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民間で日本初、打ち上げに成功した小型SAR衛星が待望の初画像を送信

Techable / 2021年3月2日 6時0分

宇宙ベンチャー企業のSynspective(シンスペクティブ)は、昨年12月、自社開発による小型SAR(合成開口レーダー)衛星の打ち上げに成功した。

その後、様々な機能のチェックを経て、2月8日、主目的である地表面の画像取得が問題なく行われることが確認された。

(昨年の打ち上げについては、過去記事『宇宙ベンチャーのSynspective、小型SAR衛星の軌道投入に成功』で取り上げている)

70センチ角の衛星が、大型レーダーと同等の役割

合成開口レーダー(SAR)とは、軌道を移動中にマイクロ波の送受信を繰り返し、そこから得られたデータを合成することで、大口径のレーダーに匹敵する画像精度を実現するもの。

「StriX(ストリクス)」と名付けられたSynspectiveのSAR衛星は、打ち上げ時のアンテナを畳んだ状態だと、1辺70センチの立方体。非常に小さいサイズなので、従来の大型SAR衛星と比較して開発・打ち上げコストが約1/20で済むそうだ。

同社のニュースリリースによれば、日本の民間企業による小型(100kg級)SAR衛星で、レーダーによる画像取得に成功したのは今回が初めてとのこと。

自然災害の被害把握や都市・インフラ開発での利用

「StriX(ストリクス)」が取得する画像では、地上にある1〜3mほどの構造物や地形の違いなどが判別できる。また、画像内に10〜30km幅の地域が収まる。観測にマイクロ波を用いるため、雲を通してその下を写すこともできる。

こうした特長から、画像データの使い道として一番に挙げられるのが、自然災害時の状況把握だ。例えば台風のときに、水没している場所はもちろんのこと、冠水で不通になっている道路はどこかということまで細かくわかる。

また、インフラ・都市開発の際にも、土地の現状把握や工事の進捗状況の確認が客観的に行える。ちなみに「StriX」は、地球を回りながら世界数千ヵ所の開発現場を撮影できるそうだ。

Synspectiveは、2022年までに、もう3機の「StriX」を追加して打ち上げる予定だ。

PR TIMES

Synspective

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