算数が苦手、理科が苦手という問い合わせが多い。今は効率よく時間をかけずに無駄な時間を省いてみたいな勉強の仕方をする子が多い」

「理由と理屈をちゃんと教える」 全教科・学年1位はシンガポール

今回の調査で、シンガポールは、すべての教科・学年で1位でした。その理由について専門家は、「理屈を教える教育」の影響を指摘します。

昭和女子大学 シム チュン・キャット 教授
「(日本は)なんでこの式を使うのか、その応用の背後の要因がよくわからない人が多い。

シンガポールの教科書を見ればわかるが、実生活にちなんだ例がいっぱいある。だから算数って楽しいね、この場面で使えばいいよねという有用性。理由と理屈をちゃんと教えるシンガポールと、ただやればいいよという日本のギャップがあると思う」

日本の課題については…

昭和女子大学 シム チュン・キャット 教授
「共通テストが来月あるが、いまだに選択問題があるのが一つの課題だと思う。正解のない社会で4択問題を設けて、1つの正解だけを選ばせることに非常に抵抗感がある、シンガポールは。基本的に中1からは論述。採点には時間がかかるが、それだけやる価値はある」

調査結果を受けて文科省の担当者は、「子どもたち自身が主体となって課題を見つけ、解決できるよう促していく"探求型"の指導方法を探り、 苦手意識を無くしていきたい」としています。

家の本 25冊以下と101冊以上で平均点に大きな差

小川彩佳キャスター:
学生時代に理数科目は苦手というか、苦手意識がものすごく高くて、出題される途端に身構えてしまいました。

トラウデン直美さん:
私も計算は割と好きだったんですが、図形にかなり苦手意識があって、あまりうまくできないという思い出があります。両親が数学好きで、私も解こうとしていたので、「とらないで」みたいな感じで、「何か楽しいものなのかな」と少し思っていました。

それで何とか頑張れましたが、苦手意識がある人が多いので、「なんか難しいものなのかも」と、どんどん伝播しているような気もします。

藤森祥平キャスター:
親の立場で、子どもに「ちょっと数学苦手だった」と言うと、素直に受け取ることもあるかもしれません。

今回の国際学力調査では、家にある本の数と平均得点に関係があるということも示されました。

【家にある本の数と平均得点の関係(小4・算数)】
・0~25冊 566.8点
・25~100冊 598.6点
・101冊以上 619点
※文科省・TIMSS2023の結果(概要)より

小学4年で、家にある本が25冊以下と101冊以上で平均点が約50点も開いてしまったとのことです。中学2年でも同じような結果になったそうです。

本の数は、家庭の経済状況だけではなく、保護者の教育への熱心さ・関心など、様々なことに関連しているそうです。

教育経済学者の中室牧子さんは、社会経済的背景による学力格差は、多数の研究で指摘されているとし、コロナ禍の休校があった時代の子どもたちには格差が広がる傾向があるそうです。

さらに「他方で教育の質やICTを用いた学習などで、学力格差が縮小することを示した研究がある」と話しました。

トラウデン直美さん:
家庭の状況によって差が生まれてくると思いますし、一つの指標になりますが、そこに学力の差が大きく出てしまうのは、少し問題かなと思います。

子どもたちが選べるものではないので、学校教育という部分で、もう少しサポートや補えるところがあるのかなと思います。

学生時代、「理数科目」が得意でしたか?

NEWS DIGアプリでは『理数科目』について「みんなの声」を募集しました。

Q.学生時代、「理数科目」が得意でしたか?

「かなり得意」…13.3%
「どちらかというと得意」…17.9%
「得意な科目もあった」…18.5%
「どちらかというと苦手」22.6%
「かなり苦手」…26.1%
「その他・わからない」…1.5%

※12月4日午後11時10分時点
※統計学的手法に基づく世論調査ではありません
※動画内で紹介したアンケートは5日午前8時で終了しました。

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<プロフィール>

トラウデン直美さん
Forbes JAPAN「世界を変える30歳未満受賞」
慶応大学法学部卒

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